スポーツから学ぶ、社会で役立つチカラ!VOL.6
「スポーツ×教育」の観点から、育成、教育、マネジメントに関わるあらゆる大人たちに向け発信している「SPODUCATION」(https://spoducation.jp)。サッカー選手をはじめとしたアスリート、指導者、有識者たちによるセミナーを毎月オンラインで開催しています。連載「スポーツから学ぶ、社会で役立つチカラ!」では、過去の対談の中からサッカーキッズを育てるサカママに向け、厳選してダイジェストでお届けします!
橋本大輝 本番で結果を出すための心の技術
パリ2024五輪金メダリストから、メンタルをコントロールするための練習方法や、世界を経験して培ったスポーツ観について伺いました。

橋本 大輝(はしもと・だいき)
2001年、千葉県生まれ。2人の兄の影響で6歳から体操を始め、市立船橋高校で頭角を現す。2024年パリオリンピックでは団体で総合優勝を果たした。
セミナーの一部をダイジェスト紹介!
──本番に向けて練習するときに気を付けていることは?
「『練習し過ぎないように練習する』ことを心がけています。『練習でうまくいけばOK』と練習基準で考えてしまうと、いざ本番に対応ができません。だから『試合だとこういう状況が想定されるから、こういう練習もしておくべきだな』とイメージする。普段の練習から試合会場をイメージして、目の前に審判員の方が立っていると思って演技しています。イメージトレーニングは大事ですね」
──五輪や世界選手権を見ると、橋本選手は自分のピークを持って行くのが上手という印象があります。
「僕自身は、難しいと感じています。自分の身体をコントロールする競技なので、特にピーキングが求められます。これまでの経験で感じたことは、準備期間が大切ということ。五輪のときは、周りのサポートが手厚かったからこそ、結果につながったと感じています」
──「緊張しないように」と考える選手が多いですよね。「緊張」をどう捉えていますか?
「緊張にはメリットもあるので、プラスに捉えています。緊張すると身体が締まるぶん、集中しやすくなります。僕は元々緊張しやすいタイプで、完全に緊張をなくすことはできません。だから僕にとっては、緊張をコントロールすることのほうが大事です。緊張を抑えようと考えるのではなく『この一本に集中しろ』と自分に言い聞かせています」
──橋本選手は何度も世界の舞台に立っていますが、環境が変わるなかでどのように精神を集中させていますか?
「1種目ごとにいろんな不安要素があって、自分が有利ではない状況も少なくありません。そのなかでも、うまくコントロールしなければならないのが難しく感じますね。特に、2種目のあん馬は緊張するので、緊張し切った後は一旦気持ちを落ち着かせます。リラックスした状態で次のつり輪をしっかりやる、というふうに一種目ずつ気持ちを切り替えるようにしています」
──「努力」について、どう捉えていますか?
「動くことが必ずしも努力というわけではありません。常に疑いを持って『もう少し変化させたらもっと良くなるんじゃないか』と考える努力も必要です。指導者に教わったやり方をベースに自分の頭でも考えて、自分なりのやり方を見つけていく。努力に100%はなく、どれだけ100%に近づけるかが努力だと思います」
──教えられた内容をコピーするだけでは、自分の中に定着しないことがあります。自分で考えることも大事ですよね。
「はい。結果につながるように、どれだけ考えているかが練習では大事です。練習していないように見えて結果が出ている人は、練習量をこなすより頭を動かしています。あえて飛びつかずに考えることで、結果的に練習の質を高くしているのです。やみくもに身体を動かすことが練習ではありません。結果を見れば、どれだけ質の高い練習ができたか分かります」
明日から実践したい! 名言PICKS
●『練習し過ぎないように練習する』ことを心がけている
●試合をイメージした練習で、自分に緊張感を与える
●緊張を抑えようと考えるのではなく『この一本に集中しろ』と自分に言い聞かせる
●小中学生は、結果を意識せずにやって『継続する力』を身に付けてほしい
●まず自分を知って、その特徴や性格に合わせて練習内容を考える
●努力に100%はなく、どれだけ100%に近づけるかが努力
続きは「SPODUCATION」のサイトにてお楽しみください!
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