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その反省会、本当に必要ですか?【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

サカママ読者の皆さま、こんにちは! 大槻です。
緊急事態宣言が解除となり、少しずつ日常が戻ってきていることと思います。長い間続いていた無観客試合も緩和されつつあり、保護者の皆さまにとっても楽しみが戻ってきたのではないでしょうか。

さて、長く続いた無観客試合によって、一つこれまで以上に不安になっていたことがあります。それは、子ども達の『試合後の反省会問題』です。子ども達の様子が見えない時間が続いたことで、保護者の皆さまの不安が更に膨らんでしまったのではないか?と感じたのです。
そこで今回は、無観客試合の良し悪しを振り返りつつ、試合映像を使った振り返りのポイントを整理していきたいと思います。

無観客試合の良かったこと、悪かったこと

無観客試合によって、スポーツ界の経済的な損失はもちろんですが、観る側にとっては同じ空間で共に勝利を喜んだり、敗戦を悔やむような想いを共有することが難しくなりました。さらに選手にとっては、声援をエネルギーに変えてプレーすることが出来なくなり、多少なりともパフォーマンスにも影響していたと思います。これらは全て無観客試合のネガティブな部分です。
一方で、無観客試合はネガティブな影響ばかりではなかったのも事実です。無観客試合によってスポーツ観戦の新しい形が生まれ、これまでに考えもしなかった方法でスポーツを楽しめる機会が増えてきました。

子どもの試合を直接見られない不安

 

育成年代においてはどうでしょうか? 無観客試合を受けて、保護者向けに試合動画を配信するなどの取り組みを始めたところも多かったように思います。クラブとして新しいサービスに繋がったことも多くあると思いますが、この動画配信については、子ども達にとってマイナスに働いている部分はないかな?との心配もありました。
というのも、以前から試合の様子を子ども達と一緒に見て反省会をするご家庭があることは聞いていましたが、無観客試合により子ども達の様子を直接見られないことで募る不安が、悪い方向に向かっていかないか?と思ったのです。

もちろん、子ども達と一緒に試合の映像を見ること自体が悪いことだとは思いません。問題の多くは、ミスへの指摘が続くことや、良くないところだけを取り上げるばかりなってしまうことにあります。あからさまなミスや反省点については、子ども達自身が自覚していることが多いですし、指導者側からの指導もあるかと思います。家庭に帰ってまでミスや反省点についての指摘が続くようなことがあれば、サッカーに対して臆病になってしまうでしょう。最悪の場合は、サッカーを嫌いになってしまうこともあるかもしれません。

子ども達のプレーの良し悪しだけでなく、心身の成長や自己肯定感を高めていく為にも、試合映像をどのように使っていくかは大きなポイントになりそうです。繰り返しになりますが、子ども達と一緒に試合の映像を見ること自体が悪いことではありません。その目的は子ども達自身が映像からポジティブなイメージを持てるようにすることだと思うのです。

それでは試合映像を使った振り返りでは、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか? 一緒に整理していきましょう。

試合映像の振り返りで気を付ける3つのポイント

まずは前提として、反省会という雰囲気で行わないことが大切だと思います。思い出映像を見るくらいの雰囲気でいいと思います(笑)。

ポイント① 良かった部分を取り上げる

良かったところをとにかく褒めてあげてください。褒めてもらったプレーについては、「また次もチャレンジしよう!」という気持ちに繋がります。また、自分の特徴が発揮出来ている場面も同様です。映像からポジティブな部分を取り出してみてください。

ポイント② 比較をしない

「あの子は出来ているのに、何で出来ないの?」などと言いたくなりがちですが、他の子との比較はしないようにしましょう。他の子と比較するような発言は劣等感に繋がることもあります。自己肯定感を高める上でも、あくまでもその子自身の成長の幅を見ることが大切です。「出来なかったことが出来るようになってるね!」といった言葉で勇気を与えてあげてください。

ポイント③ 結果でなく姿勢を評価する

出来た、出来ないの結果だけでなく、チャレンジしている姿勢を褒めてあげると良いでしょう。一生懸命に取り組んだ先にあるのが、結果です。まずはその姿勢を育てていくことを大切にしましょう。

試合後の反省会はポジティブに!

 

子ども達のサッカーのことになると、つい熱くなってしまう…そんな方も多いかと思います。自分がサッカーをされていた方なら、なおさらかもしれません。熱くなることは悪いことではありませんが、まずは結果だけで判断せずに、子ども達の取り組む姿勢をポジティブに評価してあげてください。その繰り返しが子ども達に大きな勇気を与えます。子ども達はそれぞれの社会の中で一生懸命頑張っています。『試合後の反省会』を是非とも楽しい時間に変えてあげてください。

先日、中学生からバスケットボールを始めた長女が初めての公式戦を迎えました。初めての公式戦に「緊張する…。どうしたら良いの?」と聞いてきたので、「どんな選手も緊張はするけど、緊張は受け入れるもの。いきなり大きな成果を求めても手に入らないから、目の前のことを一つ一つ頑張れ」と送り出しました。その後、試合の感想を聞くと…「楽しかった!」と笑顔で話してくれました。何でもポジティブにチャレンジした先に成果があるのだと改めて勉強になりました。

WRITER PROFILE

 大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

BLOG「サッカーのある生活...」も執筆中
★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー