もう悩まない! 試合撮影時のカメラ設定【初級編】
サカママ読者のみなさま、こんにちは。7歳と4歳の二人の子どもを持つ、サカママ歴3年目のReikoです。先月から「サッカーとカメラ」という少しニッチな視点でコラムを書かせていただいています。今月のコラムでは、一眼レフでサッカー写真を撮影する際の、明日からでも実践に生かせる、カメラ初心者&サカママ向け、試合撮影時のカメラ設定を大公開します!
良いカメラを持っているのに、サッカー写真を撮ると、人物がぶれてしまい、せっかくの写真が台無しになった苦い経験はありませんか? 昔の私がまさにそうでした。スポーツモードやオートモードを使っても、なぜか上手くいかない…。結局一番使い慣れている携帯で撮ってしまう方も多いのでは。
でもちょっと待ってください! 少しのコツと事前の準備で、思い通りのサッカー写真がきっと撮れます。今このコラムを読んでいただいているみなさま、お持ちのカメラを横にスタンバイし、一緒に設定をいじりながら実践していきましょう!
注:今回のコラムは設定の操作ができるカメラを対象としたものになります。また、設定に正解はなく、実体験をもとに、私自身が好んで使っている設定をシェアしています。
カメラの撮影モード
カメラには大きく分類して 4つの撮影モードがあります。
M <マニュアルモード>
全ての設定を自分で決め、撮りたいイメージの写真を残します。
S(Tv)<シャッタースピード優先モード>
動きの速い被写体、サッカーの試合などを手ブレせずに残します。
A(Av)<絞り優先モード>
動きのない時、背景をぼかしたい時、ポートレートなど、人物にフォーカスした写真をきれいに残します。
Auto<オートモード>
絞り、シャッタースピード、ISOなど、全てをカメラが自動で設定してくれるので、気軽に写真を残せます。
今回のコラムでは、動きの速い被写体を撮るのに適している「S(Tv)」シャッタースピード優先モードの撮影設定をご紹介します。
試合前の事前準備が重要に
私自身今でも毎回試合を撮る前に、必ずテスト撮りを行っています。テスト撮りを行い、写真のブレ具合、明るさ、ピントがどこに合っているかを確認しています。
シャッタースピード
カメラをS(Tv)(シャッタースピード優先)モードにします。シャッタースピードを1/800~1/1000の間に設定します(より動きの速い高校生の撮影時や、ボールの動きが止まったような写真が撮りたい場合は1/1600くらいまであげると安心です)。シャッタースピードの数値はシャッターが開いている時間を表していて、小さければ小さい程、速いシャッタースピードといえます。
小学校低学年を普段撮影していますが、1/800で撮ることが多いです。速くすれば良いという訳でもなく、速くすればするほどシャッターが開いている時間が短くなり、暗くなってしまいますのでご注意ください。
ISO感度
続いてISO感度を100に設定し、一度人物を試し撮りします。撮った写真が暗ければISOを上げていきます。ISO感度を上げることにより写真は明るくなりますが、その分粗くなりますので、ここにも注意が必要です。子どもたちのサッカーの試合はほとんどが屋外で明るい時間に行われるため、ISOを500以上にしたことはありませんが、1000くらいまで上げても、写真のノイズ(ザラザラ感)はそこまで気になりません(感じ方に個人差があり、カメラの性能によっても変わります)。
連写モード設定
連写モードに設定しておくことをおすすめします。シャッターを全押ししている間、連続して写真を撮り続けます。枚数は多くなってしまいますが、キックの良い瞬間を収められる確率がぐっと上がり、決定的瞬間を逃す心配を防ぎます。私はコーナーキックやフリーキックなど、予め撮りたい瞬間が決まっているとき、或いはシュートの瞬間などによく連写モードを使います。カメラによっては連写のレベルが選べますので(1秒間に何コマ撮影するか)、お好みで設定してみてください。
ピント合わせ
最後にピント合わせです。ほとんどのデジタルカメラにはAF(オートフォーカス)機能がついています。この機能が動き回る選手たちを捉え、素早くピントを合わせてくれます。ハイスペックなカメラ(高価)になればなるほど、この性能が高くなります。AFのモードをAF-C(サーボAF)に設定します。この設定にすることで、カメラのシャッターボタンを半押ししていれば、被写体にピントを合わせ続けてくれます。
また、AFエリア(どの部分にピントを合わせるか)の設定もこのタイミングで行います。一点スポット集中で顔にピントを合わせ続けるのが理想ですが、動き回る被写体の顔に常にピントを合わせ続けるのは非常に難易度が高いため、初心者の方におすすめするのがワイドです。広い範囲にピントを合わせることができ、サッカーのような動きを予測しにくい被写体を撮るのに向いています。
デメリットとして、カメラが被写体と認識したものにピントが合うため、画面内に複数人写り込んだ場合、必ずしも自分自身が狙った被写体にピントが合わないケースもあります。ワイドで練習し、物足りなくなったら次のレベルにステップアップし、スポットでのピント合わせにもぜひチャレンジしてもらいたいです!
いざ撮影!
お疲れ様です。これで事前準備完了です。文章で書くと長く、覚えられるの? と、不安になる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。何試合か撮影すれば必ず慣れますし、よりご自身に適した設定が新たに見つかると思います。
またそれぞれの設定やモードの呼び方も機種によって異なるため、YouTube等でお持ちのカメラの機種名・検索したい項目を調べながら、どこで設定を変えられるか探してみてくださいね。一眼レフは最初の設定までが携帯と比べ複雑ですが、そこさえクリアしてしまえば、便利な機能がたくさん組み込まれているので、写真を撮るのがどんどん楽しくなります!
まだまだ話し足りないので、次回のコラムではおすすめの構図やシャッターチャンスなど、もう少し具体的なお話しをしたいと思います。また来月お会いしましょう!