保護者同士の関係、うまくいってますか?【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】
サカママ読者の皆さま、こんにちは!大槻です。
そろそろ新年度に向けて動き出す時期ですね。新しい環境や出会いに期待と不安が同居しているような気持ちなのではないでしょうか。サカママの皆さまも、子ども達のサッカーを通して新しい環境・出会いに触れることになるかと思います。
そこで今回は、“保護者同士のコミュニケーション”について考えていきます。前回の記事にも重なる部分がありますが、子ども達の為にも我々が自身を振り返ってみることも必要だと思いますので、ぜひ一度考えてみてくださいね。
噂話や好き嫌いには要注意!保護者同士も礼儀とマナーを忘れない
子ども達のサッカーを通して、保護者の方もこれまで知らなかったことや、新しい出会いが沢山あると思います。それらはポジティブに感じることだけでなく、時にはネガティブに感じることもあるでしょう。送迎やチームの当番、スケジュールなど調整しなければならないことも多くなってきます。それでも出来ることなら、“楽しく”取り組めた方が良いですよね。
その中でも大切にして欲しいのが、“保護者同士のコミュニケーション”なのです。親同士といっても世代が違うこともありますし、それぞれの教育に対する考え方にも違いがあって当然です。そもそもサッカーに対する考え方が違うということもあるでしょう。しかし、同じチームで活動する仲間である以上、お互いの状況や考え方を尊重しながら協力し合える関係を築くことが大切です。
特に他人の噂話や好き嫌いといった話題は注意が必要です。子ども達の世界に大人の私情が入ってしまうのは、良い状態とは言えません。なぜなら子ども達の関係にも問題が起こる可能性があるからです。まずは保護者同士が周囲に対する“礼儀やマナー”を欠かしてはいけないと思います。
我が子だけでなく、チームを応援する姿勢を大切に
そして、たとえ我が子が試合に出場していない時であっても、チームを応援する姿勢は欠かしてはいけません。中には子どもが試合に出場していない時に、『負けてしまえば良いのに……』という保護者の方もいると聞いたことがあります。我が子が試合で頑張る姿を見たいと思うのは当然のことですが、チームや仲間に対する不平不満を口に出してしまうことは、ご自身にとっても子ども達にとってもプラスに働くとは思えません。
そのような大人の姿勢や思考は、子どもにも伝わるものです。いつか子ども達自身が困難に向き合った時に同じような振る舞いをするようになってしまうかもしれません。どんな時もチームを応援する気持ちを忘れずに、所属している子ども達みんなを応援してあげてください。
どんなに活躍していても、チームの一員
試合での活躍、〇〇選抜への選出、〇〇トレセンへの選出など、我が子の活躍は大変嬉しいものですし、誇らしいと思うこともあるでしょう。しかし、だからと言ってそれが特別ではないということを保護者は忘れてはいけません。どんな活躍をしていても他の子ども達と変わりはなく、あくまでチームの一員なのです。特別扱いをされる訳ではありませんし、優遇されるようなこともあってはいけません。チーム中で目立つ存在だからこそ、“チームに愛される選手”を目指すべきではないでしょうか。
もしお子さんが仲間を大切にしていない言動や、横柄な態度をとってしまっているならば、保護者からの働き掛けが必要です。また、それは保護者自身も気を付けなければいけないことでもあります。保護者同士の何気ない会話の中でした話が、我が子の自慢話のように聞こえてしまうこともあるかもしれません。まずは一番近くにいる保護者が周囲への気配りを欠かしてはいけないのです。
保護者同士の良好な関係は子どもにもチームにもプラス
保護者同士の良好な関係は、子ども達に良い影響を与えますし、結果的にチームにプラスに働くことになるでしょう。お互いを尊重し合い、サポートし合える関係を作り上げることが出来れば、楽しい時間を過ごすことが出来ると思います。
そして、子どもは親のやっていることを見て、それが当たり前のことだと思い自分の常識を形作っていきます。「親の背を見て子は育つ」。よく耳にする言葉ですよね。今回のようなサッカーの現場における保護者の立ち振る舞いも、いずれ子どもの常識となって育っていくのかもしれません。
どんな小さな年代であっても、そこには社会があります。子ども達はそこで起こる様々な問題に対して、自分達で解決する術を身に付けていかなければなりません。大人の不要な介入によって、身に付けなければならないことや、経験しなければならないことが得られないようであれば、結局はそれは子どもの為にならないのです。子どもの社会を尊重しつつ、大人が正しい方向に導いていかなければいけませんね。
自分がそんな背中を見せられているかと言ったら不安でしかありませんが…(笑)。常にポジティブに自分に出来ることに取り組みたいと思っていますし、子ども達がそんな姿勢を感じてくれたら嬉しいと思っています。