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知っておきたい②「心停止」のコト

知っておきたい②「心停止」のコト

スポーツ事故の中で最も救命処置が重要になる心停止。選手が急に倒れてしまったら、すぐに手を差し伸べられるよう最低限の知識を身につけておこう。

心停止が起きると1分経過ごとに救命率が約10%低下!

心停止とは、心臓の働きが停止してしまうこと。心臓のポンプ機能が失われ、血液を送り出すことができなくなる状態です。サッカーは、身体に負担や衝撃がかかるスポーツであるため、心停止が起こる可能性があるのです。

練習や試合中、他の選手と接触がなく急にバタッと倒れてしまったら、心停止を疑いましょう。心停止が起きると、1分経過するごとに救命率が約10% ずつ低下し、遅れるほど後遺症も残りやすくなるため救命処置が必要です。倒れた選手のもとへ即座にかけより、反応がなければ救急車を依頼。呼吸を確認し、心肺蘇生(心臓マッサージ)とAED(自動体外式除細動器)による電気ショックを、救急隊が到着するまで行います。

救命処置の方法は、日頃、練習をしていないとわからないものです。救命救急の講習会は消防庁や日本赤十字社、日本サッカー協会などで行っているので、一度受けてみるといいでしょう。心停止は、AED があり、即座に対応すれば、助かるケースも多いものです。子どもたちのサッカー現場にもAED を常備し、AED を使える人がいることが大切です。

もしも!のときの心得3カ条

COLUMN

小学生から参加可能!JFA+PUSHコース(簡易救命講習会)

日本サッカー協会では、2つの救命救急講習会を実施。保護者や指導者が参加できる「スポーツ救命ライセンス講習会」は、心停止や脳しんとう、熱中症、アナフィラキシーなどについて学べます。所要時間は約5時間、AEDの使用方法や搬送の手順が学べる実技も。小学生から参加できるのが約2時間の「JFA+PUSH コース」。心臓マッサージの基礎やAED の使い方をわかりやすく解説。親子やチームで参加してみて!
詳細はスポーツ救命ライセンス講習会まで

お話をうかがったのは

古家信介先生

古家信介先生

関西医療大学保健医療学部教授、小児科医・救急医・産業医。JFAスポーツ救命部会員、一般社団法人 日本アスリートライフサポート協会代表理事。

AEDについて、わかっていないかも・・教えて! スポーツ看護師サカママ!

日本は世界で最もAED 設置が多い国。もしものときに使えるように、AED についての疑問を解決!

Q. そもそもAEDって?

AED は「自動体外式除細動器」のこと。心臓がけいれんを起こし血液を送り出すためのポンプ機能を失ったときに、電気ショックを与えて心臓を正常なリズムに戻すための医療機器です。「除細動」とは心臓がけいれんした状態を「取り除く」ことを差し、自動でAED が心電図の解析を行ってくれるので、必要な場合にしか電気は流れないようになっています。

そもそもAEDって?

Q. 誰でも使える?

大人はもちろん、子どもも使えます。かつては医療従事者や救急隊しか使えなかったのですが、2004年7月から一般市民の方でも使用できるようになりました。

Q. 基本的な使い方は?

AEDはふたを開けると自動で電源が入るものと、電源ボタンを自分で押すタイプがあります。電源が入ると自動で音声ガイドが流れるので、アナウンスの通りに行動しましょう。まずは、パッドを貼ります。基本は胸の右上と左下に貼りましょう。未就学児など身体が小さくパッドが重なり合ってしまう場合は胸と背中に、心臓を挟み込むように貼ればOK。心電図の解析がはじまるアナウンスが流れたら傷病者から離れ、「電気ショックが必要です」とアナウンスが流れたら、感電しないように傷病者から離れた位置でショックボタンを押しましょう。

Q. どこに設置されているの?

公共施設や商業施設、学校やスポーツ施設など人が多く集まる場所に設置されています。広い公園では管理棟やレストハウスにあることも多く、スタジアムでは救護所の他、通路にも設置してある場合も。

Q. 心臓マッサージはいつ行えばいいの?

倒れている人の呼吸が確認できなかったら、胸骨圧迫(心臓マッサージ) をすぐに開始しましょう。AEDが到着するまでの間、AEDを使用中も電気ショックが必要ないとき、救急隊が到着するまでは胸骨圧迫が必要です。胸の1/3程が下がるくらいの強さで「強く、早く、絶え間なく」行うことが大切。胸骨圧迫とAEDを組み合わせることで救命率は4倍に上がると言われています。

そもそもAEDって?

サカママが体験!

今府真樹さん

「スポーツ救命ライセンス講習会」に参加し正しい知識を持つことが大切だと実感!

最初は5時間もの講習についていけるか不安でしたが、現役医師の講師の方たちの座学や実技指導がとてもわかりやすく、サッカー現場で多い熱中症や心臓しんとう、脳しんとうについてもしっかりと学ぶことができました。中でも一番時間を使って教えてもらえたのが、AED の使い方。使用後の処置などもわかり、理解が深まりました。子どもたちが安心安全にサッカーができる環境をつくるためにも、サカママの私たちが正しい知識を持つことが大切だと改めて感じました!

普段サッカーの練習をしているグラウンドのどこにAEDが設置されているか確認を。ない場合は、近隣の一番近いAED設置場所を把握しておきましょう!

金子会里さん

教えてくれたのは金子会里さん

看護師・保健師、認定スポーツ救護ナース、スポーツ救命ライセンス講習インストラクター他。soccer MAMA WEBでコラム執筆中。金子会里さんのコラム一覧はこちら

イラスト/アキワシンヤ 写真/金子会里、今府真樹

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