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好き嫌いが多い子どもとの向き合い方とは?

こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。
ジュニアアスリートのお母さんとお話をしていると、「好き嫌いが多い」「野菜をまったく食べない」といった悩みを聞くことがよくあります。せっかく作ったご飯を食べてくれないことが続くと、料理のモチベーションも下がってしまいますよね。私も前職は保育園で栄養士をしていたので、好き嫌いのある子どもたちが多い中でどう食べさせていくかをよく考えていました。

そもそもなぜ好き嫌いがあるの?

好き嫌いには様々な原因がありますが、考えられる要因の一つとして、子どもの味覚があります。実は、子どもは大人よりも味に敏感。なぜなら、子どもの方が大人よりも「味蕾(みらい)」と言う食べ物の味を感じ取る舌の器官が多いからです。特に酸っぱい味や苦い味のする食べ物は苦手な傾向があります。例えば、子どもが嫌いな野菜の代表格のピーマン。昔は苦くて嫌いだったという方も多いと思いますが、大人になるとあまり苦みは気になりませんよね。

 

「何でうちの子は野菜を食べないんだろう…?料理が悪いのかな…?」なんて考えてしまう方もいるかもしれませんが、こういった理由もあると分かると、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

好き嫌い対策のポイント

こういった理由を踏まえた上で、好き嫌いを無くすために料理面で出来る工夫もあります。それでは、私が子ども達に食事を作る際に意識していたポイントを紹介しています!

POINT1 出汁や調味料にこだわる

子どもは味に敏感だからこそ、素材が美味しいものには反応も良いです。とはいえ、一つ一つの食材にこだわっていくとコストがかかりますよね。 そこでこだわりたいのが、毎日使う出汁や調味料です。これらがナチュラルで美味しさがあるものだと、料理の質もぐんとあがりますよ。

POINT2 旬のもので美味しさを感じさせる

やはり旬のものは美味しいです。繰り返しになりますが、子どもは味に敏感。苦手な野菜であっても、旬のもので美味しさが増していれば食べてくれる可能性があります。旬のものはお安いですし、ぜひお買い物の際は旬の食材を購入するようにしてみてください。

POINT3 味付けや形・大きさを変えてみる

苦手な食材でも、味付けを変えてみることで食べやすくなります。例えば、ピーマンやタマネギはみじん切りにして、ご飯と炒めてケチャップライスにすれば、子どもが苦手な苦味や酸味を抑えることができます。
また、食材の形を変えてみることも効果的。私は、よく人参をハート型や星型に切り抜いたりしていました。子どもだからこそ、こういった工夫に喜んでくれるものです。
形の変化としては、おにぎりもおススメです。例えば、炊き込みご飯に苦手なキノコが入っていても、おにぎりにすると食べてくれることがありました。麺類が好きなお子様には、春雨や白滝などに野菜を混ぜて食べさせていくのでもいいですね。

料理面以外でも、好き嫌いを対策できる!

料理面での好き嫌い対策を紹介しましたが、それ以外でも対策できることがあります。

慣れない食べ物は「味見」をさせる

新しい食べ物に子どもが拒否反応を起こすことは当たり前です。まず、「慣れる」ことが大切ですから、初めて食べるものや見慣れない食べ物は「味見」をさせていきましょう。
よくあるのが、食卓に出すと食べないが、一緒に料理をしたものは食べるということ。ご飯を作っている途中に、「一口食べてみる?」なんて声をかけながら、食べ慣れてないものに慣らしていくといいかもしれません。

 

なぜ食べるのかを理解してもらう

言葉が理解できる年頃の子どもには、なぜ好き嫌いせずに色々なものを食べるのが良いのか説明してあげましょう。「骨が強くなるよ」「丈夫な体になるよ」といったことの他にも、「サッカーが上手くなるためには、身体を大きくしなきゃだよね?」など、子どものリアクションを見ながら、好きなスポーツと絡めて話すのもいいかと思います。
それでもあまり食事の重要性を理解してくれなさそうな時は、コーチやトレーナー、栄養士など第三者を挟んで伝えてあげましょう。私もこういった仕事をしているので、「話を聞いてみて食事の大事さを理解してくれたのか、苦手な物も食べるようになった!」と言っていただけることもあります。

今回は、好き嫌いの理由とその対策をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。なかなか食べてくれないとモチベーションも下がってしまうかと思いますが、この記事が参考になれば嬉しいです。

WRITER PROFILE

佐藤彩香

管理栄養士
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計1万人を超える人々と関わる。現在はアスリート栄養サポート、専門学校非常勤講師、セミナー講師、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動。

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