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【フィジカルトレーニング ~vol.01~】正しい姿勢こそすべての基礎

正しい姿勢こそすべての基礎

ただの筋トレではなく、実戦で活きる、役立つフィジカルトレーニングを紹介。

体幹、筋力、姿勢......あらゆる要素が揃ってはじめてプレーは向上する!

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正しい姿勢を保つことを無意識化する習慣をつける

 第1回となる今回は、すべてのプレーにつながる“正しい姿勢”に着目する。歴代の日本代表でキープ力がある選手といえば、本田圭佑の名が挙がるだろう。彼がなぜ、屈強なDFと競り合いながらボールをキープすることができるのか。その秘密は姿勢にある。また岡崎慎司が代表でゴールを量産できていたのにも、姿勢は関係している。彼らはさまざまなプレーをする中で正しい姿勢を保つことで軸が作れており、当たり負けすることなくボールを保持できている。

 軽視されがちではあるが、正しい姿勢こそが、最高のパフォーマンスを発揮することにつながる。いくら体幹を鍛えたり、筋トレを行ったりしても、正しい姿勢を保つことができていなければ、練習や試合で本来持っている力を100%発揮することはできない。正しい姿勢こそが、自分の持てる能力を最大限に引き出してくれる下地なのである。

 正しい姿勢とは、胸を張るのではなく、背筋を伸ばすイメージ。身長を測る際に見栄を張って、少しでも上に伸びようとすると思うが、まさにそんなイメージだ。背筋を伸ばし、胸部よりも腹部が前に出ないこと。また、肩に力を入れず、横から見ると、ほんの少しだけ体より肩が後ろにあることが分かるはずだ。この状態を練習、試合だけでなく、普段の生活から保てるように意識することこそが、最高のパフォーマンスを発揮するための第一歩となる。

TRAINING2

正しい姿勢を保つための体幹の基礎トレーニング

 正しい姿勢を保つという点において、体幹トレーニングは効果的。ただし、さまざまなプレーの中で正しい姿勢を取ることを考えると、体幹だけを鍛えていればOKというわけではない。基本となるトレーニングを紹介するが、体幹はベースであり、フィジカル強化の入口にすぎないということを覚えておこう。

  • うつ伏せで腰を上げてキープ
    うつ伏せになり、両腕と両足で体を支える。体が一直線になるようにキープする。

  • 横向きで腰を上げてキープ
    横向きになり、腕と足で体を支える。肩のラインが縦に一直線になることを意識。

  • 仰向けでお尻をキープ
    仰向けで両腕と両足で体を支え、お尻を持ち上げる。体が一直線になるように。

TRAINING3

股関節の稼働領域を広げるトレーニング

 サッカーにおいて、走る、蹴るといったあらゆるプレーで、股関節は重要なポイントになっている。今回紹介するトレーニングは、実際にレスターのFW岡崎慎司やFC東京のFW前田遼一も行っている。

 これは股関節の稼働領域を広げるストレッチの1つだが、いい姿勢を保たなければ、いくらこのストレッチを行っても、股関節の稼働領域は広がらない。体勢が崩れてしまったり、斜めになったりしていれば、それだけ股関節を使っていないことになる。いい姿勢を保ちながら行うことで股関節の柔軟性は養われ、きちんと足を動かす感覚をも培うことができる。

 窮屈に感じるかもしれないが、両腕を挙げることで、正しい姿勢を保つサポートとなる。足をおもいっきり広げることが目的ではないため、前足は膝から足先が垂直になるようにして後ろ足を伸ばそう。そこから上下に弾むように体を動かしていく。股関節の稼働領域が広がれば、プレーに柔らかさも出てくるし、懐深くボールを収めることもできるようになっていく。

手を上に挙げることで正しい姿勢を保ちやすくする。手は耳の後ろに肘がくる感覚で、前の足は膝から下が地面に対して垂直になっている状態にしよう。そこから上下に体を動かしていく。上げた体をストンと下に落とす感覚で弾むように行うこと。練習前に、片足15回を2~3セットとやるといいだろう。