クラブチーム監督、教えてください!!中学サッカーでの子どもとの向き合い方 -後編-
秋は中学(ジュニアユース)サッカークラブのセレクションが本格化する季節。小学校卒業後、クラブチームや部活動でサッカーを続ける子どもたちも多いですよね。そこで、中学というステージで、親としてできることは何なのか?ジュニアユースのクラブチーム監督にお聞きしました。中学年代はまだまだ先と思っているサカママも、サポートに役立つ話が満載なので参考になりますよ!
下山 悠監督(和光ユナイテッド川崎FC/神奈川県)
「見守ること」「背中を押してあげること」が大事だと思います。どうしても選手の行動に干渉してしまいがちですが、彼らはもう中学生であり、「自分で考えて行動すること、行動に責任を持つこと」を覚えていかなければなりません。また、「様子に気付く、話を聞く、話を引き出す」ことも大切です。思春期というものは、なかなか自分から話をしたがらないので(実際は聞いてほしいことも多々あるのに)、様子を見て違和感を感じたら、「寄り添ってあげる」ことです。育成においては「目標を持つこと(持たせること)」「諦めないこと」「一生懸命やること」が重要です。そして「やればできる」という成功体験をたくさんさせてあげることが成長に大きく繋がっていき、目先のことだけになるのではなく、ユース年代など、しっかりと先を見据えながら、全力で過ごしていくことが大切だと考えます。
桜井佑樹監督(FC VIDA/東京都)
クラブチームでの活動を終え、我々が見ることができないところは、保護者の方々と連携を取っていきたい部分です。つまり、帰宅後の食事、睡眠、入浴は非常に重要な要素だと思います。お菓子ばかり食べるのではなく食事をしっかりとっているのか、テレビで夜更かしせずちゃんと睡眠をとっているのか…。そこを親御さんに担っていただきたいと思います。小学6年生の東京選抜も見ていますが、車送迎禁止でも、電車できたことを装って、親が近場まで車で送っていることもあるそうです。過保護であることが 、サッカーでは時にマイナスになるのです。
屋良充紀監督(リーベルプントFC/神奈川県)
特に母親の接し方が大事になると思います。ジュニアユース年代になると、サッカーにおける勝ち負け、技術レベルなどの知識は、お子さんの方が発達しています。母親の知ったかぶりな知識で、ものを言っても煙たがれるだけです。このゆったりと大きな心で見守り、おいしいご飯を用意して待っていてあげることが第一ではないでしょうか。特に母親同士のお茶会や飲み会で話した勢いで、サッカーの技術的な話、つまり「誰々ちゃん云々」的な話などしようものなら、子どもは口を利かなくなり、必要なコミュニケーションすら取れなくなる可能性がありますので気をつけましょう。でも、そんな子どもの反応をネガティブに捉えないでください。それもこれもすべてはお子さんが成長している証なのです。
坂口照幸総監督(GRANDE FOOTBALL CLUB/埼玉県)
親は子どもの一番の理解者であるべきだと思います。どうしても熱が入り、“サッカーの指導者”になってしまう方がいますが、親は指導者ではありません。ですから、一番の理解者として、付き合うことが大切だと思います。子どもの性格を最も理解しているのは親ですから、子どもが今何を考え、何に迷っているかを理解してあげてほしいです。レベルが上がれば、チームでの悔しい思いや、苦しい思いなど、いろいろなことを経験します。サッカーに関しては、チームまたは指導者に任せていただき、親は子どもを甘やかすのではなく、様子を見守りながら、常に寄り添っていただきたいです。そして、努力することや考える大切さを伝えてほしいと思います。
谷中 治監督(JACPA BOBBIT TOKYO FC/東京都)
小学生の頃とは違い、子どもの自立を促し、見守るスタンスが大切だと思います。また、サッカーについては、細かくアドバイスをするのではなく、とにかく試合で良かったところを褒めてあげるようにしていただくのが良いと思います。中学年代は子どもから大人へ成長をする最も大切な通過点です。それぞれの個性を尊重し、且つ、サッカー(団体活動)を通じて、社会性、判断力が身に付くよう、言葉を交わすコミュニケーションが大切だと思います。
倉持行一監督(柏マイティーFC/千葉県)
思春期を迎え、心身ともに不安定になる時期ということを踏まえた上で、お子さんと接する事が大切だと思います。お子さんの生活態度の中で、喜怒哀楽を見逃さず、常に寄り添う気持ちで、良い距離で見守ることが大事です。そしてサッカーを通して自立できる人間(選手)にすることが一番大切だと思います。私も指導する上で、何事も最後まで諦めず、常に責任感を持って、自分の意志で行動できる選手になってもらいたいと思っています。
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