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子どもの“足”について知っておこう!

子どもの“足”について知っておこう!

サッカージュニアの身体を支える大切な足。でも、子どもが「足が痛い!」と口にするまで、それほど気にかけていなかった・・・というサカママも多いのでは?足のトラブルを防ぎ、サッカーのパフォーマンスアップにつなげるためにも、子どもの足の特徴を理解しておこう。

子どもの足の骨は柔らかく変形しやすい!日本の子どもに多いのが「浮き趾(ゆび)」

子どもの靴を選ぶ時、幅と長さが合わない・・・ということはありませんか?現代の日本の子どもの足は、大人世代に比べると幅が狭くなっていると言われています。足の幅が狭いと立った時に接地面積が狭くなるため安定しづらく、足に対する負担が大きくなってしまうのです。

足は片足25個の小さな骨で形成され、子どもの骨は柔らかい軟骨なので変形しやすく、足指のトラブルを引き起こしてしまうことがあります。中でも、外国の子どもには少なく、日本の子どもに多いと言われているのが、足の指先が地面に着かない「浮き趾(ゆび)」。本来は、かかと、拇指球(足指の付け根)、小指球(小指の付け根)の3点で姿勢を支えるのですが、浮き趾(ゆび)になってしまうと、かかとと拇指球の2点で支えることになるので、身体のバランスが崩れて姿勢にも影響してしまいます。

 
子どもの足は、片足25個もの細かい軟骨で形成されている。

足のトラブルの原因は?負荷をかけすぎた練習にも気を付けて!

浮き趾(ゆび)の他に、指先が丸まって指が浮いているハンマートゥや親指が付け根から曲がっている外反母趾など、子どもに起こりやすい足のトラブルは、運動によるストレスの積み重ねや足にあっていない靴を履き続けてしまうことが主な原因です。小学生のうちから、スピードや回数など負荷をかけすぎた練習を繰り返していると足のストレスになってしまい、ケガにもつながってしまいます。また、きつい靴やぶかぶかの靴を履き続けていると、力学的なストレスが足にかかってしまい、徐々に足が変形してしまうことになるのです。何より、足に靴があっていないと、サッカーのパフォーマンスが発揮できないこともあるでしょう。

子どもの足、大丈夫? 起こりやすい足のトラブル

子どもの足、大丈夫? 起こりやすい足のトラブル

運動能力の高い子どもは「偏平足」に見えてしまうことも

土踏まずがない状態の「偏平足」。かつて子どもの偏平足は、運動不足が原因だと考えられていたのですが、近年は運動能力の高い子どもが偏平足に見えることもあると言われています。というのも、足裏を支えるアーチ状の足底腱膜は運動機能に関連しているため、運動能力がある子どもほど足底腱膜が発達して盛り上がり、偏平足に見えてしまう場合があるのです。偏平足は足のトラブルだと捉えられがちですが、エビデンスはほとんどなく、むしろ地面への着地面積が広くなるため姿勢の安定につながったり、運動機能にプラスに働くことも。実際に体育系学部の学生の足型をとると偏平足の子が割といることもわかっています。

運動能力の高い子どもは「偏平足」に見えてしまうことも

ケガを防ぐためにも日頃から「かかと」を守ることが大事

走る時はかかとから着地をするため、およそ体重の3~4倍の衝撃がかかとに加わると言われています。30㎏の体重の子どもなら、約90㎏もの衝撃がかかとに加わるというわけです。子どものかかとの骨が軟骨から硬い骨になっていく時期(小学5年生頃)に、大きな衝撃がかかってしまうと骨が割れて離れてしまい痛みを生じる「踵骨骨端症(シーバー病)」になってしまいます。とくに、日常的にたくさん走る競技やジャンプ動作を伴う運動をしている子どもは発症しやすいため、この時期のサッカージュニアは踵骨骨端症になりやすいかもしれません。

そのため、日頃からかかと部分にクッションがあるシューズを履いて「かかとを守る」ことが大事。とくに通学時はアスファルトの道路を歩くので、かかとにクッション機能を備えたシューズを履くことです。サッカージュニアの中には、通学、外で遊ぶ時、練習の時など、ずっと同じサッカーシューズ(トレシュー)を履いている子もいますよね。でも、サッカーシューズは、アスファルト上で使うことを想定されたつくりではなく、かかと部分のクッション性が弱いものが多いのです。かかとを守るためにも、通学とサッカーの練習時は、シューズを履き替えるようにしましょう。

足底腱膜を鍛えればサッカー力アップにつながる!

足裏には、かかとの骨から5本の指先へ伸びるアーチ状の腱「足底腱膜」があります。足底腱膜は歩いたり走ったりする動作に関わり、アキレス腱やふくらはぎの筋肉などにもつながっています。そのため、足指を動かす運動をすることで足底腱膜はもちろん、腱や靭帯も鍛えられるので、足の速さやサッカー力アップにもつながると言えるでしょう。

日々運動をしていると足裏に衝撃が加わるため、実はサッカーの練習も足裏のトレーニングにつながっているのです。ただ、足底腱膜が弱いとそれだけでは不十分なこともあります。トレーニングというと走ったり筋トレをするという発想になりがちですが、足裏や足指を鍛えることも大切。日頃から、足指じゃんけんやタオルギャザーなどで足裏を鍛える運動を取り入れるといいでしょう。

足底腱膜は、かかとの骨から5本の指先にむかって膜のように広がっている。

足指じゃんけん

足指を広げたり縮めたりすることで、足指じゃんけん 足裏の筋肉を鍛えます。親子でやってみよう。

足指じゃんけん

タオルギャザー

椅子にすわったままでも、立った状態でもOK。足指全部を使って行おう。

床にタオルを敷き、かかとは固定したまま、足指を使って自分のほうにタオルをたぐりよせる。
床にタオルを敷き、かかとは固定したまま、足指を使って自分のほうにタオルをたぐりよせる。

写真/金子 悟 イラスト/多田あゆ実