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イバン・ピニョル・ソロア

指導者の言霊「イバン・ピニョル・ソロア 元FCバルセロナアカデミーコーチ」

「全員が楽しみ、学ぶ」ための環境づくりをすることが大切

ジュニア年代の育成方法はクラブの規模や目標によってそれぞれ異なると思いますが、どのクラブでも「全員が楽しみ、学ぶ」ための環境づくりをすることが大切です。ジュニア年代というのは、勝敗よりも選手の育成を重視しなければなりません。私は指導者としてのキャリアをスタートさせたばかりの頃、相手がジュニア世代の子どもであることをついつい忘れ、要求しすぎてしまったことがあります。子どもたちとしてはサッカーを楽しみ、その中で学んでいくことが大切なので、言いすぎないよう注意すること。たとえばある選手が練習中、同じミスを3回続けたとします。そこで指導してもいいのですが、自分で気づいて修正できるかもしれないので、時には我慢して見守ることも大切ですね。

選手を育成する際は、スポーツ面、ソーシャル面、そしてメンタル面の3つを総合的に伸ばしていく必要があります。スポーツ面はフィジカルや技術、戦術理解など。ソーシャル面はコミュニケーション能力を始め、学校や家庭での生活。メンタル面はモラルや生活態度など。これら3つを鍛えていかないと一人前のプレーヤーにはなれませんし、人間としても未熟なままになってしまいます。

9歳から12歳の頃までというのは、純粋にサッカーを楽しめる年代なので、指導する上での苦労はそれほど多くありません。ただし彼らの前では、指導者は“先生”になる必要があります。ピッチ内外での振る舞いが、いち大人としてしっかりできているかどうかを考えながら行動することです。

そして子どもたちには、練習後にフィードバックを投げかけることも大切です。「今日はどんなことをやった?」と尋ねて答えが返ってこなかったら……自分の指導に問題があるのかもしれません(笑)。こういった事態を避けるためには、何か一つに特化しながら教えたほうがいいと思います。パスの練習をして、ドリブルをしてシュートをして、といった練習になると、何をやって何をやらなかったのか分からなくなってしまいます。たとえばコントロールに特化し、ファーストタッチでスペースに置くとか、体の向きに気を付けるとか、しっかりフォーカスしてトレーニングすることが大切です。

一方、13歳から15歳ぐらいになると成長期、思春期に入り、遊び方も変わってくるので、指導もかなり難しくなります。この頃になると“先生”というよりは指導者として接しなければなりません。15歳になればいろいろなことができるようになるので、戦術的な要求もしていきます。また、ヨーロッパでは年上の人を敬わない選手もいるので、そのあたりの指導もピッチ内外で行っていきます。

プレーするお子さんに対して親としてリスペクトしてほしい

指導者と親御さんの関係についてですが、友人になるのは避けたほうがいいでしょう。親にとっては我が子がナンバーワンであり、“ネクスト・メッシ”になれると思い込む傾向があります。けれど親がそう思っていると、お子さんも勘違いしてしまいがちになるので、指導する側が注意しながら接しなければなりません。私が過去に指導してきたチームでは、親御さんとも適度な距離感を保ち、友達になってしまうことなく、お互いにリスペクトし合える関係を築くことができました。親御さんには指導者とそのような関係を築けるよう、心がけてほしいと思います。

お子さんに対しては、プッシュしすぎないことを心がけてください。子どもは楽しむことが大切なので、それができる環境を作っていただきたいですね。指導者に対して敬意を持っていただきたいのと同じように、実際にプレーするお子さんに対しても、親としてリスペクトしてほしいのです。スペインでは親どうしがケンカをすることもあります。親は子の鑑になるので、親御さんがそのような振る舞いをすると、お子さんもまねするようになり、ピッチ内でラフプレーに走るようになるでしょう。他者に対するリスペクトの心を忘れないように見守ってあげてください。

取材・写真/池田敏明

(2015年10月発行の15号掲載)

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