サッカージュニアの熱中症対策~基礎編~ 熱中症になりそうなサインとは?
夏休みが目前に迫り、いよいよ夏本番。サッカージュニアは、暑さ対策が重要項目になりますね。そこで、イオン飲料「ポカリスエット」でおなじみの大塚製薬株式会社に熱中症対策についてお話を聞きに行きました。3回シリーズでお届けする初回はまずは基礎編。熱中症についての基本的な情報と、サカママができる子どもの熱中症対策について解説します。
そもそも「熱中症」とは
まずは熱中症についておさらいしましょう。熱中症とは、体の中で作り出す熱と、その熱を体外に放出する熱のバランスが崩れたときに発生する症状の総称です。実は、熱中症の主な症状は4種類あり、それぞれの特徴は以下の通りとなります。
熱失神
運動や高気温によって体温が上がることで皮膚血管の血流量が増えて一時的に血圧が下がり、めまいや立ちくらみ、意識を失うこと。
熱疲労
発汗によって失われた体の水分量に対して摂取量が足りずに脱水を起こすことで生じる倦怠感や嘔吐、頭痛など。
熱けいれん
汗を大量にかき、水分だけを補給した結果、血中の塩分濃度が低下して起こる手足のつりや筋肉のけいれんのこと。
熱射病
過度の体温上昇によって脳機能に異常をきたし、体温の調節ができなくなる。意識障害やショック状態など、重症な状態。
子どもは熱中症になりやすい
大塚製薬株式会社ニュートラシューティカルズ事業部の浅見慎一さんによると、子どもは大人以上に熱中症になる危険性が高いそうです。その理由は、
- 体が小さいため、体内に保持している水分量が少ない
- 体温調節機能が未熟
- 身長が低く、地表からの熱の影響を受けやすい
などがあるそう。
私たちは出産後の乳児検診などで、乳幼児は体温調節機能が不完全であるというレクチャーを受けていますよね。赤ちゃんほどではないにせよ、ジュニア世代でも注意してあげるべきとのことです。
熱中症になりかけているかの見分け方
こまめな水分摂取など、基本的な対策をもれなく行っていても100%安心とはいえません。そこで重要なのが熱中症の危険を見分けるサインです。というのも、熱中症はその日の天候だけでなく、本人の体調によっても発症のリスクが大きく異なり、事前に判断するのは大人でも難しいもの。子どもはなおさらです。サッカーに夢中になっている子どもが自ら体調不良を訴えることはまずないと心得ましょう。
そのサインとはずばり「赤ら顔」。暑さや運動によって上昇した体温を放出するため、皮下の血液量が増え顔が紅潮します。それにより、子どもの顔が赤くなっていたら、体温調節機能がフル稼働している状態。このときに適切な水分摂取と休息を取らないと、熱中症を引き起こします。「いつもより顔が赤い」と思ったら、大人がためらうことなく休ませるとともに、熱中症を疑ってください。
次回は対策編。さらに詳しく、熱中症にならないためにサカママがしてあげられることを解説します。