JICAボランティア(青年海外協力隊)のサッカー隊員が感じた南米ボリビア ユース事情~第2回~
サカママ読者のみなさま、こんにちは!
第2回となる今回は、南米ボリビアサッカー育成年代のカテゴリー、そしてユース年代のプロユース、街クラブ、学校での活動内容について書いていきたいと思います。
日本では普及年代・育成年代のカテゴリーは、下記のようになっています。
・幼児キッズ U-6(時にはU-5、U-4)
・小学生年代 U-12(U-11=5年生、U-10=4年生…)
・中学生年代 U-15
・高校生年代 U-18
日本からみた地球の反対側、南米ボリビアでもほぼ同様ですが、根本的に幼稚園の入園時の年齢がバラバラです。
そのため、当然ながら小学校や中学校も生まれた年が違うお友達がたくさんいるのですが、その環境が「当たり前」なので全然気にならない。違和感がない感じです。
私のいたサッカーチームにも、6歳になる年に小学校1年生に在籍している子もいれば(日本より1年早い)、逆に8歳になる年に小学校1年生に在籍している子もいました(日本より1年遅い)。
また、ボリビアの学校は始業が1月で終業が12月となります。ただし、サッカーの試合・大会においては所属の学校や学年は関係なく、国民全員が持っている個人生年月日が記載された身分証明書(Carne de identidad)の写しにより、大会ごとに選手証が作られていました。
私が主に活動していたスクレ市(憲法上の首都であり古都の街)の公式大会では、男子は
Sub7(U-7)、Sub9(U-9)、Sub11(U-11)、Sub13(U-13)、Sub15(U-15)、Sub17(U-17)、Sub19(U-19)
という育成年代がありました。
女子の場合、Sub12(U-12)、Sub14(U-14)、Sub16(U-16)、Sub18(U-18)となります。
また、スクレ市には、唯一のプロチーム Universitario de Sucre(ウニベルシタリオ)があります。
日本同様にSub6(U-6)のカテゴリーからSub19(U-19)の各カテゴリーでチームが存在し、町や市の大会に一クラブチームとして参加していました。多少人気はあり、在籍人数も多いようでしたが、プロのクラブが日本ほどには特別な存在・価値ではない印象があります。
尚、プロリーグは1部14チームのみで、人気チーム上位3~5チームを除くと各チーム経営が大変との話も聞きます。私がいたチュキサカ県内では過去にプロリーグに所属していたチームが4チーム位あったそうです(大昔の話を含め……)。
・Universitario SFX ( = Universitario de Sucre )
・Independiente Petrolero
・Stormers
・Dunamis
しかし、財政問題や競技力の問題等々で長続きはせず、短期間で降格してしまうのだとか…。Universitario も2018年シーズン最下位のため、2019年シーズンは県(州)リーグに降格してしまいました…(涙)。そのため、2019年シーズンは残念ながらチュキサカ県内にプロ1部のチームは0となっています。こういったこともあり、プロチームのユースチームが特別な存在であったり、入団が難しいという雰囲気は日本ほどには感じられませんでした。
学校は学校で部活動のようなサッカーチームがあり、Pulrinacionalという大会があります。日本で言うインターハイや全中大会のような感じでしょうか。
しかし、レベルは低く日本ほど活発でもありません。スクレ市内だと大きい私立の学校3校ほどが、クラブチームばかりが出場する年間を通した県(州)のリーグ戦に出場していました。
やはり、ボリビアでは街のクラブチームでの活動が基本となり、ほぼ部活動はそのPulrinacionalという大会のために一定期間のみ行っている感じでした。
次回は、育成年代からプロへの道筋、プロ選手のレベルなどについて書いていきたいと思います。お楽しみに!