【パリ五輪】元サッカー日本代表 福西崇史さんが解説! U-23日本代表の強さ
U-23アジア杯カタール大会で優勝し、パリ五輪の切符を手にしたU-23日本代表。アジアの頂点に立ち、メダル獲得を目指す若きU-23日本代表の強さ、注目ポイントを福西崇史さんが解説!
各ポジションの選手層が厚くチームの総合力が上がっている!
「U-23日本代表を率いる大岩剛監督が、Jリーグ、海外のチームで活躍する個の能力の高い選手を招集し、その中でチーム全体の総合力を上げていく戦い方をしようとしているからこそ、強くなっているんだと思います。選手たちは各チームで主力として戦っているので、責任感があり、向上心もある。それが常にプレーにも出ています。各ポジションの選手層が厚く、どの選手が先発に選ばれても戦えるチームになったのも強さの理由でしょう」
海外チームで活躍している選手たちが自信をつけてプレー
「オランダでプレーする斉藤光毅選手(FW)や三戸舜介選手(MF)。藤田譲瑠チマ選手(MF)や山本理仁選手(MF)は、ベルギーのクラブチームに在籍するなど、U-23日本代表メンバーには海外で活躍している選手も多くいます。彼らは、激しく強い海外選手たちとプレーをする中で、自信をつけているのは確実。それが、海外でプレーする強みでもあるんです」
U-23日本代表の軸になるのは「藤田譲瑠チマ」
「U-23日本代表のフォーメーションは4-3-3が基本(下記参照)。その中で、アンカーのポジションを担うのが藤田譲瑠チマ選手。相手のコートでボールを奪い取って攻撃の起点を作り出したり、自陣から攻撃を組み立てる中心になるなど、藤田選手が試合の軸になるのは確実でしょう」
両サイドのアタッカーが充実
「相手をかわし、スピードあるドリブルでゴールへ向かって駆け上がる左右のアタッカー。両サイドのアタッカーが充実しているのもU-23日本代表の強さの一つであり、世界を見ても、これほどアタッカーが揃っているのは珍しいほど。中でも、斉藤光毅選手(FW)、平河悠選手(FW)はスピードが速く、ゴールを狙い、アシストもできるので活躍に期待!」
中盤3人のバランスがいい
「高い技術を持ち、相手がマークにつきにくい動きでボールを受け、シュートまで持っていけるのが荒木遼太郎選手(MF)。荒木選手が仕掛けていけるのも、中盤をコントロールする藤田譲瑠チマ選手と山本理仁選手の関係性がいいからこそ。2人は、東京ヴェルディジュニアユース、東京ヴェルディユースで一緒にプレーし、現在も同じシント・トロイデン(ベルギーのクラブチーム)に在籍。信頼関係ができている2人のコンビプレーは、チームの強みとなるでしょう」
予選リーグを突破するには初戦の「パラグアイ戦」がカギ
「U-23日本代表が予選リーグで戦うのは、パラグアイ、マリ、イスラエル。どの大会でも重要になるのが初戦。初戦の結果次第で、次の戦い方も大きく変わり、初戦に勝つことができれば、その後も勢いに乗りやすいでしょう。ただし、相手は南米1位の強さを誇るパラグアイなので、厳しい戦いになる可能性大。2戦目のマリには、国際親善試合で負けていることもあり、手強いチームと言えるでしょう」
U-23日本代表世代は成長期
コンディションを維持することが重要に
「U-23日本代表の世代は、まだ成長期。コンディションを維持して大会に臨むことが重要になってきます。海外でプレーしている選手は、パリ五輪までオフになるため、コンディションを保つのがむずかしい面もあるでしょう。一方、Jリーグの選手はシーズン中なので、その勢いのままプレーできる可能性も。大会前の合宿、強化試合がある中で、選手たちがベストなコンディションを維持することがチームとしての強さにもつながってくると思います」
\覚えておこう/
サッカー力アップにつながる試合の見方
❶ 選手(個人)のプレーを見る
まずはボールを持っているU-23日本代表選手のプレーを見て楽しもう!
❷ ボール周辺の動きを見る
ボール周辺の味方(U-23日本代表)の動きに目を向けていくと、打開した瞬間に何が起こっているかがわかり、より楽しく見られるように。
❸ 相手の動きも見る
ボール周辺の相手の動きも見ていれば、状況によって異なる駆け引きの方法や打開の仕方がわかるようになり、自分がプレーする時に選択肢が増えていくはずです。
\サカママへアドバイス!/
子どもと一緒に試合を見ながらサッカーの話をしよう
サッカーのことを知っていれば試合を見ながらポイントを伝え、よくわからないなら、子どもにどんどん質問を。一緒に試合を見ながらサッカーの話をして、子どもに考えさせることが大事です。
写真/Getty Images