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サッカークラブの選び方と移籍のポイント【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

サカママ読者の皆さま、明けましておめでとうございます!大槻です。
今年も皆さまにとって少しでも有益な情報がお届け出来きればと思いますので、よろしくお願いいたします。

さて、年が明けて新年度の準備を始める方も多いと思います。習い事のスケジュールの変更や、新しいチャレンジをする方もいるでしょう。そしてサッカークラブへの入団、移籍を考える方も少なくないと思います。

そこで今回は、『ジュニア年代のクラブ選びと移籍問題』について取り上げます。新年度に向けて、初めてのサッカークラブ、スクール選びはどんな環境が良いのか? また、クラブを移籍する際の注意点を整理していきたいと思います。

初めてのサッカークラブ、サッカースクール選び

 

サッカークラブやスクールを選ぶ時の基準は色々ありますが、まずは初めてのクラブ、スクール選びで保護者として確認しておきたいポイントを3つあげてみました。

クラブ、スクールの雰囲気(指導者の人柄)

サッカーの専門的な指導も大切ですが、それ以上に子ども達が『サッカー楽しい!』と感じるような働き掛けが大切だと私は考えています。初めてのクラブ、スクール活動となれば尚の事。子ども達の世界が少し広がるわけですし、学校とは違う場所に緊張感もあるでしょうから、子どもが楽しめる雰囲気は大切です。

まずは楽しむこと、そして、活動の過程で集団行動の大切さや仲間と一緒に何かを成し遂げる楽しさ、難しさを感覚的にでも身に付けていけることが理想なのだと思います。そういった指導や働き掛けがある環境でサッカーをスタートさせることが大切なのではないでしょうか。

子どもが「ここでやりたい!」と思えるようなクラブには、活気で溢れています。そしてその雰囲気を作り出しているのは、クラブの名声や指導者の実績だけではなく、スタッフの人柄です。

練習会場までの距離

子ども達は学校から帰宅してサッカーの練習に向かうわけですが、低学年であれば保護者の引率が必要になってくるでしょう。その距離が遠ければ、親子共に時間的にも体力的にも負担が多くなってしまいます。

各ご家庭で事情は違ってくるかと思いますが、出来るだけ近場で子ども達に合う環境があれば、まずはそこからスタートするのが良いのではないかと思います。学年が上がっていけば少しずつ体力も付き、自分で出来ることも増えてきますから、そうなった時に範囲を広げていくという考え方もいいでしょう。

気を付けたいサッカークラブやスクールの決まり事

「雰囲気もいいし、練習場も近い!ここに決めた!」と思っても、一旦ストップ! 希望のサッカークラブやスクールの決まり事を予め確認しておきましょう。 各クラブ、スクールにはそれぞれの決まり事がある場合が多く、保護者の協力を求められることもありますし、その程度も様々です。実際に入ってみないと分からない部分もありますが、事前にしっかりとスタッフの方などにお話を聞いておくことをおすすめします。

クラブ移籍の際に気を付けたいこと

 

ジュニア年代の移籍については、様々な考え方や議論がなされています。そして移籍を決断する理由は様々だと思います。ステップアップのために移籍を検討することもあるでしょうし、指導者との関係が理由になることもあるでしょう。

どんな理由があっても、移籍した結果が自身にとってプラスになるようにするためには、お子さん自身の考え・気持ちに加えて、保護者の方にも気にかけておいて欲しいことがあります。

環境を変えるメリットとデメリット

大人の選手であっても環境を変えることには勇気が必要です。環境を変えることで力を発揮出来ることがありますし、逆に環境を変えたことで力を発揮出来なくなることもあるかもしれません。子どもの目線でメリットとデメリットをあげるとすれば、下記のようなことが考えられます。

メリット

  • 新しい指導者、仲間との出会いにより世界が広がる
  • これまでとは違ったアプローチと働き掛けによって、可能性が広がる
  • 新しい評価でプレーが出来る

デメリット

  • 慣れ親しんだ指導者、仲の良い友達から離れなければいけない
  • レベルの違いに悩まされることがある
  • 新しい環境に馴染むまでに時間がかかる場合もある

これらのメリット・デメリットをよく考えた上で、移籍を検討する際には保護者の方は事前にクラブの詳細を調べておく必要があるかと思います。繰り返しになりますが、クラブの雰囲気や指導者の人柄は非常に重要です。基本的な指導方針などに加えて、スケジュールの管理や月会費などの詳細も事前に調べておきましょう。

「自分がどうなりたいのか」を考えよう

そして何より忘れてはいけないのは、「どこのクラブでプレーするかよりも、自分がどうなりたいのか」ということ。クラブは子ども達を導くことはできますが、クラブが与えてくれる『成長のきっかけ』を掴んでいくのは本人です。クラブが強くしてくれるわけではありませんし、成長させてくれるわけでもないと思うのです。

だからこそ、どんな環境でもベストを尽くしてプレーすることを大切にして欲しいと思います。移籍を考える事情は様々かと思いますが、「自分がどうなりたいのか」という考えをしっかりと持って、検討してみてください。

セレクションを実施するクラブへの移籍

そもそもアマチュアの移籍については、自由となっています。 しかしながら、クラブと保護者の双方に理解がなければスムーズな移籍は実現しません。

実務的な話になりますが、セレクションを受験する際には必ずクラブに話を通す必要があります。セレクションを実施するクラブは、大多数が『参加同意書』といったものを用意しています。これはセレクションに合格した際に、所属先クラブに移籍の承諾を得ておく必要があるからです。黙って受験をしたとしても後に発覚し、双方のクラブに迷惑を掛けてしまうことがありますから注意が必要です。

そして、こういった実務的な段取りを踏んだ上で、クラブと選手の間に『応援したい!』という想いと『ありがとうございました!』という感謝がなければいけません。これまでの活動の中で、そのような人間関係が築けていたかどうかは非常に大切です。正論だけを貫こうとしてもスムーズな移籍は実現しませんし、何よりお世話になったクラブ、これからお世話になるクラブの双方に感謝の気持ちを伝えられるようにして欲しいなと思います。

クラブ、スクール選びは子どもと一緒に、自分の目・耳・心で判断を!

 

実は私の低学年の息子もサッカーの頻度を増やしたいようで、4月からチーム活動が出来る環境を探しています。しかし、我が家の状況と合うクラブを探しているのですが、これが中々難しい。笑

今は情報が集めやすくなった反面、何が良いのかよく分からなくなって頭を悩ませている保護者の方も多いかと思います。今回はいくつかのポイントをご紹介しましたが、それらを参考にしながらクラブやスクールの見学で子ども達の様子を見守っていただき、自分の目で見て、耳で聞いて、心で感じてみてください。

皆さまが楽しいサッカーライフが過ごせることを祈っております!

WRITER PROFILE

大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

BLOG「サッカーのある生活...」も執筆中
★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー

株式会社アクオレ株式会社ティー・パーソナル