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「ペナルティーキックのやり直し」

 ペナルティーエリア内で守備側選手が直接フリーキックとなる反則をした場合、ペナルティーキック(以下、PKと略す)を攻撃側のチームに与えます。
PKは通常のフリーキックと違って守備側の壁はなく、キッカーはゴールラインから11mの距離から、ゴールライン上にいるゴールキーパー(以下、GKと略す)との勝負でキックできるので、得点となる可能性が高いです。GKはキッカーの助走やキックモーション、あるいは癖や心理などを予測しながら反応しますが、スーパープレーをしない限り阻止することはできません。GKの見せどころです。
そのPKの進め方が2019/20 競技規則の改正によって変更されました。GKはキックが行われるとき、両足の全部または一部をゴールラインにつけている必要がなくなり、片足だけライン上にあれば良いことになりました。そして、その片足もラインに付けている必要もなく、(空中であっても)ライン上にあればよいということも追加されました。GKにとって少し有利な条件(制約の緩和)です。
 しかし、ボールがインプレーになる前にGKが前方に飛び出てPKを防いだならば、キックを再び行わせなければならず、かつ警告がそのGKに示されます。今回8月21日付けの国際サッカー評議会(IFAB)の通達で、「GKが前に出ることで明らかに影響をキッカーに与えていないのであれば、ボールがゴールの枠を外れる、あるいはボールがゴールポストやクロスバーから跳ね返ったならば、主審は競技規則の“精神”を適用して、キックを再び行わせない。この考え方は、VAR がGKやキッカーによる反則を“チェック”しなければならないVARを使用している試合においても適用される」ことになりました。もちろん、キックを再び行わせないならば警告は不要です。
GKの飛び出しの影響がなく、そもそもキッカーのミスによりゴールを外す、またはゴールポスト等にボールを当て、得点とならなかったケースまでをやり直しとするのは、サッカーという競技が求めること、競技規則の精神が求めることではないことが明確に示されました。もっとも、GKの飛び出しによりキッカーがキックすることをためらう、またはキックに影響があったと審判員が判断し、その結果キックが失敗したならば、反則として、PKはやり直しとなります。
審判員は、単にGKの飛び出しがあったかどうかのみならず、その飛び出しがどのようにキッカーに対して影響を与えたのかも判断し、得点としない、またやり直しの判定をすることが求められています。審判員の判断に委ねられているところは変わっていません。
 「サッカーという競技が求めること、競技規則の精神が求めることではないこと」が明確に示されたということは非常に大きな意味があり、サッカーの競技規則の精神を考える良い機会だと思っています。

WRITER PROFILE

小幡 真一郎
小幡 真一郎

1952年7月21日生まれ、京都府出身。元国際主審。
サッカーの競技規則の側面から、サッカーの持つ魅力、またはサッカーそのもののを伝えたいと思います。著書に7月21日発売『おぼえよう サッカーのルール』(ベースボールマガジン社)、『すぐに試合で役に立つ! サッカーのルール・審判の基本』(実業之日本社)、『失敗から学ぶサッカー審判の教科書 しくじり審判』(カンゼン)がある。

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