「上手くなりたいからスクールを掛け持ちしたい!」それって本当に必要??
みなさん、こんにちは。
今回のコラムは、息子がスクールの掛け持ちをしたいと言い出した時のお話です。サッカーにのめり込んでくると、いくつかスクールを掛け持ちしたいと言い出すお子さんも多いのではないでしょうか? 我が家の息子も、「サッカーが上手くなりたいから、スクールの掛け持ちをしたい!」と言い出したことがありました。
「もっとサッカー上手くなりたい!」スクールに通いたがるけど…
前回のコラムにも書きましたが、サッカーを初めてから、楽しいと同時に「もっと上手くなりたい!」の気持ちが芽生えてきた頃、「俺、もっとサッカーやって上手くなりたい。だから他のスクールにも通いたい!」と言ってきたことがありました。
息子のお友達でも、所属しているスクールの他にドリブル強化のスクール、シュート強化のスクール、他のクラブチームのスクールなど、スクールの掛け持ちをしている子が多かったようで、そんなお友達の話を聞いて、「自分も通いたい!」とすっかり影響されたようです。
「友達がやってるなら自分も!他のスクールに通えばもっと上手くなれる!」と何となく流されているように聞こえなくもありませんでしたが、もっと上手くなりたいという気持ちは伝わってきたのと、言い出したら引き下がらない性格もあり、一度無料体験をやっているスクールに連れて行くことにしました。
改めて、なんでスクールに通いたいの?
そして参加してみたスクール無料体験。体験後には、「めっちゃ楽しかった!ここに通いたい!」と思っていた通りの言葉が。ただ、話を聞いていると、何となく掛け持ちをすれば上手くなれると思いこんでいるような発言をする息子に少し違和感も感じました。
そこで息子に「このスクール体験に何で来たいと思ったんだっけ?」と聞いてみると、「友達もスクールに通ってるし、上手くなりたいから」とのこと。誰かがやっているから自分も…といった気持ちは分からなくもありませんが、この曖昧な理由にはすぐにOKを出せませんでした。
そして、改めて「スクールにたくさん行けば、それで上手くなるかな? 今の自分自身のことをよく考えてみて。それでもここでやりたいなら、通ってみてもいいと思うよ!」と息子に話し、再度同じスクールの体験に参加することにしました。再びスクールの体験を終えた息子の感想は、「楽しいは変わらなかったけど、今の俺に必要なのはこれじゃないかも」でした。
その後、本人の希望でもう一か所別のスクールへ体験に行きましたが、「楽しかったけど、やっぱり今の俺に必要なものではないかも」との言葉が。そして、「正直掛け持ちすれば上手くなれると思っちゃってた。だからもう少し考えてみる」と言ってきました。どちらかのスクールには通うと言ってくるかなと思っていたので、その答えには驚きましたが、自分に足りている部分、足りていない部分をちゃんと考えられたのかなとも感じました。
今必要なのは、スクールより陸上とご飯?!
その後スクールの掛け持ちについては何も言ってこなくなったのですが、去年の冬くらいに「今の俺に足りないものがわかった。今必要なのは体力なんだよ!」と言ってきました。体力があまりない息子は、走ることがとても苦手。でも、サッカーは常に走るスポーツ。結局、走れないと自分のしたいプレーも出来ないと感じたようです。
そこで、体力をつけるためにご飯をたくさん食べて走る!と自分なりに考え、ご飯茶碗を大きめの物に変えたり、家の周りをランニングするようになりました。「自分に足りない所をやっていくのが、一番ムダがなくていいと思う」と自分で考えて行動に移せたことには、成長も感じました。
その後、走ることが段々楽しくなったようで、今では近所の陸上教室に入り、週に一度長距離走を走るようにまでなりました。今まではサッカー一筋でしたが、こうして他のことにも関心を持つのはいいことだと思いますし、走った後に食べるご飯がめちゃくちゃ美味しいんだとか(笑)。ご飯もたくさん食べるようになって、まさに一石二鳥です。試合でも前より走れるようになり、しっかりサッカーにもプラスになっているようです。
体力以外にも自分に足りないところはまだまだあるそうですが、どれも自主練をコツコツ続ければ克服できるようなことだから、と話しています。マイペースな息子は、自分で工夫しながら時間をかけて課題をクリアしていくのを楽しめるタイプなので、これが合っているのかもしれません。どうやらスクールの掛け持ちをする必要はまだなさそうです。
自分に足りないものを補うのに、本当に必要なものは何だろう?
最初は、スクールを掛け持ちすれば上手くなれる!と安易に考えていた息子でしたが、改めて自分に何が足りないかを考え、それに対して本当に必要なものは何かを考えられたことはすごく良かったのではないかと思っています。もちろん、自分だけではどうしても補えない部分もありますが、一度自分で何かできることはないか?を考えてみるのも必要かなと思います。
また、「上手くなれるならスクールを掛け持ちする!」という単純な気持ちで体験に参加した時と、「自分に足りないものをここで補えるのか?」という意識で体験に参加した時では答えが全く違うものだったので、スクールに通う目的は何なのかをしっかりと考えておくことも必要なのかもしれません。現に、あれだけスクールの掛け持ちをしたいと言っていた息子が最終的に「これだ!」とたどり着いた先は、走ることと大きな丼でご飯をたくさん食べることだったので(笑)。
スクールの掛け持ちをしていたら、きっとそれはそれでまた違った刺激があったり、もっと色々な技術も身に付いて上手くなっていたのかもしれません。ただ、この先も自分で考えて答えを導き出すことは必要になってくると思いますし、自分の選択したことに自信を持って取り組んでいるようなので、今回はこれで良かったのかなと感じています。何より、走るのが苦手で苦痛を感じていた息子が、陸上というスポーツにも関心を持ち、苦手意識を克服出来たことにとても嬉しく思っています。