子どもを成長させる期待のかけ方とは?【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】 | サカママ メインコンテンツに移動

子どもを成長させる期待のかけ方とは?【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

サカママ読者の皆さま、こんにちは。大槻です。

新年度がスタートした矢先にまたしても新型コロナウイルスの影響により、子ども達の活動に制限が出てきている地域が多いかと思います。状況が落ち着くまでの時間を有意義にするためにも、子ども達が育つ環境に対する我々、大人の考え方や働き掛けを見直す良い時間になるのではないかと思っています。

そこで今回は、大人の「期待のかけ方」が子どもに与える影響について考えていきたいと思います。

『ピグマリオン効果』と『ゴーレム効果』

ピグマリオン効果』と『ゴーレム効果』という言葉を聞いたことはありますか? この2つは相手に対する期待のかけ方がもたらす心理的な効果のことです。

『ピグマリオン効果』は、簡単に言うと、ある人物の周囲の期待が高いと、その人物の成長が高まっていくといった効果のことです。人は期待をかけられることで、良い方向に変化する傾向があるようです。

一方で、『ゴーレム効果』は、ある人物の周囲の期待が低いと、その人物のパフォーマンスが低下してしまうといった効果になります。『ピグマリオン効果』とは逆ということですね。

持っている力を引き出す『ピグマリオン効果』、パフォーマンスが低下してしまう『ゴーレム効果』。どちらも相手に対する期待のかけ方が、その人物に影響していくことを示しています。サッカーの現場でも家庭でも、『期待』がもたらす心理的な効果について意識しておく必要がありそうです。

『ピグマリオン効果』を発揮するには?

 

子どもたちの持っている力を引き出すためにも、ピグマリオン効果はうまく取り入れたいですよね。ですが、期待のかけ方によっては逆効果になることも頭に入れておけなければいけません。例えば、子どもに期待をするからこそ、こんな行動をとってしまったことはありませんか?

  • 過度な要求や管理、命令
  • 子どもが失敗をしないように先回りする
  • 期待した結果が出ない時、達成されなかった時に怒ってしまう

いずれも期待をしての働き掛けなのかもしれませんが、これでは望むようなピグマリオン効果は得られないでしょうし、過干渉は子ども達から自ら考える機会も奪ってしまいます。

それでは、どのような期待のかけ方がいいのか? ということですが、次のようなことできるといいかと思います。

  • 答えの全てを伝えるのではなく、ヒントを与える
  • 上手くいかなくても焦らずに見守る(達成出来たタイミングで褒める)
  • 自ら考えて行動したことをポジティブに捉え、適切なフィードバックを行う

例えミスになってとしても、子どもが自ら考えて行動したことに対してマイナスなフィードバックだけを与えるのは、適切ではありません。期待をしているからこそ、焦らずに子ども達の成長を見守ることが大切ではないでしょうか。

課題や問題を伝えるときは、良かったところも併せて

普段の生活でもそうかもしれませんが、特にサッカーの練習や試合では、子どもの出来ないことや苦手なことに目が行きがちだと思います。その結果、課題や問題の指摘が多くなってしまうこともありますよね。

  • 試合後のネガティブな振り返り(映像でダメ出しを繰り返すなど)
  • チームメイトなど他人と比較してしまう(「○○くんは出来ているのに…」など)
  • 結果だけを評価し、プロセスへの評価をしない

こういった働きかけをしてしまうと、子どもたちは期待されていないと感じ、知らない間にゴーレム効果を引き出してしまうかもしれないので、注意が必要です。

とはいえ課題や問題に向き合うことはとても大切ですから、その伝え方を工夫できるといいかと思います。課題や問題と併せて、出来ていること、良かったところも伝えてあげると、それぞれを肯定的に受け止めやすくなるはずです。

望ましい期待のかけ方を意識して、子どもを見守ろう

 

ご紹介したような心理的な効果を知ることで、指導者や保護者の皆さまの子ども達へのアプローチが変わってくるのではないでしょうか。先入観や決め付けて子ども達を判断するのではなく、望ましい期待のかけ方でフラットに子どもを見守ることが大切ですね。

とは言うものの…我が子のサッカーになると、ついつい口を出してしまいそうな自分がいます(笑)。自分も皆さんと同じ一人の親として、長い目で子どもの成長を見守っていきたいと思います!

WRITER PROFILE

 大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

BLOG「サッカーのある生活...」も執筆中
★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー