【サッカーの続け方】中山泰智(柏レイソル エキップメント)
サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回はエキップメントとして用具の管理をメインに選手やチームをサポートする中山泰智さんをご紹介します。自身の経験から決断した進路を突き進み目標としていた職に就いた背景にある想いを伺いました。

中山泰智(なかやま たいち)
1998年2月7日生まれ、熊本県出身。大学在学中に熊本地震で被災し、その際にサッカーに勇気づけられた経験から自身もサッカーに携わる職に就くことを志し、大学を中退、JAPANサッカーカレッジ(JSC)へ進学。卒業後は複数クラブでマネージャーとして働き、今年から柏レイソルでエキップメントとしてチームをサポートしている。
「勇気をくれた選手たちを支える存在になり、恩返しがしたい」
── サッカーとの関わりを教えてください。
「幼稚園のグラウンドで開かれていたサッカースクールにたまたま参加し、楽しかったのが始めたきっかけです。小学3年生で一度辞めたのですが、高校に入ったタイミングで再開することになりました。一度離れたことで、あらためてサッカーの楽しさに気づけましたね」
──JAPANサッカーカレッジ(JSC)入学の経緯は?
「子どもにサッカーを教える教員になりたいと思い、高校卒業後は大学に進学したのですが、2016年の熊本地震で被災したことが進路の転機となりました。ロアッソ熊本の震災後最初の試合を観戦した際、大変な状況の中で戦うクラブや選手たちに勇気をもらったんです。サッカーを通して街を活気づけることができるクラブという存在がとても大きく感じ、今度は自分が選手たちを支えて恩返しがしたいという思いから大学を2年で辞めJSCへ進路を変更することを決断しました」
── 在学中に得た学びは?
「90分間必死に戦う選手たちをサポートしたいという思いからマネージャーを志し、マネージャー・トレーナー科(2年制)に入りました。座学を通して知識を蓄えて、実習やインターンで現場レベルの技術を身につけていきます。Jリーグなどの最前線で活躍されてきた講師の先生方から実体験を交えた指導を受けられたのは、JSCならではの学びでしたね」
── 現職への経緯は?
「インターンを経て、大分トリニータに就職させていただきました。その後、地元のクラブであり、今の仕事を目指すきっかけにもなったロアッソ熊本からお誘いを頂きました。震災当時に在籍していた選手やスタッフの方がまだ残っていたので、学んできたことを生かして恩返しができる機会を頂けたことがとても嬉しかったですね。そして今年、柏レイソルからオファーを頂きました。マネージャーとしての引き出しを増やし、より多くの学びを吸収したいという思いで移籍を決断、今はエキップメントとして働いています」
── 現職の業務内容や、心掛けていることは?
「用具の管理をメインにチームをサポートしています。練習前に用具や飲料水を準備し、練習後はスパイクの洗浄や翌日の準備を行っています。インターンも含め複数のクラブを見てきたなかで、それぞれのチームの色や方針の違いが見えてくるようになりました。各クラブの違いを学ぶなかでどんな状況にも対応できる力を養っていけると思うので、今はレイソルというチームの色に慣れようと必死に取り組んでいます!」
読者へのメッセージ
本気になれる夢を見つけてほしい
「一番大事なのは“本気度”だと思いますね。僕も震災後にロアッソの試合を見た日から“Jリーグで働きたい”という気持ちを持ち続け、ここまで取り組んできたから今の仕事ができていると思います。まずは本気で“なりたい”と思えるものを見つけてみてください!」
ある1日のスケジュール
7:30 | 出勤・練習準備 |
10:00 | 練習サポート |
12:00 | スパイク洗浄 |
15:00 | 備品の設置 |
17:00 | 退勤 |
写真協力/©KASHIWA REYSOL