稲本潤一選手が解説!ピッチを俯瞰で見るためのQ&A
3月4日に行った元サッカー日本代表の稲本潤一選手をゲストに迎えたオンラインイベント。稲本選手がパソコンを活用しながら、試合を俯瞰で見た時の選手やボールの動きをわかりやすく解説してくれました。その中から、ピッチを俯瞰で捉えるためのポイントをご紹介。
「ピッチを俯瞰で見る」とは、具体的にはどういったことですか?
ピッチ全体を見ていること、また、どこに誰がいるかをしっかり把握し、自分がどう動いたらいいかを考えられることが俯瞰で見ることです。僕自身、俯瞰で捉えることは今でも学ぶべきところだと思っています。
ジュニア世代から「俯瞰で捉えること」が大切な理由は?
ジュニアの選手が俯瞰で捉えるのは難しいと思うのですが、日々、トレーニングをしていけば、今後必ず役に立つだろうし、すごく考えられる、賢い選手になると思います。今、その努力をするかしないかでは大きく違ってくるはずです。自分の隣のポジションの選手が、こう動くだろうと俯瞰で捉えながらパスをするなど、小さいことを積み重ねていくことが大切です。
実は僕自身、俯瞰で捉えられるようになったのは、30歳を過ぎてからです。それまでは、身体もよく動いていましたし、サッカー能力中心でプレーしていたのですが、年齢を重ねるうちに、それだけでは補えない部分がでてきてしまって。ちょっと遅いですけど、全体を見渡し、俯瞰で捉えることを意識するようになりました。
俯瞰で捉えられるようになると、どんなふうに変わってきますか?
俯瞰で捉えられるようになると、例えばVTRで試合を振り返って見た時に、こっちの選択のほうがよかったかもしれないという見方もできるようになります。その反省を、次の試合で似たようなシーンがあった時に活かせば、失点やピンチを防ぐことにもつながるはずです。俯瞰で捉えたことが、試合で似たような場面になった時に活きてくるのです。
ピッチを俯瞰で見るために、普段の生活の中でできることってありますか?
つねに集中して1点を見るのではなく、一度に色々なところをみるように意識することが重要です。ここには何があった、これがどう動いたなど全体を捉えていれば、トレーニングになるかと思います。
ピッチに立っている時、上から見ているような感覚でプレーしているのですか?
ある程度、どこの立ち位置にどの選手がいるというのは把握しています。そのためには、練習の時から、各選手の特徴をつかみ、コミュニケーションをとることが大切。また、頭の中で選手の動きをイメージすることも大事です。
俯瞰で捉えるために、いろいろなポジションができたほうがいいですか?
ポジションは関係ないと思います。まずは、自分がやりたいポジションでいいですし、もし、やりたくないポジションだったとしても、そのポジションのおもしろさは確実にあるので、それを見つけてほしいと思います。
ピッチを俯瞰で捉えるために、ジュニア世代からやっておくべきことは?
試合でよかった時のプレー、悪かった時のプレーをサッカーノートに記すことで、俯瞰で見ることに慣れてくると思います。また、パソコンを活用してサッカーノートをつければ、チームメイトにも共有でき、自分の意見も言いやすいですよね。サッカーはチームスポーツなので、共有することでより成長につながると思います。
また、海外サッカーなどのいいプレーを見ながら、「ここを選択したけど、こっちのほうがよかったんじゃない?」などディスカッションすることも、俯瞰で捉えることにつながってくると思います。
サッカーノートをつける時、どんなことに気をつければいいですか?
試合を撮影しているのであれば、その映像を見て振り返りながらサッカーノートを書くのもオススメです。その際、ポイントになる場面において、見落としていた選手のポジショニング、自分がしたプレーとは別の選択を書いておくことです。また、俯瞰で見ているような感覚で「ここに選手がいた」「ここが空いていた」というのを確認しておくことも大事。似たような場面になった時、それを知っているかどうかで大きく違ってくるはずです。
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