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早めの熱中症対策を意識!「暑熱順化」を知ろう

みなさん、こんにちは。スポーツナースの山村です。
桜が咲いたな~と思っていたら、いきなり夏のように暑い日があったりと、季節が一気に進んだ感じがするこの頃ですね。熱中症対策の時期もあっという間に来そうですが、今回は早めにできる対策の話をしたいと思います。

暑熱順化って知ってますか?

真夏の炎天下でもサッカーをしている子ども達を見ると、何で熱中症にならないんだろう?と思いますよね。その一つの要因に、「暑熱順化」ができていることがあげられます。暑熱順化とは体が暑さに慣れることで、これができていると暑さへの対応がしやすくなります。具体的には、次のようなことができるようになります。

  • 発汗しやすくなり、体温の上昇を抑えられる
  • 皮膚の血管が拡張し、放熱しやすくなる
  • 汗に含まれるナトリウムイオン濃度が低下し、汗による塩分喪失が抑えらる

熱中症は、体にこもった熱をうまく外に逃すことができないと引き起こされるものです。そのため、暑熱順化ができていると熱中症のリスクを軽減できるというわけです。

暑熱順化のために、暑さが本格化する前に取り組みたいことは?

 

体が暑熱順化できるまでには、おおよそ1~2週間かかると言われています。5月の暑い日や梅雨の晴れ間など、一気に気温が上昇する日はまだ暑熱順化ができないため、熱中症のリスクが高くなり注意が必要です。

さらに、ここ数年はコロナ禍による活動制限で外出の機会が減っています。家の中で過ごすことが続いていると、久しぶりに外で活動した時に思ったよりも暑かった…なんて感じたこともあるのではないでしょうか?
通常、夏に向けて気温が徐々に上がっていくと体も自然と暑熱順化できていることが多いのですが、外での活動が減ったここ数年の状況を考えると、普段の生活の中でうまく暑熱順化が行えていない可能性もあります。

日常生活の中で暑熱順化を進めるためには、無理のない範囲で汗をかくことが有効です。例えば、次のようなことをしてみましょう。

  • ウォーキング30分を週5回、もしくはジョギング15分を週5回
  • 2日に1回湯船に浸かる
  • 筋トレやストレッチなど適度に汗をかく運動30分を週5回以上

ウォーキングや筋トレはちょっと難しいかも…という方も、「2日に1回湯舟に浸かる」なら実践できそうですよね。シャワーだけで済ませるよりも湯舟に浸かった方が疲れも取れますし、おすすめですよ。

また、日本気象協会が推進している「熱中症ゼロへ」のプロジェクトでも暑熱順化が取り扱われています。暑熱順化ができているかのチェックリストや、各地域の暑熱順化が必要なタイミングの目安を知らせる暑熱順化前線などが掲載されています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

★日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」公式サイト 熱中症について学ぼう:暑熱順化(https://www.netsuzero.jp/learning/le15
★日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」公式サイト 熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(https://www.netsuzero.jp/le15-zensen

熱中症には早めの対策を!

熱中症には様々な要因が関係してくるので、暑熱順化ができていれば熱中症に絶対ならないというわけではありませんが、対策のためにはとても大切なことの一つです。暑さが本格化する前に、ぜひ日常生活からできる対策を行ってみてくださいね。

WRITER PROFILE

山村麻衣子
山村麻衣子

シングルマザーとして3人の子育てをしながら、救命センターで看護師として働き、スポーツナースとしても活動しています。末っ子は高校サッカーで全国を目指し奮闘中です。万が一が起きている現場にいるからこそ、スポーツの現場でも安全や予防の必要性を感じているので、コラムではメディカル目線のサポート情報などを中心にお届けしていきます。

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