神戸弘陵高校【全国強豪校REPORT〜第102回選手権出場チーム特集〜】
神戸弘陵高校
兵庫県/私立/[出場]3年ぶり12回目 【選手権最高成績】ベスト8(1993年)
史上初の兵庫県3冠を引っ提げベスト8以上へ
史上初の県3冠(新人戦、総体、選手権)を達成した。あらゆるチームから対策を講じられる中、県内で随一の戦力を誇るチームがその真価を証明してみせた。2006年から監督に就任し、強豪校へと成長させた谷純一監督も今年のチームの総合力に自信をのぞかせる。「毎年県3冠を目指してチームが始動しますが、初めて達成できたことを嬉しく思います。対策された中で突破できたことは選手の自信になることでしょう」
過去に2度(2013年、2018年)新人戦、総体で優勝し三冠のチャンスがあった。新人戦に関しては直近4年連続で優勝しているが、対策を練られる夏の総体、そして選手権予選を勝ち抜くのは至難の業といえる。そこを突破できた要因は総体初戦の青森山田戦がターニングポイントだった。
「クロスやヘディング、セカンドボールなど球際の強化を意識して手ごたえも感じていましたが、実際に戦うと如実にその差が出ました。見て聞いたのでなく、経験できたことが何より大きい。課題が明確になったことで、夏からチームの底上げができたと自負しています」
今年はプリンスリーグ1部昇格を決め、試合終盤での勝負強さも発揮。読みやカバーリングに長けたDF岡未來、DF柴尾美那で形成されるディフェンス、球際に強く攻守の切り替えで起点となるMF大井孝輔、FW馬場悠平と両ウイングのMF北藤朔、MF石橋瀬凪のコンビネーションも上がってきており、谷監督曰く「1試合で最低3回はビッグチャンスを作れる」と言う。ピッチ内で選手が判断し、意思決定できる取り組みを続けてきたことが結果となって表れている。あとは全国の大舞台で、“三冠”の真価を発揮するだけだ。
練習場近くの寮にはサッカー部、野球部、バレー部の70人の学生が在籍する。複数人が一度に使用できる酸素ルームや、プロテインバーが設置された食堂など、今年4月に大幅リニューアルされ最新設備が整えられている。
岡未來(DF/3年生/主将)
「兵庫県3冠はずっと目指していたことだったので、選手権出場が決まったときはホッとしました。総体初戦で青森山田に敗れましたが、全国トップと戦えたことで、通用したことと課題が明確になりました。そこから遠征ではその課題を全員で確認しつつチームを良い方向に向けられたと思います。過去最高成績のベスト8以上を目指していきたいと思います」
大井孝輔(MF/3年生)
「夏の遠征でプレミアリーグ参加チームとの試合を経験し、技術だけではない、試合の流れを意識することの重要性を知ることができました。ショートパス中心の選手だったんですけど、夏頃から対角へのロングパスやロングシュートを決められるようになったと思います。初戦の仙台育英は高さのあるツートップを意識して、パスを入れさせないように中盤から守備を徹底していきたいです」