白井陽貴(矢板中央高校) 矢板CBの系譜を継ぐ新主将がタレント軍団をさらなる高みへ【選手PICK UP】
選手権ベスト4メンバーを数多く残すタレント軍団
上のステージへの挑戦権を掴むための一年だ。17年度の選手権で2度目の全国4強入りを果たした矢板中央は、日本高校選抜MF稲見哲行(現明治大)やU-17日本代表歴を持つMF松井蓮之(現法政大)らが卒業したものの、最終ラインの柱を担ったCB白井陽貴や注目レフティーのMF飯島翼、ガーナ系の190cmストライカー、望月謙、小さな高速ドリブラー・板橋幸大ら選手権経験者の半数以上を残す。全国上位とも言えるタレント軍団の新主将を務めるのが白井だ。 昨年、CBも務める機会のあった稲見が、矢板中央は伝統的にCBに好選手が出ていることを口にしていた。初の全国4強時の守備の柱、CB須藤貴郁(現ヴァンラーレ八戸)とCB星キョーワァン(現駒澤大)はいずれも日本高校選抜経験者。稲見もボランチとCB兼任として日本高校選抜入りを果たし、松井もU-17代表でCBを務めた。今年、白井は彼らに続く可能性がある。
まずはプリンスリーグ関東に注力。最終目標は昨年の選手権全国4強超え
白井は1年次から注目されていた180cmDF。1月の選手権は怪我の影響で準々決勝を欠場したものの、守備の中心としてチームの全国4強入りに貢献し、0-1で敗れた流経大柏(千葉)との準決勝でも空中戦で強さを見せるなど好勝負を演出した。高橋健二監督が「白井は経験値がある。コーチングもできる」と信頼を置く存在は、より高い意識を持って最終学年をスタートさせている。 選手権後は意識的にフィジカル強化。指揮官も認めるように身体は一回り大きくなり、対人プレーでの力強さを増している。そのCBはまず、昇格したプリンスリーグ関東の戦いに注力。この戦いが自身の将来の可能性を広めると考えている。 「プリンスリーグにはユース年代の代表選手がいる。そういう選手には絶対に負けたくないし、代表へのアピールにもなると思うので上を目指して頑張っていきたい」。的確なコーチングと読みの鋭さ、そして泥臭くゴールを守り抜くという責任感を持つDFは、まずチームの勝利のために全力でプレー。そして横浜FMユースとの開幕戦で勝利したように、世代トップクラスのFWを封じて自身の評価を高めていくつもりだ。 昨年、チームは新人戦、関東大会予選、インターハイ予選と無冠。それでも高橋監督が「顔つきが変わった」という夏を越えて選手たちは強さを増した。そして、選手権で過去最高タイの4強、プリンスリーグ関東昇格。昨年同様、今年も特長のある選手が並ぶ中、白井は主将として「チームの良さを引き出して行けたらいい」と考えている。チームとしての最終目標は昨年の選手権全国4強超え。主将、注目DFとして結果を残し、世代を代表する存在となった先輩たちに続く。