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プロ1年生に聞きました!ルーキーズによる「はじめてのJリーグ」意識調査

小・中・高でも“カテゴリーの壁”は存在する。どの世界でも“1年生プレーヤー”は、そのレベルの違いに戸惑い、焦り、立ち止まりながらも、成長期という助走期間を経て、チームをけん引する上級生プレーヤーとなっていく。しかし、結果が最優先に求められるプロの世界は、早期の順応が求められる厳しい世界。日本最高峰リーグのレベルを肌で感じ、ルーキーズが感じた「現在地」と課題とは!?

そこで高体連出身のプロ1年目の選手にアンケートを実施!そこにはJリーグで未来を切り拓こうとする、彼らの“リアル”が見えてきた。

アンケート項目
Q1:プロの練習(試合)に参加し、改善すべきと感じたことは?
Q2:プロになって取り組んでいることは?
Q3:高校生のうちにやっておいてよかったことは?
Q4:高校生部活プレーヤーにメッセージ!

先輩プレーヤーが感じた「現在地」とは?ルーキーズのアンケート回答をピックアップ!

 
©S-PULSE

MF 川谷凪(静岡学園 ➡ 清水エスパルス)
2003年7月6日生まれ。切れ味するどいドリブラーで、縦への突破力が魅力。DFの背後をつく動き出してフィニッシュ力にも長けている。

Q1:技術面、体力面(スタミナ)、フィジカル強化

Q2:練習前に体幹とストレッチを行い、週に何回かは練習後に筋トレを行っています。今はまだ当たり負けして100%相手のボールになってしまい、球際に行っていないので、フィジカル強化に努めてます。

Q3:技術練習です。今でもプロの中で下手なのに、高校時代はもっと酷かったからです。高校時代に練習していなかったら今の倍以上は苦しんでいたと思います。

Q4:サッカー要素のすべてを基本までこなしていくことです。そのうえで武器を一つ持っておくことが大事です。


 
©JUBILO IWATA

MF 古川陽介(静岡学園 ➡ ジュビロ磐田)
2003年7月16日生まれ。滑らかなボールタッチと変幻自在のドリブルで相手を抜き去る。縦からのクロス、カットインからのシュートが魅力の技巧派ウインガー。

Q1:体力面(スタミナ)、フィジカル強化、セルフケア(ケガ予防)、栄養面(食事・サプリメント)

Q2:スピードやカラダ一つひとつのレベルが違うので体幹(当たったとき、体がブレなくなる)や筋力アップ、動作トレーニング(スピードアップのときに加速できる)に取り組んでいます。

Q3:技術、ドリブルに励み自分の武器がハッキリしていることです。プロの中でも特徴を出せれば勝負できるし、認めてもらえます。

Q4:自分の武器を見つけてひたすら磨く!


 
©SHONAN BELLMARE

FW 鈴木章斗(阪南大高 ➡ 湘南ベルマーレ)
2003年7月30日生まれ。柔らかいボールタッチに加え、豪快なシュートも魅力の柔剛併せ持つ万能型ストライカー。多彩な攻撃パターンをプロの舞台でさらに増やせるか。

Q1:技術面、フィジカル強化、睡眠

Q2:週2回の筋トレに取り組んでいます。ペンチプレスや懸垂、チューブトレーニング、スクワットなどをしています。少しずつですが、当たり負けしないカラダになってきています。

Q3:パス、トラップの質を意識して練習してきてよかったと思います。技術というものはそう簡単に成長しないし、技術があればボールを失わずにいられるからです。

Q4:パス練習やシュート練習、そしてちょっとした練習でも、誰よりも意識して行うことで必ず成果は出ます。練習を無駄にしないように頑張りましょう。


 
©SHONAN BELLMARE

MF 鈴木淳之介(帝京大可児 ➡ 湘南ベルマーレ)
2003年7月12日生まれ。守って良し、攻めて良し、捌いて良しの万能型ボランチ。ゲームメイク能力に優れ、空中戦も得意としている。

Q1:技術面、体力面(スタミナ)

Q2:スプリント力アップ、ダイレクトパスなど日頃の練習から全力で取り組むことです。

Q3:止める蹴る、ドリブルなどのボールタッチ技術をたくさん練習してきたこと。おかげで試合でも自信を持ってプレーをすることができているからです。

Q4:たくさんボールを蹴って、走り込みをしておきましょう!


 
©SHONAN BELLMARE

DF 松村晟怜(帝京長岡 ➡ 湘南ベルマーレ)
2003年12月3日生まれ。エアバトルにも優れ、安定した守備が光るセンターバック。正確なロングフィードで後方から高い配球率を誇る。

Q1:フィジカル強化

Q2:練習後の筋トレです。1対1の対応であったり当たり負けをすることがプロになってから多くなったからです。やっていくうちにカラダの使い方によって、相手より一歩先に出られることが多くなりました。

Q3:キックの練習です。キックが武器でプロでも通用するように練習してきました。自主練では相手を想定して、プレスが早い中でも蹴れるような練習をしていました。

Q4:カラダを作ることです。やっぱりどのポジションにおいてもカラダは強い方がいいし、プロではそれが当たり前になってくるからです。


 
©FCMZ

GK バーンズ アントン(大成 ➡ FC町田ゼルビア)
2003年10月1日生まれ。アメリカ人の父と日本人の母を持つ187cmの長身GK。抜群の反応力とコーチングで存在感を発揮する。コツコツと評価を上げてきた努力家。

Q1:技術面、フィジカル強化

Q2:止めて蹴るの練習です。ビルドアップで苦労しているので取り組んでいます。徐々に止めたいところに止められるようになってきています。

Q3:速いシュートを練習で何度も受けてきたことです。おかげでシュートスピードに慣れ、対応できるようになりました。

Q4:しっかりトレーニングしていい食事をとる!!


 
©ALBIREX NIIGATA

MF 吉田陣平(佐賀東 ➡ アルビレックス新潟)
2003年5月6日生まれ。キレのあるドリブルと正確なロングフィードを武器に3列目からコントロールできる頭脳派。

Q1:技術面、フィジカル強化、セルフケア(ケガ予防)Q2:高い練習強度によりケガが多くなったので、練習後・風呂上りのストレッチでケガ予防に励んでいます。

Q3:ドリブルです。ボールを持った時にプロの環境でも相手をはがすことができています。

Q4:誰にも負けないような強い意志を持つ!!


 
©FAGIANO OKAYAMA

MF 佐野航大(米子北 ➡ ファジアーノ岡山)
2003年9月25日生まれ。パスセンス、巧みなドリブル、驚異的な運動量で中盤の要として存在感を発揮。ボール奪取能力にも長けた献身的なプレーも魅力で、攻守での貢献が光る。

Q1:技術面、体力面(スタミナ)、フィジカル強化

Q2:プロでは当たり負けしたりスピード感に付いて行けなかったりするので、体幹トレーニング、筋力トレーニングに励んでいます。

Q3:ラントレーニングで妥協しなかったことです。プロサッカー選手の1試合の走行距離が12kmを超えるとよく走ったと評価される中、僕は13kmを超えることができたからです。

Q4:1日1日のトレーニングを100%で取り組む!

PICK UP
プロの練習(試合)に参加し、改善すべきと感じたことは?

 

全体の3割を占め、最も多かったのが「フィジカル」の差だった。「当たり負けして相手ボールになる」「球際に行けない」「スピードのレベルがひとつ違う」と、体格面での差を痛感している選手が多いことがわかった。そのためトレーナー指導の下、筋トレや専用のメニューに励んでいる選手が多く、プロ入り数カ月で数㎏の増量に成功している選手もいる。それに伴い、栄養· 食事の見直し(14%)やストレッチなどのセルフケア(11%)などコンディショニングを重要視するようになった傾向が伺える。

PICK UP
高校生のうちにやっておいてよかったことは?

 

1位は止める蹴るのパス練習、2位のドリブル練習、3位のシュート練習と基礎の技術練習が63%を占めた。「技術は簡単に成長しない」「高校で怠っていたら今もっと苦しんでいた」「自分の武器を磨くことができた」と、学生時代に築いたベースがプロの今を支えていると実感している選手が多いようだ。反面、食事などの栄養面、カラダづくりは総じてポイントが低く、高校で取り組んでこなかったが故に「プロでの課題」の上位を占める証左となっている。また、プロの夢を叶えた選手たちは「人間力」(6位)も養ってきたことを強調しておきたい。

プロで取り組み始めたこと1位は「筋トレ」

食事の変更やストレッチ、動作トレーニングなど各々が改善策としての取り組みを挙げている中、1位は断トツで筋トレ。高校時代はトレーニングの優先 順位が高くなかったが、ベンチプレスやチューブトレーニングを取り入れている選手が多く、当たり負けしないカラダづくりに励んでいることがわかる。