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「息子を見守ってきて改めて思う、サッカーで大切な2つのこと」イギリスサッカー便り

みなさんこんにちは!早いものでもう12月。2022年も残り数週間となりました。
現在開催中のカタールW杯、日本は惜しくもベスト16で敗退となってしまいましたが、過去優勝経験のあるドイツ、スペインに勝利しグループステージを首位通過したことは本当にすごいことだと思います!!選手たちの激闘に胸が熱くなりました。こちらのテレビでも、日本チームを“勤勉で技術もあるとても素晴らしいチーム”だと称賛していましたし、息子もたくさんのチームメイトや知り合いに「C’mon JAPAN!!」と声をかけてもらったようで、日本人としてとても嬉しく思いました。一方で、イングランドが試合の時は息子の通う学校が臨時休校になったり、平日のトレーニングを早めに切り上げてみんなで応援したりと、フットボールの母国ならではの盛り上がりも感じることができています。

さて、2020年から連載させていただいているこのコラムも今回が最終回です。そこで今回は、今まで息子のサッカーを見てきて大切だと思ったこと、そしてそれに対して親として心掛けていることを綴りたいと思います。

何より大切な「サッカーが好き」という気持ち

 

サカママ歴も10年以上になりますが、子どものサッカーの成長を見てきて、何よりも大切だと思うのが「サッカーが好き」という気持ちだなと最近改めて感じます。W杯はまさにサッカー大好きな人たちの集まりですよね。ある時ふと、トレーニングに向かう車の中で息子に「サッカー好き?」と聞いたことがあるのですが、その時次男は『一体母は何を聞いてくるんだ?』というようなポカーンとした顔をして(笑)、「好きじゃなかったらこんなサッカーばっかりしてないよ」と言っていました。宿題をするのを忘れることはあっても、ボールを蹴るのを忘れることはない次男。夢中になるとはまさにこのことで、15歳になった今も日々のトレーニングや試合が楽しみで仕方ないという気持ちでサッカーに取り組んでいます。

そして、好きという気持ちに加えて、もっと上手くなりたい!という想いも日々増しているように感じます。「上手くなりたいと思えた時が伸びるタイミング」とどこかで目にしたことがありますが、まさに好きこそ物の上手なれだなと、息子を見ていても思います。また、チームメイトにはどんどん上のステージに行って活躍する選手たちもいます。楽しいと思えると同時に、そうやってたくさん刺激を受けられる環境に身を置くこともまた、成長には大切なポイントなのかもしれません。

 

私もそうですが、サッカーを頑張る子どもを持つ親としては、我が子に頑張ってほしい、上手くなって欲しいと思うのはごく自然なことだと思います。“趣味は子どものサッカー”のようになっているサカママのみなさんも多いのではないでしょうか? ただ、サッカーは競争を伴う競技ですから、勝ち負けはもちろんのこと、時には上手くいかない、モヤモヤすることもあると思います。そしてついつい、“親の欲”という百害あって一利なしの感情がもくもくっと出てくることもあるかもしれません。そんな時は、ゆっくし深呼吸して……「やるのは息子、本人が一番悔しいはず」と唱えてみてください。親の方が一生懸命になりすぎている……なんてことにならないよう、子どもの「サッカーが大好き」な気持ちを温かく育んであげられたらと思います。

諦めずに信じることが、想いを現実にさせる

W杯のスペイン戦では、1.88mmのインプレーが逆転弾に繋がりましたが、これは日本代表の選手達が最後まで自分達を信じ、諦めなかったからこそ得られた結果だと思います。このことと同じように、「諦めずに信じること」がサッカーを続けていく上では大切だと思います。

我が家の次男は、将来はプロサッカー選手になると決めています。「なれたらいいなぁ」ではなく、「なる」と決めています。もちろんプロになれる選手はほんのひと握りで、とてつもなく高い壁であることもわかっていますし、簡単ではないことも理解しています。けれど、初めから「なれるわけない」と思っていたら絶対になれないと思うし、本人がそこに向かってひたむきに努力しているのであれば、親として子どもを信じてサポートしてあげたいと思うのです。

 

これはイギリスに引っ越す前、次男が書いたサッカー絵馬です。あれから3年半、次男は絵馬に書いた言葉を1つずつ実現させています。今所属しているチームに加入するための8週間に渡るトライアルでは、毎日サッカーノートの最後に「このチームでサインする」と書いていました。言霊とはよく言いますが、やはり自分の目標を明確に、そして言葉にすることの大切さを改めて感じましたし、想いは現実化するのだなと実感しました。

そして今、また次の新たな目標を掲げています。期限はちょうど1年先。そんな甘くないよとか、学業が中途半端になるのでは、とか、周りの現実的な意見も耳にしました。もちろんそれは百も承知な上ですが、今しかできないことを今息子が目指しているのなら、親は応援してあげたい。結果がどうであれ、ただただ黙って見守ってあげれる親でいたいと思っています。そして息子には、サッカーをもっともっと好きになって、最後まで諦めず自分を信じて頑張ってくれたらと願っています。

最後に……

 

サカママコラムを担当させていただくようになって丸3年、これまでコラムを読んでくださったサカママ読者の皆さま、そして毎月お世話になったサカママ編集部の担当者さま、どうもありがとうございました。サカママコラムを書かせていただくようになったおかげで、サッカーど素人の私も色々なことに興味を持つようになりましたし、他ライターの方のコラムも毎月参考にさせていただくようになり、サカママライフがより充実したものとなりました。
コラムは卒業しますが、サカママ生活はまだまだ続きます。息子たちの夢を応援しながら、引き続きサカママライフを楽しみたいと思っています。今までご愛読いただき、ありがとうございました!

WRITER PROFILE

クリストファーズ佳世
クリストファーズ佳世

イギリス在住、3兄弟(16歳、14歳、11歳)を育てる現役サカママ。 神戸市在住時は、地元の強豪クラブチームで6年間サカママ生活を満喫。2019年3月にイギリス移住後は、サッカーの本場・イングランドでシーズン1年目の新米サカママとして生活をスタート。 日本とイギリスのサッカー事情の違いなどを、サカママならではの目線で伝えていきます。