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名波浩

【中学サッカー進路ナビ発売記念】名波浩が考える、中学サッカーに必要なこと。

東京、神奈川、千葉、埼玉のクラブチーム情報を収録した『中学サッカー進路ナビ』がついに発売! 本書ではサッカー進路ガイダンス、一都三県のクラブチーム情報に加え、名波浩監督(ジュビロ磐田)が日本サッカーにおける中学年代の意義や重要性、未来について語り尽くす1万字特別インタビューを収録。今回は特別に、その一部をここに公開します!

中学という“環境”に順応すること

—日本サッカーにおける3種(中学)年代の立ち位置、育成、親の向き合い方、そして小学校高学年から中学生の子どもたちの心の持ち方などについて、名波監督にお話を伺いたいと思います。名波監督は現在も中学生を指導する機会などはあるのでしょうか?

「ありますよ。大学も高校も中学も全部のカテゴリーで教えています」

—小学生から中学生になることで、大きな環境の変化や諸問題が出てくると思いますが、中学にステップアップする際に、名波監督は子どもたちがどのような心構え、準備をしておくべきだと思いますか?

「まさにオンタイムで僕の息子が中学1年生なんです。6年生から中学に環境が変わる中で、僕が伝えたのは『まずは順応しなさい』ということです。中学になると、まずボールのサイズが4号球から5号球になります。さらに、試合も8人制から11人制になり、ピッチのサイズも変わります。そういった変化に対応するために、何をすべきなのかということです。ボールをずっと触っていれば5号球にも慣れてくるでしょうし、ピッチの色んな位置に立つことで、小学生時代との景色の違いも分かってくるでしょう。ボールスピードにしてもそうです。小5と小6ではあまり変わらないものが、中1と中2では明らかに違いがあり、中2と中3ではもっと違うわけです」

—まずは環境の変化を身を持って自覚すべきということですね。次のステップとして、その環境に慣れていくにはどのようにすればよいでしょうか?

「僕は6年生(藤枝市立西益津小学校)の終わりから5号球を使って練習していました。ピッチこそ小学生のサイズでしたけど、隣に中学校(藤枝市立西益津中学校)があったから、中1のチームとも頻繁に練習試合をしていました。それは環境に恵まれていたこともありますけど、家の中でも5号球を触ることはできるわけですからね」

—名波監督が中学生の頃は中体連の部活動が盛んな時期だったと思います。

「そうですね。僕が中学生の時は、夏の「全国中学校サッカー大会(全中)」が終わったら、そこで中学サッカーの部活動は一旦終了するというイメージでした。でも今は街クラブをはじめ、サッカーのクラブチームが盛んになっていますから、卒業するまでサッカーを続けられますよね。もちろん、受験勉強の時期でもあり、両立は大変かもしれませんが、サッカーを続けることに関して言えば、環境はよくなってきていると思います」

—たしかに首都圏を中心に今は街クラブが充実しています。かつては居住地域によってある程度道筋が決まっていましたが、今は「選択」することができるようになりました。

「選択肢が増えることによって子どもの可能性が広がることは良いことだと思います。今までは学区内に限定されるものが、そうではなくなってきた。『部活動は新聞部で、クラブチームではサッカーをやっています』という時代になってきています。僕の息子は中学のサッカー部に夕方まで参加し、その後にジュビロサッカースクールに通っています。非常に良い環境でやれていると思いますよ」

—その場合、所属はどうなるのですか?

「3種の登録はジュビロSSになるので、中学は練習だけの参加になります。ただ、どちらも練習スケジュールが火曜、木曜、金曜と重なってるのでめちゃくちゃしんどいと思います。でも本人はその過酷なスケジュールを気に入っているみたいですね。勉強は一切やらないけど(笑)」

—中学生で難しいのはそこですよね。サッカーだけに振り切ってしまえばいいのかもしれませんが、現実問題として、塾に行くことや内申点など、勉強との両立は永遠の課題でもあります。そこの向き合い方はどのように感じていますか?

「1日は24時間しかないわけです。まして13歳から15歳という、色んなことに興味を持つ多感な時期に……

《続きは本書にて掲載しております。》

聞き手/堤 秀樹(『サカママ』プロデューサー)
写真/中川 司

『中学サッカー進路ナビ』

中学サッカー進路ナビ

東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県を対象に収録!
サカママ編集部からサッカー業界初の“進路案内”が登場!

定価:本体1,200円+税
発売日:2018/10/1
ISBN:978-4905349426

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