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FC多摩

【「J」に迫る強豪街クラブの中学育成論】FC多摩ジュニアユース・平林清志監督(第1回)

多摩市のサッカーを盛り上げるために

中学年代は成長過程において、非常に繊細で多感な時期と言われています。長年、この世代の成長を見守ってきた指導者たちは、どのように選手にアプローチし、どのような育成論を持って接してきたのでしょうか?

今回ご登場いただくのは東京都を代表する街クラブの強豪「FC多摩ジュニアユース」の平林清志監督です。昨年度の高校サッカー選手権で注目を集め、鹿島アントラーズに入団したDF関川郁万選手、4月の第57回デュッセルドルフ国際ユース大会で、日本高校選抜としてストライカー賞に選出されたFW宮崎純真選手など、有望選手を次々と高校サッカー界に輩出してきた中学年代の育成スペシャリストです。今年は関東リーグに名を連ね、街クラブにして、Jリーグクラブのアカデミーに匹敵する強さにまでクラブを育て上げた監督に、クラブ創設の歴史から中学年代の育成論について伺いました。

平林監督
サングラスがトレードマークで強面の平林監督。しかし練習から離れれば子どもたちに向けやさしい笑顔を見せてくれる。

創設は多摩市に街クラブがなかった時代

東京を代表する強豪街クラブ・FC多摩ジュニアユースですが、創設の経緯はどういったものだったのでしょうか?

「クラブが創設された1994年当時は今ほど街クラブもなく、多摩市にはジュニアユースのチームが存在しませんでした。当時、私は多摩市のジュニア選抜チームのコーチをしていたのですが、中学の部活動があまり盛んではなかったこともあり、中学に上がる高学年の子どもたちから『チームをつくってほしい』という要望が高まっていました。多摩市にはジュニア世代まで一生懸命やっている子がいましたが、ジュニアユースのクラブチームとなるとヴェルディユースしかなく、そのレベルに達していない子どもたちの受け皿がない状況でした。ジュニアで教えていた子たちが実績を残していましたから、私自身も上のカテゴリーでも彼らを見ていきたいという想いがあったんです。そして親御さんからも『みんなが各中学でバラバラになる前につくりましょう!』と後押しをいただき、地域協会の方たちのご尽力もあって、『FC多摩ジュニアユース』を作ったのが創設の経緯です」

当初の人数はどのくらいだったのでしょうか?

「最初はジュニアチームから上がってきてくれた子が30人ぐらいでしょうか。前述の経緯もあり、自然と多摩市のジュニアの子どもたちが、『ジュニアユースをちゃんとやりたい!』と情熱を持って集まってくれたので、楽しんでサッカーができました。多摩市の子をベースに、FC町田(現FC町田ゼルビア)さんがとなりの市でモデルケースとしてあったので、それを見習いながらやりましょうと。もともと指導していた選手たちが中心となって、コミュニケーションができる状態でチームづくりができたことも大きかったですね。そこから徐々に結果を残していったことで、周囲の稲城市や八王子市の南大沢の子たちなど、自転車で通って来られる範囲の子たちが増えていきましたね。さらに時代の経過とともに、多摩都市モノレール線や小田急線沿線のアクセスも良くなったことで、今では国立市、川崎市の新百合ヶ丘、更には町田市や相模原市から通って来てくれる子がいます」

多摩市のベースアップのためにジュニアカテゴリも新設

多摩市を盛り上げるために創設したチームですが、実績を残したことで、外部からも多数希望者が集まってきたと?

「そうですね。もともと市外の子どもたちの方がレベルが高く、10年前までは多摩市出身者と市外で50:50だった比率が、ついには逆転してしまいました。もともと多摩市を盛り上げるために作ったクラブですし、多摩市のベースを上げるためにもジュニア世代からの強化が必須と考えるようになりました。そこで多摩市のサッカー協会に掛け合い、ジュニアのカテゴリーの新設を打診したのですが、当時は多摩市に少年団が多く、クラブチームの新設は『様子を見よう』ということになりました。それはもっともなお話ですし、最初はスクールから始めたのですが、4種(ジュニア)のブロック編成があったことで状況が変わったんです。多摩市、町田市、稲城市が同じブロックになり、同ブロックのチーム数が一気に増えることになりました。その中で多摩市には地域を代表するような成績を収めているチームがなかったこともあり、多摩市のサッカー協会からも『もう一度盛り上げよう』と。応援をいただく形で2014年からジュニアも始めることになりました」

地元出身選手のベースアップにつながっていますか?

「チームとしてのベースアップにはもちろん直結していると思いますが、ジュニアも今では他市の小学生が多いですね。もともと多摩市は『ちょっとスクールを受けてみるか』っていう子が多く、他の地域に比べてサッカー人口も多い方ではありません。小学生でも町田市や八王子市など遠方から来る子たちはやはり意識が高いですよ。小学生で電車に乗って1時間もかけて来ているわけですからね。多摩市の子どもたちが上手くなってくれることが理想ですが、市外の選手とも互いが切磋琢磨して、中学年代に上がるまでに強い選手になるよう責任を持って指導しています」

FC多摩
低学年でもFC多摩の選手は球際に強く、積極的にボールに向かっていく姿勢が印象的だった。

インタビュー第2回はこちら 「365日、欠かすことのない“全員指導”の意義」

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『中学サッカー進路ナビ』は、2018年春に実施したアンケート、および各チームへの取材をもとに、2018年8月を締切とし作成されたものです。そのため制作期間中に取材・アンケートが適わず、本書にて紹介しきれなかったクラブチームもあります。サカママ編集部では、シリーズでの刊行を目指し、継続的にクラブチームの皆さまの情報を受け付けております。同書をご覧いただき、掲載を希望されるチームの方々は、お気軽に当編集部までお問い合わせください。

●サカママ編集部
MAIL:info@soccermama.jp
TEL:03-6721-5715

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