スポーツから学ぶ、社会で役立つチカラ! VOL.4
「スポーツ×教育」の観点から、育成、教育、マネジメントに関わるあらゆる大人たちに向け発信している「SPODUCATION」(https://spoducation.jp)。サッカー選手をはじめとしたアスリート、指導者、有識者たちによるセミナーを毎月オンラインで開催しています。新連載「スポーツから学ぶ、社会で役立つチカラ!」では、過去のセミナーの中からサッカーキッズを育てるサカママに向け、厳選してダイジェストでお届けしていきます!
森重真人×池上 正「コミュニケーションの作り方」
育成にとって重要なコミュニケーションの在り方をさまざまな角度から考察し、解決案を提示していく対談をご紹介します。(※ 2022年10月に収録)
池上正(いけがみ ただし)
1956年、大阪府生まれ。ジェフユナイテッド市原(当時)コーチとして、2003年から7年間で約40万人の小学生、先生、保護者を指導。2017年4月より関西大学非常勤講師(フットサル授業)、大阪体育大学客員教授を務める。
森重真人(もりしげ まさと)
1987年、広島県生まれ。元・日本代表DF。2022年シーズンからFC 東京で1stキャプテンを務めている。対人戦に強く点も取れる、日本を代表するセンターバック。二児の父。
対談の一部をダイジェスト紹介!
― 森重選手は以前、「いくらサッカーが上手くてもコミュニケーションができない選手は早々にリタイアしてしまう」とおっしゃっていましたね。
森重 サッカーが上手いだけの選手は山ほどいます。プロとして日本、そして海外で生き残っていくにはコミュニケーションスキルがないと厳しいでしょう。特に海外では言語の壁があり、意思疎通がうまく行かずに監督、チームメイトの信頼を得られないケースをよく聞きます。もちろん、日本語が通じる国内であってもコミュニケーション不足から周囲の信頼を損なうわけですから、サッカーにとってコミュニケーションが一番大事で、身につけるのが一番難しい能力だと思います。
― 一回だけ輪を囲んで「話せ」と言っても、正解だけを求めた会話に終始してしまいがちです。やはり回数を重ね、継続することが重要なのでしょうか?
池上 まさしく、日々のトレーニングで毎回話し合うことで、子どもたちが話しやすい雰囲気ができ上がっていきます。実際、小学校の授業では先生から子どもへの一方通行が多いのが実情です。そういう学び方をしてきた私たち日本人なので、コーチになっても自分が知っていることを全部教えようとします。
森重 日本人ならではの悩みですよね。選手側も指導者が言ったことを100%してしまう。プロの僕たちでさえ、新しい監督が来て『これをやれ』と言われ、みんながそればかりをしてしまう時期があったくらい(苦笑)。大人でそうなんですから、子どもはなおさらです。一つの正解を求める教育でなく、もっと子どもたちがディベート(異なる立場で議論)をする機会をつくるべき。自分が思っていることを話す勇気を養ってあげたい。考えることをやめない環境をつくることは大人の責務だと思います。
― 実際、スポーツの指導現場は指導者が選手に対して一方的に話しているケースがほとんどなのではないでしょうか?
森重 伝えるバランスが大事ですよね。全部の正解を教えるのでなく、ヒントをどんどん与えて誘導してあげる。子どもが次の指示を待つような状況になるのが一番よくないので、指示したものを選手が自分で試して、わからないことがあれば指導者に聞くというサイクルを構築する必要があると思います。もちろん、それには時間がかかるし、週3、4の限られた練習時間では難しいのもよくわかります。
池上 まさしく、人が育つには時間がかかるんです。スポーツもそう考えないといけないということです。練習をたくさんするほど早く育つと思いがちだけど、決してそうじゃない。子どもが年齢を重ねるようにしかスポーツも育たない。早熟の選手よりも、基礎がしっかりしている選手の方が、大成するケースが多い。森重選手がおっしゃったように、ヒントを与えて、自分たちでどう解決するかを導くことが大事。スポーツ選手に絶対求められる能力です。
明日から実践したい! 名言PICKS
●コミュニケーションが一番大事で、身につけるのが一番難しい能力(森重)
●一つの正解を求める教育でなく、ディベートをする機会をつくるべき(森重)
●子どもたちに教えていく中で、良い指導者、良い親になっていく(森重)
●欧州では最初にコミュニケーションを徹底して指導している(池上)
●日々のトレーニングで話し合うことで、話しやすい雰囲気ができる(池上)
●言うだけじゃなくて人の話しが聞けるようなお子さんを育てるべき(池上)
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