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鈴木啓太の腸内環境を整えよう

花粉症をラクにする方法【鈴木啓太の腸内環境を整えよう vol.7】

腸内細菌に関わる研究を続け、腸内環境からアスリートをサポートしているサッカー元日本代表・鈴木啓太さんによるコラム。今回は花粉などのアレルギーと腸内環境にまつわる話をお届けします。花粉症に悩んでいる方、必読ですよ!

花粉症の軽減と腸内環境が関係している!積極的に摂るといいものは?

ヨーグルト

花粉症の方にとって、辛い季節ですよね。サカママのみなさんだけでなく、お子さんも花粉症という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

じつは、花粉症などのアレルギーにも腸内環境が関係していると言われているんです。

ある研究によると、2種類の乳酸菌を含む発酵乳(ヨーグルトや乳酸菌飲料)を積極的に摂ると、鼻水や鼻づまりといった花粉症の自覚症状が軽減したという結果が報告されています。複数の乳酸菌を摂ることで、お腹のバランスを整える菌が増えるなど腸内細菌の多様性(種類や数)が増加したことで、花粉症の軽減につながったと言えるのです。

また、スギ花粉症患者の調査では花粉の飛散量によって増加する菌(Bacteroides fragilis群、Bacteroides intestinalis群)が確認されており、アレルギー症状の原因の1つになっていると言われています。それに対してビフィズス菌を摂取することにより、これらの菌種の増加を抑制し、抗アレルギー作用を示す報告も。

つまり、ビフィズス菌や乳酸菌を積極的に摂り、腸内環境にそれらの菌を増やすことで、花粉症の症状軽減につながると言えるのです。

なお、花粉症状が発生する10週間くらい前から発酵乳を摂り始めたら、例年に比べて花粉症状が軽減したというデータも。日頃から発酵乳(ヨーグルトや乳酸菌飲料)を摂っておくと、花粉症予防にもつながると言えるでしょう。

アトピー性皮膚炎を軽減するには?

最近は、アトピー性皮膚炎のお子さんも多いのではないでしょうか。

じつはお母さんが出産の2~3週間前から、乳酸菌を積極的に摂取していると、子どものアトピー性皮膚炎の発症率が低くなるという研究結果があるんです。

また、アトピー性皮膚炎の方は、一般の人に比べると腸内細菌の中でも、ビフィズス菌が少なく、腸内細菌叢のバランスが乱れていると言われています。

アトピー性皮膚炎のお子さんは、乳酸菌・ビフィズス菌をより摂るように心がけることが大事ですし、お母さんたちも妊娠中から気をつけておくといいかもしれませんね。

ヨーグルトや乳酸菌飲料は種類がたくさん。どれを選ぶべき?

乳酸菌飲料

ヨーグルトや乳酸菌飲料は各メーカーからさまざまなものが発売され、乳酸菌、ビフィズス菌の種類も異なるものです。

どうしても気に入ったものを選びがちだと思うのですが、大事なのは、いろいろな種類(いろいろなメーカーのもの)を摂ること。そうると、様々な菌が摂れるので、腸内細菌の多様性(種類や数)が高まり、アレルギー症状の軽減にもつながるのです。乳酸菌は、なかなか腸に定着しないので、量を気にするよりも、毎日摂ることも大切です。

なお、ヨーグルトが苦手なお子さんは、乳酸菌飲料でもかまわないのですが、乳酸菌飲料は甘みがプラスされていることが多いので、飲みすぎには気をつけること。
ヨーグルトが嫌い、乳製品がアレルゲンという場合は、キムチがオススメですよ。

花粉症を軽減するには、体内リズムを整えておくことも大切

花粉症や喘息、蕁麻疹などのアレルギー性疾患は、とくに夜間から明け方に症状が発生しやすく「モーニングアタック」とも言われています。

しかし、夜間に食事をしたり、夜更かしをして体内のリズムが崩れてしまうと、本来は寝ている間や明け方に出やすいアレルギー症状が、昼間にも多く出てしまうのです。

アレルギー症状を多く発生させないためには、日頃から、早寝早起きを習慣にし、同じ時間に食事をとるなど、規則正しい生活で体内のリズムを整えておくことも大事です。

トマトジュースやケチャップが花粉症を軽減!?

トマト

トマトの果皮に含まれている特有のポリフェノール「ナリンゲニンカルコン」。
この「ナリンゲニンカルコン」が通年性のアレルギーやスギ花粉症の症状軽減にもつながると言われています。「ナリンゲニンカルコン」は、生食用のトマトよりよも、トマトジュースやトマトケチャップなど加工したものに多く含まれているとか。花粉症を軽減するためにも日頃からトマト製品を摂るように心がけるといいでしょう。

また、青魚に含まれているEPAやDHAという成分も抗アレルギー作用があると言われ、とくにアトピー性皮膚炎の方には有効とも。サバの水煮缶には、水煮の部分にもEPAが染み出ているので、ぜひ活用してみてください。

花粉症軽減にも!「ヨーグルトとトマトのツナカレー」

ヨーグルトとトマトのツナカレー
※写真はイメージです

最後に、弊社の管理栄養士によるアレルギーの軽減にも役立つレシピをご紹介しておきます。ビフィズス菌、乳酸菌が摂れるヨーグルト、ナリンゲニンカルコンを含むトマト缶、EPAが摂れるツナ缶を使ったカレーです。ヨーグルトが苦手なお子さんにもオススメですよ!

材料

ツナ水煮缶 2缶(1缶160g)
にんじん 2本
じゃがいも 2個
玉ねぎ(薄切り) 1個
オリーブオイル 適量
トマト水煮缶 1/2缶(200g)
にんにくチューブ 小さじ1/2
カレールー 4個
プレーンヨーグルト 200g

作り方

玉ねぎは薄切りにし、じゃがいもとにんじんは皮をむいて一口大に切る

鍋にオリーブオイルをしいてを炒める

ツナ缶(汁ごと)、トマト缶、にんにくチューブを加えて煮込む

野菜に火が通ったら火を止めてカレールーを入れ、再びとろみが出るまで煮立たせれば出来上がり


参考文献