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指導者の言霊「大槻邦雄 三菱養和サッカークラブ巣鴨ジュニア監督」

指導者の言霊「大槻邦雄 三菱養和サッカークラブ巣鴨ジュニア監督」

幼児から大人のクラスまで様々なカテゴリーを指導

三菱養和サッカークラブ(以下、養和)のコーチングスタッフは、幼児から大人のクラスまで様々なカテゴリーを担当します。私は、巣鴨ジュニアの監督を務めながら、ときに低学年やお母さんたちのスクールなどの指導も行っています。

子どもたちを幼児の頃から18歳まで見守ることができるのは、養和の強みの一つです。様々なクラスを指導する環境にいるからこそ、常にフラットな状態で子どもたちを見ることができるのです。私だけでなく、どのコーチングスタッフも、担当するカテゴリーに関係なく、子どもたちとは常にコミュニケーションをとるようにしています。そうすることで子どもたちには、たとえ担当のコーチが苦手だったり、怒られたりしても逃げ道ができるのです。また、指導者たちの間では、子どもたちの情報を共有し、学年がかわってもしっかりサポートし続けるというリレーションがとれているのも特徴です。そのため、辞めていく子どもたちは比較的少ないですし、去年、ユース(高校生)のチームが日本一になったときのメンバーは、スタメン11人のうち、9人がジュニアからいた選手でした。親御さんとしても、昔から知っているコーチがいると安心ではないでしょうか。コーチングスタッフも養和出身が多く、私もその一人です(笑)。

人としてしっかり成長するには何が必要かを考える

私はジュニア時代は生活のベースを作っていくことが大事だと考えています。子どもたちの中にはスクールを掛け持ちし、サッカー中心の生活になっている子も大勢います。決して悪いことではないと思うのですが、普通に生活すること、例えば学校に行って勉強し、帰宅後、宿題をして友達と遊ぶといったような、子どもが子どもらしくいれる時間も大切だと思うのです。また、生活の中でサッカーの比重が大きくなりすぎると、体がついていかないこともあります。そのため、養和では土日はどちらかを休みにし、夏休みも1~2週間設けています。

心がけていることの一つに「子どもたちを認めてあげる」ということがあります。たとえ思春期の子どもが、つんけんした態度をとっても怒るのではなく、まず認めてあげる。子どもたちなりの考えがあると思うので、それを認めて尊重しながら働きかけるようにしています。また、「子どもたちはこうあるべきだ」「~ねばならない」といった考えは持たないようにしています。というのも、思った通りに育つ子は、ほとんどいないからです。大事なのはありのままを受け止めて、子どもたちの変化を見ながら指導していくこと。それは、試合でも同じです。たとえプランを綿密に立てていたとしても固執するのではなく、試合の状況に応じて変えていくことが重要。去年の全少の東京大会決勝戦では、開始7分でメンバーを変えたことも優勝できた要因の一つだと思っています。

選抜やトレセンに選ばれることがすべてではない

選手がトレセンや選抜に選ばれることに対して、私はさほど敏感に反応しません。もしも選ばれたら「頑張ってこいよ」というくらいのスタンスです。というのも、選ばれた選手を褒めてしまったら、選ばれていない子どもたちが、選抜に選ばれないと駄目なんだと思ってしまう。近頃は親御さんたちのほうに力が入っていて、子どもたちよりも必死になる場合があります。けれど、子どもたちにも、親御さんにも、選ばれることがすべてではないことをわかってほしい。どんな小さな年代でも、サッカーをやっていれば“社会”がある。親御さんはそれを理解し、子どもたちはサッカーを通して、社会性、人間性を身につけることが大事だとわかってほしいのです。「明るく、楽しく、元気良く!」。どんなときも、この気持ちで臨み、爽やかですがすがしく、誰からも愛される選手に育ってほしいと思っています。

※この記事は2016年8月10日に掲載したものです。

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