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小さな成功の積み重ねが大切! ミスを引きずらないリカバリーメンタリティの持ち方

小さな成功の積み重ねが大切! ミスを引きずらないリカバリーメンタリティの持ち方

元プロサッカー選手で現在はメンタルトレーナーとして活動する山下訓広さんによる連載第31回目。ミスをしてからなかなか復調できない…。そんな誰しもが経験のあるお悩みは、メンタルの持ち方に原因があるのかもしれません。今回のコラムでは“できるだけ早く元の調子に戻すためのメンタルの持ち方”について解説します。

リカバリーメンタリティ

中学2年生のA君からこんなご相談がありました。

A君:「僕はセンターバックをしているのですが、最初のプレーでミスをしてしまうと、落ち込んでしまい、いつものプレーになかなか戻れません。うまくいかないときは試合が終わるまで調子が戻らない感覚でプレーをしてしまいます。試合中にミスがあってもすぐに立ち直れるようにしたいです。どうしたらいいですか?」

どんなにうまい選手でもミスをすることはあります。そのなかで大事なのは、ミスを引きずらずに自分のいつもどおりのプレーにできるだけ早く戻すことです。今回は、ミスが起きた際に心掛けたいリカバリーメンタリティをご紹介します。

まずA君にこんな質問をしてみました。

ミスをしてからいつものプレーに戻れるときと戻れないときの違いは何ですか?

A君:「セットプレーで点を取れたり、得点につながるパスができたときなどはいつもの調子に戻っていく感じがあります。いつもの調子に戻れないときは、なかなか自分が思ったようにプレーができずに、自信がない状態が続いている感覚です。“ミスしないように”と思ってプレーをしているので、いつもの感じとは違うなと思います」

ミスが起きた後はどんなことを考えながらプレーしていますか?

A君:「チームに迷惑をかけたくないので、得点に絡むようないいプレーをして早くミスを取り返そうと思っています。でも、それ以上にミスが気になってしまって、なかなか取り返せないことが多いですね」

大きな一つの成功よりも、小さな成功の積み重ねが大切

このとき、A君の思考には“チームに迷惑をかけたくない”という罪悪感があります。そしてこれ以上迷惑をかけないように、早くチームに貢献することで自分の調子も取り戻したいという思考が働いているようでした。そうすると、自然と“得点に絡むようなプレーをしないといけない”というように自分の目標が上がっていることが分かりました。

ミスをすることで焦りや罪悪感が出てくると“早くミスを取り返したい”という思考が働くことがあります。そうすると目標のハードルが高くなるため、なかなか越えられずにその試合中は常に否定感を味わいながらプレーをしてしまうことになってしまいます。

ですがリカバリーメンタリティの観点から考えると、大きな成功で一気にメンタルの回復を試みるよりも、小さな成功を積み重ねることでメンタルを回復していったほうが安定したメンタルの復調が望めます。

そこでA君に、ミスをしてしまった状態でも成功できそうなプレーを考えてもらいました。

A君:「ミスをした後はボールを受けることにも少し恐怖心があるので、まずはシンプルにフォワードの裏にロングボールを入れられたらいいと思います。状況によっては、相手がいなければサイドバックに横パス、難しければバックパスも含め、ボールを失わない選択ができれば自分としては合格ですね」

そこまで頭を整理してもらいメンタルトレーニングを終えました。その後、話を聞いてみるとこんなふうに話してくれました。

A君:「ミスの後にいつもの調子に戻れないことがなくなりました! ミスをしたときこそ自分のできるプレーをコツコツとこなしていくことで、いい状態でプレーできているなと感じます

誰しもミスをすることはあります。なかなか切り替えられず元の調子に戻れない場合は、このように小さな成功を積み重ねていくことを考えてみましょう。大きな成功を目指し、それが達成できないことで否定感を味わいながらプレーを進めていくと、いつもの調子に戻りづらい場面が出てきます。そんなときは小さな成功を重ね、自分に肯定感を持たせられると、よりいつもどおりの自分のプレーに戻りやすくなります。

お子さんがお困りのときは、小さな成功のハードルをお子さん自身で見つけられるお手伝いをしてあげてみてください。

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WRITER PROFILE

山下訓広

1986年5月29日、千葉出身
流通経済大学付属柏高等学校、流通経済大学卒業後、J2 ロアッソ熊本に入団。
ロアッソ熊本退団後、シンガポール、ミャンマー、インドネシアと東南アジアでプロサッカー選手として活躍し11年間のプロ生活を経て、現在は株式会社43Labに所属しメンタルトレーナーとしてトップアスリート、ビジネスマン、ジュニアアスリートに向けたメンタルトレーニングを行っている。

★株式会社43Lab HPInstagramFacebookTwitter

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