米子北高校【全国強豪校REPORT〜全国高校総体 北海道2023特集〜】
高校サッカーの夏、いつもの景色が戻ってきた。無観客、応援制限が解除された全国高校総体予選では、全国各地で大声援が選手たちを後押しし、熱狂の中、数々のドラマが生まれている。今回は米子北高校を紹介。
2年連続で届かなかった夏の頂点。悔しさを糧に、今年こそ日本一へ
米子北高校
鳥取県/私立
[主な成績]●インターハイ(18回出場/最高位=準優勝〈2009年、2021年〉
●選手権(18回出場/最高位=ベスト8〈2017年度〉)
プレミア&プリンスに同時参戦
インターハイは15大会連続18回目の出場、高校選手権は昨年度まで13年連続18回の出場。今年は2018年以来のプレミアリーグ参入を果たし、ホームゲームには多くの観客が詰めかけている。さらにセカンドチームもプリンスリーグ中国に初めて参入しており、県リーグ1部と2部、1年生リーグも含め、部員全員が各カテゴリーで実戦経験を積みながら力を伸ばしている。
インターハイでは過去2年、悔しさを味わった。2009 年以来の決勝進出で青森山田(青森)と対戦した一昨年は、前半に先制したが、後半終了間際と延長後半終了間際の失点で逆転負け。準決勝に勝ち上がり、2009年の決勝で敗れた前橋育英(群馬)と対戦した昨年は、0-0からのPK戦で敗れている。悔しさを糧に、今年こそ夏の日本一を勝ち取るべく意気込む。
伝統の堅守速攻&衰えない運動量
堅守速攻が伝統のスタイル。前線の追い込みから始まる連動した守備でボールを奪い、素早く前線に展開してダイレクトプレーを織り交ぜながら敵陣を攻略する。ボールを奪われた後の守備への切り替えも徹底されており、スピーディーな展開で相手に息つく暇を与えない。それを可能にしているのが、試合終了まで衰えない運動量だ。学校近くの砂浜でダッシュやターンを繰り返すなどして鍛えた走力は、一つの試合だけでなく、特に真夏の連戦となるインターハイでは大きなアドバンテージとなる。
KEY PLAYER 石倉亜連(3年/DF)
機動力と献身性が持ち味のCB
米子市立弓ヶ浜中時代はFWだったが、昨年からボランチで主力に定着し、今年はCBの一角でプレー。172センチとCBとしては小柄ながら、機動力と献身的なプレーで中央を固め、「ボールだけでなく、相手も見ながらリスク管理していホーム開催のプレミアリーグでは毎回、地元の る」と語る。伝統の堅守を支える一人だ。
TOPICS 01
子どもたちがエスコートキッズ
ホーム開催のプレミアリーグでは毎回、地元の少年団を入場時のエスコートキッズに招待。試合前のウォーミングアップも間近で見学しており、子どもたちは目を輝かせている。
TOPICS 02
試合の運営も少しずつスムーズに
今年はプレミア&プリンスのホーム同日開催などで試合の運営規模が拡大。選手とスタッフが総出で準備しているが、作業が少しずつスムーズになり、所要時間が短くなっている。
TOPICS 03
練習前後の補食は特大おにぎり
体づくりとコンディショニングの一環で、練習の前後に補食として、大人の拳ほどの大きさの特大おにぎりを食べている。寮の舎監が日々味付けを変えながら握っている特製品だ。
仲田堅信(3年/MF)
昨年からの主力で、ハードワークしつつ、決定的なパスを供給するボランチ。「声を掛けながら、周りを生かすことを意識している」と語るプレーに加え、昨年の悔しさもチームに還元する。
尾崎巧望(3年/GK)
体を張ったシュートストップと正確なキックが持ち味。プレミアリーグの厳しい戦いを経て「もっと危機感を持ち、無失点にこだわらなければいけない」との思いを抱く守護神だ。
取材・文・写真/石倉利英