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サッカーを続けると、どうなるの?続けていればいつかは伸びるって本当?(後編)

全国屈指の強豪校として知られる福島県の尚志高校サッカー部。創部以来、20年以上に渡り指揮を執る仲村浩二監督に、前編では高校生になってから伸びる可能性やサッカーを続ける魅力などサカママの疑問に答えていただきました。
後編では、仲村監督に聞いた「小柄な選手がサッカーを続けるための秘訣」「子どもたちがサッカーを続けていくために親はどうサポートすべきか」などをお届けします。

小柄だとサッカーに向いていないように感じるのですが……

身長が低い選手は、何か一つ武器をつけること

背が小さい選手であっても、チームの中にはその選手しかできない役割があるはずです。それを一つ見つけて、武器にすることが大事。さらにスピードも加わればベストです。とはいえ、ベースとなるのは絶対に技術。小学生時代には、しっかりした技術のベースをつけておくことが一番です。それに中学まで小柄でも、高校で一気に身長が伸びる可能性も大いにあります。

尚志高校
仲村監督が指導した中には、165cmで入部して卒業時は178cmまで伸びた選手もいたそう。

高校を卒業しても、サッカーを続けている選手は多いのでしょうか?

大学でも続けている選手が増えています。本気でサッカーと向き合えば、選択肢が増えていくはず

今は大学に進学してサッカーを続けている選手が増えていて、チームの中には、いわきFCから誘ってもらったにも関わらず、大学でサッカーをすることを選んだ選手もいるほどです。選手権でチームの軸として活躍した坂下健将は、高校選抜にも選ばれたほど実力のある選手。でも、自分を見つめ直すために現役としては一度終わりにすることに。ただ、何かのかたちでサッカーを続けるとは言っています。3年間、本気でサッカーと向き合ってきたからこそ、いろんな選択肢があるんだと思います。

坂下健将選手
選手権の2回戦(対東福岡高)では、先制点を決めた坂下健将選手(MF)。卒業後は千葉工業大学へ。

選手権で大活躍した黒澤選手。試合に出られたのは他の選手のおかげ!?
「黒澤誓哉が引退宣言をした馬目裕也を救ったのですが、二人は同じポジションなので今度は黒澤が試合に出られず、ふてくされた態度をとるようになってしまって…。それでAチームからBチームに降格させました。すると今度は、馬目たちが黒澤に『頑張れ、耐えろ』と言い続けて。黒澤は選手権の予選ではメンバーには入れてなかったんですけど、選手たちみんなで話し合って『黒澤は変わってきたからメンバーに入れてください』と言ってきたんです。僕自身、黒澤の力は知っていたので戻すことに。黒澤が選手権で活躍できたのは『チームのために頑張る』という気持ちに変わったからだと感じています」

黒澤誓哉選手
黒澤選手は大学ではサッカーを続けず、玉川大学で教員を目指す。

子どもたちがサッカーを続けていくために親のサポートで大切なことは?

辞めたいと言ってきたときには、その選択を選手本人に任せないこと

サッカーを続けていると、辞めたくなるときもあるかもしれません。でも、辞めるかどうかの選択を、選手だけに任せないでほしいのです。選手本人に任せてしまうと、後押ししてしまうことにもなるので、親御さんは一緒に筋道を考えてあげてください。また、サッカーでは親御さんも、選手自身も、他の選手と比べないことが何よりも大事。比べてしまうと、サッカーがおもしろくなくなってしまうものです。

尚志高校
「選手の親御さんたちは自分の子だけでなく、選手全員をいつも応援してくれています」と仲村監督。

2019年 尚志高校サッカー部の注目選手は?

選手権では2年生ながら圧巻のハットトリックを決め、大会得点王にもなった染野唯月選手。じつはボランチ(中盤の中心選手)を希望したときには、AチームからBチームに降格したことも。けれど、その後、FWとしての覚悟が決まり、そこから変わっていったそう。高校選抜、U-18日本代表にも選ばれ、今春3年生になる染野選手。今後の活躍に注目を!

染野唯月選手
染野唯月選手(FW)が今年のチームをけん引していく。