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武南高校【全国強豪校REPORT〜全国高校総体 北海道2023特集〜】

武南高校【全国強豪校REPORT〜全国高校総体 北海道2023特集〜】

高校サッカーの夏、いつもの景色が戻ってきた。無観客、応援制限が解除された全国高校総体予選では、全国各地で大声援が選手たちを後押しし、熱狂の中、数々のドラマが生まれている。今回は武南高校を紹介。

9大会ぶりの全国の舞台。勝負の冬を見据えつつ上位狙う

武南高校

埼玉県/私立
[主な成績]●インターハイ(21 回出場/最高位=準優勝〈2012年〉)
●選手権(14 回出場/ 最高位= 優勝〈1981年度〉

チーム紹介

今季は激戦区・埼玉で3冠を達成

古豪復活へ。名門・武南が9大会ぶりの夏の全国に臨む。インターハイ21回、選手権14回の出場はともに県内で最多。名将・大山照人前監督のもと、攻撃的なサッカーを展開し、1981年の選手権では韮崎を下し、初の日本一に。2012年にはインターハイ準優勝を果たしている。

2019 年からはOBの内野慎一郎監督が指揮を執る。5年目となった今季は新人戦で内野監督体制2冠目を獲得すると、関東大会予選も連勝。プレミアEASTに所属する前年全国3位の昌平、プリンス関東2部の西武台なども参戦したインターハイ予選を制し、県内3冠目を達成した。本番は2006年以来の出場を目指す選手権だが、そこに向けて大きな成長を遂げる夏にするべく、上位進出を目指す。

チームスタイル

現代版「クリーンサッカー」で多彩な攻撃パターンを演出

 

武南高校の伝統として受け継がれる、ファールをほとんどせず、流れるようなパスワークで崩していくスタイルは「クリーンサッカー」とも表現された。そこからサッカー自体も変化を遂げていっている中で、伝統のパスサッカーを継承しつつ、そこに今年のチームの色であるドリブルとの使い分けなど、「判断」の部分をフォーカス。県決勝ではサイドがアイソレーションする形を取りながら相手を中に絞らせず、そのエリアに2列目の選手が飛び込む形で堅守・浦和南を攻略した。

KEY PLAYER 松原史季(3年/MF)

観客を魅了するエンターテイナー

浦和JY時代は全国3位。武南では1年次から名門の「10」を背負い、年代別代表にも選出された。指揮官も「エンターテイナー」と評するように、観客を魅了するアイデア溢れるプレーが持ち味。「見ている人に「松原、面白いな」と思ってもらえるようなサッカーを体現したい」。

郡司璃来

TOPICS 01

伝統を感じながら新たな歴史を

選手たちはその歴史に、ユニフォームに誇りと伝統を感じながらも新たな歴史を作りたいと意気込む。松原は「昔強かったじゃなくて、いまの強い武南を全国で見せたい」と力を込める。

TOPICS 02

全面人工芝の新拠点が完成

今年2月にクレーだった越谷第2グラウンドを全面人工芝に大改修。これまで学校に隣接する半面の人工芝ピッチで技を磨いていたが、より公式戦に近い形で練習が行えるようになった。

TOPICS 03

新しい血を入れつつ活性化

昨年は春先以降にメンバーを固定化していたが、今年は新チームスタート時から「競争」を求め、新しい血を入れつつ活性化。選手交代によってバリエーションを加えられるのも今年の強み。

PICK UP PLAYERS

前島拓実(3年/GK)

前島拓実

溢れるばかりの熱いハートを持った守護神は攻撃的な守備や声でチームに勇気を与える。今季は主将となり、応援してくれる人たちの存在を実感。「全国でも感謝の気持ちを忘れずに勝ちたい」。

小金井遥斗(3年/DF)

小金井遥斗

身長は175cmほどと決して大きくはないが、跳躍力を生かしたヘディングは「どんなボールも負けない」と話すエアファイター。ビルドアップやセットプレー時に見せる元FWらしい得点力も魅力。

取材・文・写真/石黒 登