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コロナ前後でどう変わった? ジュニア時代最後の大イベント『卒団式』を振り返る

コロナ前後でどう変わった? ジュニア時代最後の大イベント『卒団式』を振り返る

いよいよ来月は卒団式シーズンですね! 現在、卒団式準備の大詰めを迎え、バタバタしているサカママも多いのではないでしょうか。

今回は、私が長男のクラブで見てきた卒団式の体験談をお届けします。まだコロナ前だった低学年の時と、コロナ以後の6年生の時とで、卒団式はかなり様変わりをしたと感じているので、それぞれの特徴についてもまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです。

1年生から参加できた卒団式

私が初めて卒団式に参加したのは、長男が小学1年生の時です。コロナ前で、全学年が一堂に集まる大規模な卒団式が行われていた頃でした。

そもそも、卒団式なるものがあると知ったのは1月末くらいだったと思います。上級生の役員ママから卒団式に向けてある指令が下され、初めて式の存在を知りました。その指令とは、「3月の卒団式に持ってくる料理の担当を、各学年の親で分担して決めるように」という内容です。

(え? 料理?! 担当ってどういうこと?? 卒団式って何?)
頭の中がはてなマークいっぱいの状態で、1年生の学年代表のママから詳しい説明を受けました。毎年3月に行われる卒団式では、全学年のママたちがそれぞれ担当を決めて料理を持ち寄ることになっているそうで、担当の内訳は下記の通りでした。

①肉料理担当 ②主食担当 ③麺類担当 ④サラダ担当 ⑤デザート担当
正直想像ができず訳がわからなかったのですが、手の込んだ料理が苦手な私は、悩んだ結果一番簡単そうなデザート担当にしてもらいました。フルーツをカットして持っていくだけでもOKだと言われたからです。(それなら私でもできるかな) そう思って、未知なる卒団式を迎えることになりました。

コロナ前の卒団式は大規模&盛大でにぎやか!

卒団式当日の大まかな流れは、午前中が全学年揃ってグラウンドでの交流試合、午後は学校のランチルームをお借りしての食事会&卒団式でした。

午前中の試合では、6年生が各学年と対決するので相当ヘロヘロになります。ですが、1年生対6年生の時は、6年生にわらわらと群がる1年生たちがとてもかわいくて盛り上がります。そして、最後はコーチ&保護者対6年生の試合です。ここはお互いに本気モードで見ごたえのある試合になり、これもまた盛り上がります。

試合が終わると、午後からはランチルームに集まっての食事&卒団式に移ります。私はデザート担当として、フルーツカットを持っていきました。料理というよりはもはや工作でしたが(笑)、子どもたちが喜んでくれればという気持ちでがんばりました。

 

ランチルームに行ったらビックリ! 各学年のママたちが1人1品ずつ持ってきているので、それはまぁ豪勢に料理が並んでいました。料理が得意な人は腕を振るい、料理が苦手な人は市販のものでOKということで、思っていたよりラフな感じでした。こんなに大量のごちそうが並ぶ光景はなかなか見ないでしょうから、子どもたちは大はしゃぎ。子どもたちの記憶に残る最高の宴だろうなと思いました。

ご飯の後は、卒団式のセレモニーが粛々と進行されます。6年生からの手紙や、6年生ママたちの想いがこもった話が聞けて、自分もいつかこんな風に子どもを卒団させてあげたいと、遠目に見ながらそうほっこりしました。それと同時に、全学年の子どもたち、親たち、兄弟たちがいるカオスの中でも、式の司会進行など、全てを完璧に取り仕切る先輩サカママたちを見て、(え、数年後、これを自分たちの学年が仕切るの?)そう思ったら、途端に恐ろしくなったことは今でも忘れられません(苦笑)。

コロナ後の卒団式は濃密&厳粛な感動空間!

卒団式が一変したのは2020年、長男が中学年の頃に発生したコロナの大流行によって、全学年の大規模な卒団式は残念ながら消滅してしまいました。寂しいやらホッとしたやら、複雑な気持ちでした。ただ、子どもたちにとって大事なセレモニーですから、どんな状況下でも工夫をして、5・6年生だけで行われるようになりました。

長男が主役の6年生になった時、コロナはほぼ終息していましたが、コロナを経たことで短縮・簡略化した部分はそのまま、新しい形の卒団式ができ上がっていました。参加者は、5・6年生と6年生の保護者、卒団式担当の5年生の保護者、監督・コーチ陣だけです。

 

場所は変わらずランチルームですが、みんなで食事する時間は無く式だけを取り行いました。その分、式の演出・装飾・式で流れる映像などが、昔よりもかなり手の込んだものになっている印象でした。今までのように食事会からの流れでそのまま卒団式が始まるのではなく、音響係が音楽をかけ、6年生の入場から式がスタートするなど、セレモニーとしての構成がよりきっちり作りこまれていました。

高学年のみの厳かで落ち着いた雰囲気の中、過去の映像を振り返る時間もたっぷりあり、これまでの子どもたちの歩みがふつふつとよみがえりました。途中で涙ぐむ6年生もいて、ママたちもみんなウルウルと感動の涙でした。私も長男からの感謝の言葉や、保護者代表のママの挨拶で、思わず涙が溢れました。昔のワイワイにぎやかな卒団式とは違って、しっとりと思い出に浸るような、そんな卒団式でした。

私たち親子にとって忘れられないセレモニーとなり、準備をしてくれた5年生のママたちには本当に感謝しかありません。ちなみに余談ですが、当時5年生のママたちは、6年生になったら自分たちで卒団式を仕切りたいと、毎年5年生が卒団式を担当する、という伝統を翌年から変えたそうです。2年連続卒団式を準備するというのは大変な判断だったと思いますが、これまでの伝統やルールを変える勇気は素晴らしいなと思います。

大規模? 小規模? それぞれのメリット・デメリット

コロナ前とコロナ後の卒団式の経験を振り返り、それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。

大規模の場合

大規模のメリット

  • 全学年のママたちと顔見知りになれる
  • 子ども同士縦の関係が生まれてクラブ全体に一体感が生まれる
  • 親子で低学年の頃から卒団式のイメージができるので、高学年になってから慌てない
  • とにかくわいわい楽しく、子どもたちの笑顔がたくさん見られる!

大規模のデメリット

  • 当日現場を仕切るのが大変
  • 他学年の親も巻き込んで役割が多数発生する可能性がある
  • 厳かな雰囲気は出しにくい
  • 人数によって集まる場所や予算の問題が発生するかもしれない

小規模の場合

小規模のメリット

  • セレモニーに集中できる
  • セレモニー自体が多少長くなっても、高学年だけなので騒がず集中できる
  • 他学年の親の力を借りずに5,6年の親で完結できる
  • とにかく感動に浸れる!

小規模のデメリット

  • 先輩たちのこれまでの軌跡や功績を、低学年の子たちに見せられない
  • 低学年の親たちにとっては、卒団式というものが謎のままになってしまう
  • 式を盛り上げるため装飾や演出にクオリティを求められ、担当者の準備が大変

卒団生の人数や、手伝える親の数、監督・コーチの意向など、さまざまな条件を踏まえた上で、どのくらいの規模感で卒団式をやるのか柔軟に決定できると良いのだろうと思いました。

子どもの成長をみんなで喜び合う貴重な空間

 

ジュニア時代に終わりを告げる卒団式は、子どもたちにとってもママたちにとっても一区切りを感じる大事なセレモニーだと、今回振り返ってみてあらためて思いました。卒団式を取り仕切る立場になったママは準備が大変かもしれませんが、お子さんの門出をママたちの手作りで祝えるイベントというのは、卒団式が最後なのかもしれません。

ジュニアユースに上がれば、親の出番はまったくと言っていいほど無くなります。子どもたちの成長をみんなで祝おう、子どもたちを笑顔にしようと、その目的に向かって準備も楽しめたらいいですよね。そして卒団式当日は、みんなで子どもたちの成長を喜び合うと共に、ここまで子どもをサポートしてきたママ自身のことも、「私、本当によく頑張ったよね」と褒めてあげてほしいです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※写真の掲載を承諾してくださったママたち、ありがとうございました!

WRITER PROFILE

まりこ
まりこ

臨床心理士/公認心理師/食育指導士
13歳と9歳のサッカー兄弟のサカママ。サカママ歴12年。
長男はおっとりマイペースに地域の街クラブでサッカーを楽しみ、次男は強烈な負けず嫌いを活かし強豪クラブで切磋琢磨。心理の専門知識が役立った経験を踏まえ、実体験や失敗も絡めながら情報を発信していきたいと思います。