夢を叶えた先輩に聞く!トレーナーという生き方。(金内祐介 東京ヴェルディ)
サッカーを仕事にする事は、プロサッカー選手になる以外にもたくさんある。
今回、紹介するのは東京ヴェルディでトレーナーを務める金内さんです。働きながら資格取得のための勉強に励み、トレーナーとしてスポーツに携わるという夢を叶えた金内さんが日々心掛けていることとは?
Q1 サッカー歴は?
高校で選手を引退、裏方を目指す
「小学生から高校生まで部活でプレーしていました。進路に悩んでいた高校の頃に怪我で選手を引退し、友人の『怪我をしている人の気持ちが分かるから向いているんじゃない?』という一言から、トレーナーなどの裏方の仕事に興味を持ちました」
Q2 高校卒業後の経緯は?
接骨院勤務と並行してTSRへ
「大学で鍼灸師の資格を取り、接骨院で働いていました。怪我をした人の力になれる仕事にやりがいを感じていましたが、TVでサッカーの試合を見たときなどにスポーツに関わる仕事がしたいとあらためて思い、アスレティックトレーナー(AT)の資格を取るために東京スポーツ・レクリエーション専門学校(TSR)のアスレティックトレーナー養成科(当時夜間部・2年制)に進学を決めました」
Q3 TSRで得られたことは?
教科書では学べないマインド
「実習では、いろんなスポーツの現場で実践的な技術を学び、座学では第一線で働かれている講師の方からトレーナーとしてのマインドを教えていただくことができました。そういったところは教科書だけでは学べないところだと思いますし、働くうえで常に心掛けていることです。日中は仕事をして夕方に学校へ行き、帰宅してから勉強という多忙な生活でしたが、資格を一回で取ることができました」
Q4 現職への経緯は?
縁や繋がりを大切にJリーグへ
「卒業後、講師の後関慎司先生(ロンドン五輪サッカー日本代表など第一線でトレーナーとして活躍)からお話を頂き、オーストリアのSVホルンにインターンとして行くことになりました。半年間、欧州のトレーナーの技術を学び、帰国してからはトレーナー企業でさまざまな経験を積み、ご縁があった横浜FCからお誘いを頂きました。そこから数クラブを経て昨年から東京ヴェルディで働かせていただいています。TSRにはいろんなネットワークを持った先生がいらっしゃいます。スポーツトレーナーの世界ではそういったご縁を大事にしていくことが必要だと感じました」
Q5 現在の業務内容は?
怪我のリスク低減のためのケア
「練習前のケアやストレッチの補助、練習中は怪我がないかモニタリングし、練習後のケアなどを行っています。私は『怪我をした選手を早く復帰させる』ということよりも『選手が怪我をしないように、どのようにリスクを減らすか』ということが大事だと思っています。そのために練習や試合中にどこかを気にしているような仕草をしていないか、会話の中で普段と違う様子がないかなど、選手の些細な変化を見逃さないように意識していますね」
Q6 TSRの学びが今に活きていること
実践経験で得たことを現場で実感
「さまざまなスポーツの現場で、トップレベルのサポートを間近で見させていただいたことが役に立っていると思います。スポーツだけでなく、治療院やトレーナー企業で働いたことがあるからこそ『そういえばこの症状は、以前こういうふうに対処したな』というように、どこかで経験したことが後々に活きてるということはありますね」
Q7 喜びを感じた出来事は?
怪我人が出ずにチームが勝ったとき
「チームの勝利はもちろん、怪我人が出ず、選手が笑顔で帰ってきてくれたときが一番嬉しいですね。そのためできるだけ事前に怪我のリスクを減らせるよう、選手の様子をよく見て日頃からコミュニケーションを取り、本音で話してくれるような信頼関係を築くことを心掛けています」
Q8 高校生へ伝えたいこと
人との繋がりが自分の世界を広げる
「『何がやりたい』という目標を持っていなかったのですが、ある日突然友人の言葉で進みたい方向性がパッと定まりました。先生や友人などいろいろな人と話して刺激を受けていくと、世界が広がって選択肢が増えていくと思います。将来仕事をしていくうえでさまざまな縁を持つということが重要だと思うので、まずは後悔しないように高校生活や部活を楽しんで、いろいろな人と関わるようにしてみてください」
ある一日のスケジュール
7:30 | 出勤/選手ケア対応 |
10:00 | チームMTG/練習サポート |
12:30 | 練習後選手ケア |
16:00 | メディカルMTG/事務作業 |
17:00 | 帰宅 |
写真協力/東京ヴェルディ