【レポート】サイエンスxデジタルを使ったサッカー脳の鍛え方Vol.2
元サッカー日本代表の太田宏介さんと早稲田大学で物理の研究をしている田中香津生准教授を迎えて行ったSTEAMサカママイベント。ここでは、2対2の時のパスの通し方を「サッカー×算数」から紐解きます!
2対2の時のパスの出し方・受け方を算数とパソコンを活用しながら考える!
6月15日に行ったSTEAM サカママイベント。第二弾となる今回は、2対2の時のパスの通し方について、太田さんがサッカーの技術面から、田中先生が算数による求め方を解説。子どもたちはパスの距離や走力を計測し、dynabook のパソコンを活用して検証、さらにそれが合っているかをコートに出て実際に行ってみました。また、学んだことを活かすために、2対2のトレーニングやミニゲームも実施。親御さんたちからは「数学とサッカーがこんなにかかわっているとは思わなかった」「理論的なこともデジタルを取り入れることでわかりやすく、サッカーも楽しめていた」などの声が上がっていました!
STEAM教育とは?
Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics などの各教科での学習を実社会での問題発見・問題解決に活かしていくための教育手法。STEAM サカママイベントは、スポーツ教育の新しいあり方としてSTEAM Sports Laboratory 監修のパスコースと算数の関係を可視化するサッカー教材の開発などに携わる田中香津生先生協力のもと実現。
※参考:株式会社 STEAM Sports Laboratory
「試合中2対2になった時、DFの裏のスペース(図の丸で囲んだ箇所)を取ることができると、攻撃側はビッグチャンスになりますよね。そのためには、パスを出す人と受ける人の関係を理解しておくこと。パスを出す人は、DFとの距離やパスを出すスピード、身体の向きも大事です。身体を外に向けるだけでも、DFとの駆け引きになるからです。また、パスを受ける人がスピードを落とさずに駆け上がってきた絶妙のタイミングでパスを出すことも必要。一方、パスを受ける人は、パスを出す人との距離感を見て、パスが出るタイミングを見逃さないことが大切です」
太田宏介さん
元サッカー日本代表、現役時代のポジションはディフェンダー、ミッドフィールダー。
僕自身、サッカーと数字の結びつきを感じることが多々ありますし、今、サッカーではデータ分析は欠かせません。パソコンに触れて今後に活かしてほしいと思います。
「普段、感覚でやっているサッカーの動きは、全部算数(計算)にあてはめることができるんです。サッカーでは必ず走るため「走る距離と時間」がわかっていれば「走る速さ」が計算できます。また、左の図のように2対2の時、パスを出す人の「パスの時間」とパスを受ける人の「走る速さ」がわかれば、パスを受ける人の「走る距離」も計算で出すことができるんですね。その距離からパスを受ける人が全力で走れば、タイミングよくパスを受けることが可能になるということです」
★Aから6.3mの位置に立ち、パスを出す人のタイミングに合わせて走り出すとパスがぴったり届くことに!
田中香津生先生
早稲田大学理工学術院総合研究所 研究院准教授。専門は素粒子や宇宙などの物理の研究。
サッカーには算数がたくさん含まれています。算数が苦手でもサッカーとつなげれば楽しくなりますよ!
算数で出した距離でタイミングは合う⁉ パスを検証&実践‼
はたして田中先生の理論でパスが上手く届くのか! パソコンを活用してパスを検証した結果は?
①パスの距離と5m走の時間を測る
パスを出す人がサイドラインに向けてボールを蹴る。その様子をパソコンで撮影。
パスの距離をメジャーで計る。パスを受ける人の5m走を計測。
②走る速さ・距離を計算
撮影した動画からパスの時間を計算。
パスを受ける人の5m走の時間を記入し、走る速さを計算。パスの時間と走る速さから、パスを受ける人の走る距離を出す。
パスを受ける人が3.93mの距離を走れば、タイミングが合うことに!
③コートで実証
❶で計測したパスの距離になるように測り(この場合は7.85m)、マーカーを置く(A)。
Aの位置から走る距離(この場合は3.93m)の位置にマーカーを置く。
パスを出す人はパススピードを意識しながらボールを蹴り、そのタイミングに合わせパスを受ける人が走り出すと…
Aの位置で、スピードにのったままパスを受け取ることに成功!
④トレーニングで実践
パス検証で学んだことを意識しながら、2対2やミニゲームを実施。
VOICE
学んだことがすぐに実践できていた!
頭を使って考えるサッカーのイベントは珍しいと思い参加しました。映像やパソコンを使った目で見ながらの解説は、とてもわかりやすかったです。息子自身も、パスの距離や速度が数字で明確になったことで、より理解できたようです。2対2の時には、パスで検証したことを意識したらしく、パスが上手く通っていました!
数学的な考え方をサッカーで役立ててほしい
普段使っているのはタブレットなので、イベントでパソコンに触れられることを息子も楽しみにしていました。パスを検証するという内容はとても興味深かったですね。パソコンを使いながらの講義やトレーニングも楽しそうに取り組んでいました。このイベントで学んだ数学的な考え方が、今後、息子がサッカーを続けていく中で役に立てばいいなと思います。
コートでのパスの検証が大成功!
座学の時間が長いかなと少し心配していたのですが、楽しそうに取り組んでいたので安心しました。パソコンにもすぐに慣れてタッチ操作をこなしていたり、コートでのパス検証ではタイミングがぴったり合って驚きました。息子にはとてもいい経験になったと思いますし、私たちもサッカーと数学のつながりがあることが知れ、楽しめました。
STEAMサカママイベントで活用した「dynabook Vシリーズ」をcheck!
- ❶5in1で多彩なスタイルでの使用が可能
- ❷インテル®Evo™ プラットフォームに準拠
- ❸精細さ、使用感のよいペン入力機能付き
- ❹Dolby Atmos によるサウンドの良さ
- ❺バッテリー駆動は約22時間、質量は約979g と軽量
- ❻気軽に持ち出せる高耐久性