本番直前にできる心の整理術
こんにちは、メンタルトレーナーの清水利生です。
受験やセレクションなど緊張感やプレッシャーを感じるとき、普段通りできれば…と、いつも通りの自分でいられればうまくいきそうでも、なかなかそうはいかない事もあります。
今日はそんな大一番の前にできる、緊張やプレッシャーを扱うための心の整理方法を書いていきます。
プレッシャーを上手に扱おう!
今まで多くの選手をサポートしてきましたが、本番で失敗してしまった選手に後から話を聞くと、「今考えるとプレッシャーがかなりかかっていたかもしれない」といったコメントをよくもらいます。
プレッシャーは良くないものと認識していると、知らぬ間にプレッシャーを避けようとする思考が働きます。
例えば本番3日前。本番のことを考えると不安になってしまうから、考えるのをやめておこう。そんな考え方になると、知らぬ間に本番を避け、自分に今かかっているプレッシャーに気付かなくなるものです。
しかし本番になると避けては通れないのがプレッシャー。大事な場面になればなるほどかかってきます。
本番で自分の本来の感情を感じないようにしようとすると、自分の状態を見失ってしまいます。プレッシャーや緊張は、心の自然な反応です。
プレッシャーを悪いものと認識するのではなく、素直な自分の感情なのだと寄り添うことが、プレッシャーの上手な扱い方と言えるでしょう。
大切なのは、その感情をなくすことではありません。その感情の中でどんなことができるのか?ということです。
ですので、お子さんがいつもと様子が違うようならば、素直な感情を認識できるように会話を使ってお子さんの感情に寄り添ってみてください。
自分に置き換えて感情を伝えてみる!
感情に寄りそうためには、まずお子さんが自分自身の感情に目を向ける時間をとることです。
例えばお母さんから、「こういう時って自分だったら緊張するな」や、「自分ならプレッシャー感じるよ」と、自分がその状態であったときにどんな感情になるかを話してみてください。
お母さんからの一言で、お子さんは感情に目が向き、自分がどんな状態かを把握する作業ができます。そうすると今の自分が理解でき、いつもの自分となるための土台ができます。
意識を向けるのは行動へ
感情に気づいたら、その感情に寄り添うこと。そして、その次のステップとして、行動に意識を向けること。
そうすることで、やるべきことが明確化され、頭の中が整理された状態で本番に向かうことができます。
例えば、「緊張してるから、まずはゆっくりと丁寧にプレーしていこう」や、「プレッシャーがかかっているから、最初のプレーは簡単なプレーからして、徐々に慣れていこう」など、自分の感情に寄り添いながらできる行動に意識を向けます。
前提として緊張、プレッシャーは受け入れられており、その中で徐々にエンジンをかけていくことを意識しましょう。
「緊張してるけど、ワンプレー目はミスしなかった!」といったように、できることを積み重ねることによって、緊張している自分を肯定できるようになっていきます。
緊張してる状態でも自己肯定感を得られるようになると、緊張していることが気にならなくなってきます。その状態になると、いつもの感覚が戻ってくるでしょう。
その自己肯定感を積み重ねるためには、本番前に行動を設定することをおすすめします。予めお子さんと作戦会議をひらき、最初のプレーや前半のプレーで意識する行動目標を決めておきましょう。
自己肯定感を得ることはいつもの自分になるための一番の特効薬。
皆さんの大切な場面でメンタルトレーニングが役立ててもらえると嬉しいです。