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【中央大学商学部で学ぶスポーツ・ビジネス・プログラム】Jクラブが提示するミッションに挑む!

あらゆるテーマで学生がスポーツビジネスを学び、実際に現場で課題解決を目指す中央大学商学部の挑戦を追う連載企画第4回。今回は、Jリーグクラブの水戸ホーリーホックが提示したミッションに学生が挑む「スポーツ・ビジネス・プログラムB2(スポーツ・ビジネス・プロジェクトⅠ/SBPⅠ)」をレポートする。

 
講義は14人の履修者と渡辺岳夫中央大学商学部長が、オンライン会議ツールを使用して参加した水戸ホーリーホックの講師陣が映ったスクリーンを囲むようにして行われた。

J2 水戸ホーリーホックがリアルな課題を提示

 
講座での説明資料はオンラインで共有され、学生はPC、スマートフォンと各々のデバイスを使用していた。

大学生がスポーツビジネスの“リアル”を学び、Jリーグタイトルパートナーの明治安田生命保険相互会社が寄付・協賛する中央大学商学部のスポーツ・ビジネス・プログラム。これまで本誌では、Jリーグクラブより豪華講師陣が登壇する「Jリーグ・ビジネス論」、サッカークラブの試合運営に参画する実習、2021年冬に実施予定のドイツ研修を紹介してきたが、今回の学生の挑戦はJリーグクラブが実際に直面する課題の解決案を提案するというものだ。

今回のプログラムに協力したクラブは、水戸ホーリーホック。1994年に設立し、2000年よりJ2リーグで戦い、悲願の1部昇格を目指している。講義はオンライン会議ツールを通じて行われ、元J リーガーでありクラブのGM兼強化部長を務める西村卓朗氏、経営企画室GM補佐の市原侑介氏が参加した。

 
水戸ホーリーホックの西村卓朗GM兼強化部長が遠隔参加した。

講座では「新しい原風景を、この街に」のブランドプロミスを元に、地域との連携強化を目的とした過去の施策を紹介。選手サイドとビジネスサイドを切り離すクラブが多い中、選手の人間的成長をサポートする「MAKE VALUE PROJECT(メイク・バリュー・プロジェクト)」に代表されるように、両者の距離が近く両輪となって成長を目指すクラブの特徴が説明された。その上で、クラブの規模、年間売上、集客状況といった詳細なデータを開示し、実際に直面するクラブの課題を提示し、学生に3つのソリューションを求めた。「重要なのは競技への愛と、フットワーク、スキルをどう掛け合わせるか。学生のみなさんの柔軟な発想とアイデアを楽しみにしています」と西村GM。中間プレゼンを経て行われる最終プレゼンで、ソリューションが有効と判断されれば実現に向けて動くと言う。

スポーツ・ビジネス・プログラムを統括する渡辺岳夫中央大学商学部長は「ここまで詳細なデータを開示いただけるとは思わなかった」と水戸ホーリーホックの“本気度”に驚きつつ、「それは期待値が高い証拠。マーケティングのフレームワークに沿った上で要望に応えられる提案をしていきたい」と、学生の奮起を促した。

 
身を乗り出して講義を聞く学生たち。ミッションに挑む姿勢は真剣そのものだ。

水戸ホーリーホックからのミッションは3つ!

 

課題案1:集客企画案
水戸ホーリーホックでは今季、コロナ禍において入場制限がある中でも、ギフティングを活用したデジタル施策や、計画が中止となったイベントをスタジアムで開催し、あらゆる集客活動を行ってきた。その上での直近の試合のリアルなチケット購入データなどが共有され、課題解決に向けたアイデアを学生から募る。

 

課題案2:グッズ企画
ユニフォームやアイテムなど、クラブの収益として欠かせないグッズ企画もミッションの一つ。ユニークなコラボ企画や選手が考案したTシャツなどの過去の“ヒット企画”の事例が紹介された。スタジアムでの売り上げはもちろん、クラブとしてオンラインストアの拡充にも取り組む中、魅力的な商品開発につながるような企画を求めた。

 

課題案3:スタジアム構想案
水戸ホーリーホックは、2024年の完成を目指し、水戸市内で民設民営のサッカー専用スタジアム(1万5000人以上収容)の建設を進めている。敷地の一角に教育機関などを併設する案も発表されているが、試合のない日の活用法や、スタジアム内の稼働率を高めるための案を、学生たちは考えていくことになる。

最終プレゼン(ソリューション提案)までの道のりは!?

 

水戸ホーリーホックが直面する課題の詳細なデータも開示され、学生は複数のグループワークを実施し、中間プレゼンでのフィードバックを経て、具体的なソリューションを考案していく。最終プレゼンでの評価では、企画採用の可否も判断される。そこには「学生のわりには」というフィルターはなく、実際にクラブとしてのリアルな評価がなされるという。

大学の視点

 

渡辺岳夫教授(商学部長)
実現の可能性があることは大きなモチベーションになる

「水戸ホーリーホックの西村さん、市原さんは学生のプレゼンがクラブにとって有意義だと判断した場合、実現に向けて動くとおっしゃって下さった。企画実現の可能性があることで、学生のモチベーションも違うと思います。例えば自分が考案したグッズが形になるかもしれないのですから。課題解決にはマーケティングのフレームワークから始め、ノウハウを学び、グループでソリューションを作り上げていきます。その経験は、スポーツビジネスに限らず、すべての社会で必要になることでしょう。ここで得た知識をどのように実践において活用できるのか、学生一人ひとりに考えていってほしいですね」

学生の視点

 

秦野真緒さん(商学部2年生)
Jリーグ・ビジネス論での学びを提案に生かしたい

「高校生の頃から中大でスポーツビジネス講座があることを知っていたので、商学部に入りました。昨年は『Jリーグ・ビジネス論』を受けて、ここでしか聞けないような講義を聞けたので、今回のプレゼンに生かしたいです。特にスタジアム構想の課題に挑戦したいです」

 

高尾昇吾さん(商学部2年生)
貴重な機会だからこそ魅力的な提案をしたい

「僕はサッカーを続けてきたことでここまで成長させてもらったと思っているので、この講義に興味がありました。Jリーグクラブの課題解決の提案をできる貴重な機会ですので、地元の広島でサポーターをしてきた経験を生かして、魅力的な提案ができるように頑張ります」

写真/野口岳彦