メインコンテンツに移動

元サッカー日本代表&現役選手に聞いた、カタールW杯の注目ポイント!【前編】

いよいよ開幕するカタールW杯!32カ国が出場し、4チームずつ全8グループに分かれて、予選大会にあたるグループステージで戦います。そこで、W杯を経験した元日本代表や現役選手に聞いた今大会の見どころをご紹介。さらに、どんな風にW杯を観戦すればサッカー力アップにつながるかも教えてもらいました!

後編-森島司選手、北川航也選手らに聞いたカタールW杯注目ポイント

大久保嘉人さんのカタールW杯注目ポイント

大久保嘉人
おおくぼよしと●1982年6月9日生まれ、福岡県出身。日本代表として南アフリカ・ブラジルW杯に出場。2021シーズンをもって現役引退。

日本が予選で勝ち上がったら、ベスト8が見えてくる!
「日本と同じグループのスペイン、ドイツは優勝候補。でも、ドイツはここ2大会、初戦で負けていますし、スペインも優勝した大会の初戦は負けています。いくら強い国でも、初戦は硬くなり、スペインやドイツは日本には大量得点で勝たないといけないというプレッシャーもあるはずです。だから、日本が本当に粘り強く守って、セットプレーで先に1点取るか、後半の最初に点を取れば、ドイツ、スペインは焦ってくると思います。そうなると、なかなかゴールは決まらないだろうし、反対に日本は点を取っているので、選手たちは試合をしながらも『絶対に守れる』と自信がついていくはずです。強い国との試合のほうがチャンスはあるし、日本が予選で勝ち上がったら間違いなくベスト8が見えてくると思います」

大久保さんの優勝予想&注目選手

 

優勝予想 ➡ ブラジル
「ネイマールだけでなく若い選手もどんどん出てきているので、そろそろ優勝するんじゃないかと思います」

 

ヨシュア・キミッヒ(ドイツ/MF)
「チームバランスを取りながら守り、得点も決める。彼をつぶさないと日本は走らされてドイツのペースになるかも」

 

ケイラー・ナバス(コスタリカ/GK)
「経験豊富なベテラン。ナバスがいると選手は硬くなりがちなので、平常心が重要に」

 

上田綺世(日本/FW)
「シュート力がありヘディングも上手い、身体能力の高い選手。日本のエースにならないといけない存在」

川島永嗣選手のカタールW杯注目ポイント

川島永嗣選手(RCストラスブール/GK)
かわしまえいじ●1983年3月20日生まれ、埼玉県出身。日本代表として、南アフリカ・ブラジル・ロシアとW杯3大会連続出場を果たす。

前大会で優勝したフランス。若い世代の能力も高い
「今大会の優勝にはフランスが近いんじゃないかと思います。前回の大会で優勝したので、2大会連続は難しいとは思うものの、若い選手がどんどん伸びてきていて、破壊力もあるチーム。選手の能力、経験も含めて申し分ないと思いますね。中でも、フランス代表に欠かせない存在がキリアン・エムバペ。19歳の頃から、スピードだけではなく、どういうシーンで自分が走ればボールが受けられるか、次のシーンで上手く動き出せるかなどを考えている賢い印象があります。他チームからすべてを研究されてマークが厳しくなる中で、どう対応するのか、どんな結果を残していくのか興味深いですね」

川島選手の優勝予想&注目選手

 

優勝予想 ➡ フランス
「今、フランスでプレーしていますが、判断とプレーの速さはフランスの選手がズバ抜けていますね」

 

キリアン・エムバペ(フランス/FW)
「エムバペと対戦する中で感じたのは、圧倒的なスピードとテクニックだけでなく、判断力の速さです」

権田修一選手のカタールW杯注目ポイント

権田修一選手(清水エスパルス/GK)
ごんだしゅういち●1989年3月3日生まれ、東京都出身。10年より日本代表として活躍し、ブラジルW杯メンバーにも選出。

キーパーをやっている子どもたちはポルトガルのGK「ディオゴ・コスタ」をチェック
「ポルトガルで2年間プレーし、対戦した選手もいるので、個人的にはポルトガル代表に注目していますし、上位までいくんじゃないかと思っています。ポルトガルのGKディオゴ・コスタは、昨年代表に選出された22歳。昔はビルドアップが特長だったのですが、最近はシュートストップもすごく向上していて、1、2年でこんなにも変わるんだと思うほど、自信とたくましさを身につけています。キーパーをやっている子どもたちは、ぜひ注目してほしいと思います」
※攻撃を組み立てること

 
ポルトガルは各ポジションに世界トップクラスの選手が揃い、ベテランと若手のバランスもとれている。

権田選手からの観戦アドバイス

細かい技術や駆け引きを見よう
「W杯は世界中でサッカーが一番のニュースになって盛り上がる、お祭りでもある大会。一番は純粋に楽しんでほしいと思います。ハイライトではなく、できる限りリアルタイムで最後まで見て、細かい技術や駆け引きもチェックしてほしいですね」

森重真人選手のカタールW杯注目ポイント

森重真人選手(FC東京/DF)
もりしげまさと●1987年5月21日生まれ、広島県出身。13年~17年には日本代表にも選出。

長友佑都選手の集大成となるプレーに注目
「一番注目している試合は、日本の3試合目『スペイン対日本』です。スペインはパス回しの能力に加え、ボールを奪ってからシュートまで運ぶ速さのある戦術が加わり、本気になると戦いにくい相手。でも、日本の前線にはスピードの速い選手がいるのでカウンターならチャンスがあると思います。日本代表の中では、チームメイトでもある長友佑都選手の集大成となるプレーに注目しています」

 
今年のスペインはもともと備わっているポゼッション※1能力に加え、アグレッシブなプレスとショートカウンター※2が特長。

※1 ボールを保持すること
※2 相手陣地でボールを奪い、パスをあまり繋げない速い攻撃

 
W杯3大会連続出場。豊富なスタミナで対人戦に優れ、粘り強い守備は見もの。

森重選手からの観戦アドバイス

純粋にW杯を楽しんで!
「好きな選手やスーパープレーを見つけて、W杯を純粋に楽しんでほしいです」

松岡大起選手のカタールW杯注目ポイント

松岡大起選手(清水エスパルス/MF)
まつおかだいき●2001年6月1日生まれ、熊本県出身。22年日本代表初選出。

大事なのは初戦のドイツ。攻守の献身的なプレーが決め手に
「日本が勝つために大事なのが、その後の状況に大きく影響する初戦のドイツ戦。国を背負って戦う重圧は相手も同じなので、日本は攻守において献身的なプレーをどれだけ出せるかが勝利の決め手になるはずです。日本代表のメンバーの中でも注目しているのは、遠藤航選手・田中碧選手・守田英正選手。3選手とも攻守に渡り、どんな役割でも活躍できる選手だと思います」

 
「同じポジションでもある3選手は、僕自身参考にさせてもらっています」(松岡選手)
 
「チームメイトの権田修一選手が世界を相手にどう戦うのかも楽しみです」(松岡選手)

松岡選手からの観戦アドバイス

サッカーを広く捉えよう
「得点シーンやボールを持っている選手だけでなく、ボールを持っていない選手の位置や動きも見てください。そうすれば、サッカーがもっとおもしろくなると思うし、サッカー脳も鍛えられると思います」

 

写真/Getty Images