メインコンテンツに移動

サッカー日本代表の田中碧選手が出演したオンラインイベントの模様をレポート!

昨年秋に実施した第4回サカママオンラインフェスタ。ドイツからサッカー日本代表の田中碧選手に生出演していただき、夢をかなえるために大切なことについて語ってもらいました。ここでは、どうやって壁を乗り越えてきたか、サッカーと勉強の両立についてなどをお届けします。

 
田中選手がドイツから生出演。現地時間はなんと朝9時!

小学3年生の時に川崎フロンターレの下部組織へ

-日本代表としても活躍されている田中選手。まずは、カタール・ワールドカップアジア最終予選のオーストラリア戦。代表初ゴールは、振り返ってみてどうですか?

「今まで経験した試合の中でも、一番、期待感と緊張感を感じていました。勝たなければいけない責任のある中で、僕が点を決めて勝てたことは嬉しかったですし、充実した1試合でした」

-そもそも、田中選手がサッカーと出会ったのはいつ頃ですか?

「運動が盛んな幼稚園に通っていて、いろんなスポーツを経験する中で、サッカーを好きになっていきました。小学生になると休み時間や放課後など常にサッカーをしていた記憶があります。地元の少年団に入っていた頃は、ポジションはずっとフォワード。毎試合点を取っていたこともあって、子どもの頃のほうが点を取った時の嬉しかった思い出が多い気がします。ただ、ボールがきたら自分でゴールを決めようと、ドリブルしてシュートするようなタイプだったので、今とは全く違いますよね(笑)」

-川崎フロンターレの下部組織(以下、フロンターレ)にはいつ入ったのですか?

「小学3年生の時です。フロンターレに入ってみて初めて、自分より上手い選手がこんなにもいるんだということを実感しました。だから、それまで少年団ではできていたプレーができなくなったりしましたね」

-そんな中、どうやって壁を乗り越えていったんですか?

「フロンターレでは、どの年代でも1番になることができなくて、いつも上に選手がいたんです。そういう選手たちに追いつくために、毎日、自主練をしていました。1人で公園でドリブルしたり、ボールを蹴って跳ね返ってきたら止める練習をしたり。目指すべき場所、選手がいたからこそ『自分はまだまだ なんだ』『もっともっとやらなければいけない』と思ってましたし、それは今でも変わらないですね」

トップチームの選手たちとプレーしたいという思いを胸に

-小学生の頃からプロになる夢を描いていました?

「フロンターレに入って、プロサッカー選手という仕事があること、プロになれることを知ったので、それからは漠然と思うようになりました。トップチームの選手たちと一緒にプレーしたいという思いを持ちながら、常にサッカーをやってましたね」

-プロになるという夢がかなった時の気持ち、覚えてますか?

「小さい頃からの夢だったので、嬉しかったですね。ただ、プロの厳しさを少なからず感じつつあったので、嬉しさ、楽しみはありながらも『大丈夫だろうか』という不安もあって。2つの感情を持ちながらプロになった感じです。いざ、トップチームに入ると、想定はしていたものの、レベルの違いを感じました」

-ルーキーの時は出場機会がなかったものの、Jリーグデビュー戦で初ゴールでしたよね。

「途中交代だったこともあって、何か爪痕を残さないといけないという強い思いがありました。結果、点を決めることができて、その後のいいきっかけにもなりましたね」

-プロになった今、調子がなかなかでない時は、どんなことを意識されていますか?

「辛い時や苦しい時、上手くいかないこと、やる気がでない時もあるんですけど、なんやかんや言ってもサッカーが好きなんです。サッカーを楽しめるようにするにはどうしたらいいかを考えた時に、やっぱり試合に出て、いいプレーをしている時が一番楽しいんですよね。だから、その姿を常に目指し、どう成長できるかを考えながら、コツコツと努力するようにしています」

ドイツで活躍することが目標。焦らず、自分らしく成長していきたい

-サッカーと勉強の両立はできていました?

「勉強はすごく好きだったわけではないですけど、テスト勉強もしっかりしていましたし、それなりにできたほうだと思ってます(笑)。ただ、海外では、3~4カ国語話せる人たちが普通にいて、それを目の当たりにすると、もっと語学の勉強をしておけばよかったと感じます。色々な言語を勉強するのは面白いですし、語学は、やればやるだけ伸びますからね。旅行に行った時も、自分の言葉で話すのと翻訳機を使うのでは違うだろうし、話せるとより楽しく過ごせるんじゃないかと思います」

-今年の6月にドイツのフォルトゥナ・デュッセルドルフに移籍されました。海外でプレーすることは、いつ頃から考えてました?

「本当に行きたいと思ったのは2019年の夏頃からです。トゥーロン国際大会にU-22日本代表として出場したことが一番大きかったですね。違う国の選手とプレーすることで、もっと成長できるんだと痛感して。それから中学の英語の文法書を買って、改めて英語の勉強を始めました」

-ドイツでの生活は慣れました?

「まだ、慣れてはないですね(苦笑)。色々大変なことはあるんですけど、サッカーのために来ているので、適応しないといけないと感じています」

-チームメイトとのコミュニケーションはドイツ語ですか?

「英語でやりとりをしています。ドイツ語はまだ話せないのですが、サッカーのことは、なんとなく言ってることはわかるので。日本でしていたような世間話はできてないんですけど、そこにストレスは感じてないです」

-今後の夢を教えてください。

「ここ(ドイツ)で活躍することが目標ではあるので、焦らずに、自分らしく成長していければと思っています。海外に来て改めて、応援してくれている方がたくさんいることも実感していますし、だからこそ、ピッチで活躍しなければいけないと思っています。また、ワールドカップで勝つために、そこでいいプレーをするために、海外に来ている部分もあるので、両方をリンクさせながら成長していければと思います」

-最後にサッカーを頑張っている子どもたちにメッセージを。

「勉強は必要なことだと思うので、勉強とサッカーを自分らしく両立してほしいと思います。必ず将来、自分の力になるはずです。僕自身、今、ドイツでサッカーをする中で、苦しんだり、納得のいくプレーができてないこともあります。でも、こういう経験も自分の中では必要なんじゃないかと。もともと飛び切り優れた選手ではないので、ここからしっかりと成長して、日本代表や自分のチームで活躍できるように頑張ります。これから苦しいことや壁にぶちあたることもあると思いますけど、自分に負けず精一杯頑張って、お互いに成長しあいましょう」

教えて!田中選手

オンラインフェスタでは、直接、田中選手に質問できるコーナーも実施。子どもたちからの質問に、丁寧に答えてくれました。

 

Q.試合中、一番意識していることは?

A.「サッカーを楽しむこと」が一番大事だと思っているので、その気持ちを常に持っています。楽しくないと思う時は、いいプレーができてない時でもあるんですよね。常に心の底からサッカーを楽しむようにしています。

Q.ゴールを狙う時、緊張しませんか?

A.緊張しますし、外したらどうしようとも考えます(笑)。でも、いかに自信を持ってシュートを打てるかが大事かなと。入ると思って蹴ったほうが確率は高いだろうし、たとえ決まらなくても、気持ちは切り替えやすいと思います。

Q.ロングシュートが上手くなるコツは?

A.ロングシュートは難しいので練習の積み重ねが何よりも大事。例えば、毎日10本練習を続けたら、1ヵ月で300本程になりますよね。そうやって小さい積み重ねをしていければ、いつのまにか上手くなっていくものです。