先輩が語る大学サッカー 一般入試合格のススメ(その1)
高校生たちに贈る「夏から始める大学受験対策」
ここで紹介するのは「大学でサッカーを続ける」ために“一般入試”で大学を合格し、現在活躍を続けている先輩たちだ。
高校3年間、サッカーに情熱を燃やし続けた彼らは、どのようにして合格を勝ち得たのだろうか?
一般受験から大学でサッカーを続けるということ。
勉強と部活の両立は、高校生にとって永遠のテーマといえる。だがこの課題に真剣に向き合い、難関と呼ばれる大学入試を勝ち抜き、サッカー部のトップチームで活躍する先輩たちは存在する。彼らは限られた時間の中で、どれだけの努力を重ね“二兎”を得ることができたのだろうか。
今回はサッカーの実績を背景に入学するのではなく、一般入試から大学合格を勝ち取り、関東大学リーグのトップチームで活躍する3人を紹介する。
冨田康平 早稲田大学◀︎市立浦和高校(埼玉)
とみた こうへい●1996年6月9日生まれ/早稲田大学スポーツ科学部4年/DF/176cm・73kg
「大学入試は今後の人生が決まるテスト。楽をして後悔したくなかった」
2年次に高校サッカー選手権に出場し、貴重な経験ができました。そこで完全燃焼するかと思っていましたが、ベスト16で敗退し、もっと上のサッカーがしたくなったんです。でも、大学のスカウトの目に留まる選手でもなかったので、スポーツ推薦等で進学するつもりはなく、一般入試で大学受験をしようと決めました。だから、3年からの1年間は学校だけの勉強から受験に向けた勉強にシフトしていきましたね。
志望する大学は入念に調べました。関東大学サッカーリーグのホームページを見て、どんなチームがあって、どんな取り組みをしてるのか。高校の先輩で早稲田大学の松本渉さん、筑波大学の戸嶋祥郎さんにも話を聞きに行き、どこの大学であれば自分が成長できるのかを明確にしていきました。
受験にシフトしてからの毎日(※1日のスケジュールを参照)は、睡眠時間は4時間ほどで、かなりシビアな時間設計をしました。あくまで僕の見解ですが、高い次元での部活と受験勉強の両立は難しかったです。実際に受験にウェイトが向きすぎて、サッカーのパフォーマンスが落ちてしまいました。どちらかにある程度の比重は必要と感じ、インターハイ、選手権の前はサッカーに集中し、移動時間を英語のリスニングや古文の単語帳を見るようにし、やれることは全部やりました。夏は時間があったから、両方を伸ばせる貴重な時期だったと思います。
早大が第一志望でしたが、筑波大も射程圏内だったので5教科すべて取り組みました。正直つらかったですが、今後の人生が決まるテスト。楽して後悔したくなかったです。自分には時間が限られていたので、何をやるかを決め、集中して効率的な1日を意識していました。苦手な教科は時間がかかるし、自分の得意な教科を満点まで上げる努力をしました。得意な部分を伸ばすという姿勢は、今の自分のサッカーのスタイルにも通じるところがあると思います。結果、早大に合格できましたが、ア式蹴球部は走力を測るランテストがあり、その準備も大変でした......。3年次11月の引退から3カ月はサッカーをしていなかったので(苦笑)。
今、こうしてトップチームでサッカーができているのも、高校3年次の1年間の経験が自信となっていることは間違いありません。部活と勉強の両立は大変です。でも大学での4年間は、そのチャレンジに値する価値があります。メリハリをしっかりもって高校生の皆さんも頑張ってください。
冨田センパイからのアドバイス!
・五感をフルに使って 限られた時間に集中した
・勉強、サッカーのウェイトを時期によって変えた
・自分の得意な教科を満点まで伸ばす努力をした
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