“大学サッカー受験のススメ”先輩が語る 大学サッカー一般入試合格秘話
大学でサッカーをするにはどんな入試方法があるだろうか。一般的には「サッカー推薦」「AO入試」「一般入試」の3つに分けられる。今回は一般入試で筑波大学に合格し蹴球部で活躍する先輩をクローズアップする。難関国立大でありながら、大学サッカーの最高峰リーグ関東リーグ1部優勝16回の超名門は、三笘薫をはじめ数多くのプロ選手を輩出してきた。勉学とサッカーの両立を高いレベルで求められる難関入試を突破した要因について聞いた。
高山 優(たかやま ゆう)
2002年4月8日 福岡県生まれ MF/172㎝/66㎏
筑波大学体育専門学群/4年生 ⬅ 筑紫丘高校
入試方法:個別学力検査等(一般選抜)前期日程…大学入学共通テスト(一次)と個別試験(二次)の得点を合わせて合格者を決定
❶志望理由
サッカーと学問を高いレベルで取り組める
中3のときに選手権常連の東福岡や筑陽学園の練習会にも行きましたが、人数はもちろんすごい才能の集まりで「ここでは埋もれてしまう」と感じていました。プロのサッカー選手になりたいけど、勉強も大事にしたい。そう考えていたときに所属していたバディFCのコーチから教えてもらったのが筑波大学でした。国立大でサッカーと学問の両方を高いレベルで取り組め、プロ選手も多数輩出している。「目指すならここしかない!」と思い、逆算して進学を決めたのが筑紫丘(福岡県有数の進学校)でした。高校の面接時点で「筑波大に行きたい」と言っていたくらい、中3で大学までの目標設定は定まっていました。
❷高校生活
2年までに基礎学力、3年次に課題克服
1年次はサッカー漬けでしたが、筑波大体育専門学群の合格ラインや科目を調べて何をやるかは決めていました。入試の対策は2年次からで、体育系大学の受験に強い予備校タイシン(体育進学センター)のオンライン講座等を受けていました。筑波大で求められるレベルの基礎知識は2年までに済ませておいて、3年次で課題克服に努めました。サッカーではチームを引っ張り、主体性をもって取り組めた3年間でした。もし強豪校にいたら埋もれていただろうし、この経験は関東リーグ1部(大学サッカー最高峰リーグ)でプレーしている今に活きていると思います。
❸入試対策
実技試験で1500M走!?
筑波大体育専門学群の募集人数は120人~130 人、共通テスト(一次:国語、英語、数学、理科、社会)と体育実技と小論文(保健体育)の個別試験(二次:実技、小論文)があります。二次試験が特殊な内容で、実技は得意な種目(サッカー)と1500M走を選択しました。1500Mは陸上部に練習メニューを作ってもらって、周囲が机にかじりついているときに僕は毎日走っていました(笑)。予備校の休憩時間に小論文対策として保健体育の教科書を読んでいると、「なんで!?」と不思議な顔をされましたね(笑)。早い段階からしっかりと対策を立て、取り組めたことが合格の秘訣だったと思います。
❹大学生活
明確なビジョンを持った仲間と切磋琢磨
今年の蹴球部の部員197人のうちサッカー推薦は20人(各学年5人前後)ほど。残り180人は一般受験で入部しています。僕のような選手でも、高校時代は手の届かないような位置にいた推薦選手たちのプレーを肌で感じて、成長することができます。僕もこの3年半で相当伸びたと思います。一般受験からプロになった戸嶋祥郎選手(柏レイソル)は一般受験生の憧れの存在。天皇杯3 回戦(7月10日)では試合をすることもでき、すごく刺激を受けました。筑波大では何がしたいのか、明確なビジョンを持っている仲間が多く、周囲に感化されて成長できる環境があります。もちろん、今はプロを目指していますが、教師にもなりたいし、ビジネスにも興味がありますね。
高山先輩による合格の三箇条!
・勉学もサッカーも負けず嫌い!
・一週間ごとにスケジュールを立て遂行
・過去問を解く!(10年分の過去問を3周)
写真提供/筑波大学蹴球部