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恥ずかしさに強くなるとパフォーマンスが上がる

こんにちは、メンタルトレーナーの清水です。

先日、初対面の人とお会いする時に、久しぶりに「恥ずかしいなあ」という気持ちになりました。大人になるとこうした「恥ずかしい」という経験をしなくなるように思います。人には自分を不快なものから守ろうとする防衛本能があります。ですので、恥ずかしいということが嫌だと感じている人は、自然と恥ずかしいことを避けようとしていきます。

しかし今、たくさんのアスリートをサポートさせていただいていて感じるのは、ジュニアアスリートでもトップアスリートでも、恥ずかしいと思えるようなことを人前でできる人ほど、緊張やプレッシャーの中でも自分の力を発揮しやすいということです。

例えば、私のサポートしている選手の一人に高校サッカー部に所属している選手がいます。その選手が所属しているサッカー部は、合宿の自由時間にモノマネをするのが流行っていると言っていました。みんなで笑いながら楽しく過ごしているそうなのですが、その子は恥ずかしくて「自分に回ってきませんように」と思っていたようです。
しかし彼は、合宿の中で何度もモノマネをしていくうちに、だんだんとその恥ずかしさに慣れてきたと言います。 それまでの彼は「恥ずかしいこと→避けたい」という考え方でしたが、慣れていくうちに「恥ずかしいこと→大丈夫、できる」という感覚になっていったと言います。

「恥ずかしいからやらない」ではなく、「恥ずかしくてもモノマネをする」というふうに行動はやめず続けたことで、「恥ずかしさ」への感覚が変わってきたのです。

「緊張、プレッシャー、恥ずかしい=うまくいかない」ではない

現在の日本の風潮として、「緊張、プレッシャー、恥ずかしい=うまくいかない」という考え方を持っている人が多いと感じています。そうすると、プレーをどうにかするという意識の前に、感情をどうにかしようというふうに自分の感情と戦ってしまいます。自分がどうするべきかの行動に意識がいかなくなり頭が真っ白になる人や、緊張やプレッシャーが解けず焦ってしまいパフォーマンスが落ちてしまう人もいます。

これは、どうにもできない緊張をどうにか落ち着かせてからプレーしたくなってしまうために、行動に意識がいかなくなることで起きています。 誰しも緊張やプレッシャーを感じていてもうまくいった、恥ずかしかったけどできた、という経験はしていると思います。「感情=結果」ではないわけです。

「恥ずかしい」と感じていながらも行動は起こすことができる

恥ずかしい経験を積んでいる人ほど、その中で自分の行動をどうするか、行動をコントロールするようになります。 今、好きな食べ物をいきなり嫌いになれと言われても難しいのと同じで、感情はコントロールできません。感情を持ったまま行動をコントロールすることが、パフォーマンスアップの秘訣です。恥ずかしい経験をたくさん積んでいくことは、感情を持ち、行動をコントロールするトレーニングになります。

実際、私がサポートするFリーグのフウガドールすみだの選手たちは、試合前に全員でふざけた行動をします。それも真面目にふざけるということをします。この行為は、人に見られる中で恥ずかしいという経験を積んでいることと一緒です。そうすると「恥ずかしい」「緊張する」という感情を受け入れやすくなり、コントロールしなくなります。その結果、行動をどうしていくかプレーに集中できる環境が作られるのです。フウガドールすみだは大舞台になっても実力を発揮することができるチーム。彼らは日本一にも輝いたことのあるチームで、今年も現在リーグ3位で好成績を納めています。

経験を積むには?

まずは感覚的に掴んでみるために、お母さん方も「恥ずかしい」ことにチャレンジしてみることをおすすめします。例えば、クライアントさんの中には、普段着ないような色の服を着て街を歩くことをしてもらったことがあります。初めは恥ずかしかったようですが、終わってみれば「恥ずかしいことにだんだん慣れてきました」と言っていました。

このように感情に慣れてくると、人は感情と戦わなくなります。 そうすることでストレスも感じにくくなり、行動がいつものように起こせるようになってくるのです。

緊張して練習のように試合でプレーできない、プレッシャーのかかる本番に弱い、そんなお子様は「恥ずかしい」をトレーニングすることで、道がひらけてくるかもしれません。ぜひ、チャレンジしてみてください。

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