広島国際学院高校【全国強豪校REPORT〜第102回選手権出場チーム特集〜】
広島国際学院高校
広島県/私立/[出場]初出場 【選手権最高成績】県予選準優勝(2022年)
広島夏冬連覇の注目チームが魅せる“自走する”サッカー
広島皆実や瀬戸内という選手権常連チームを破り、今年の総体に続き広島で夏冬連覇を成し遂げた。昨年の選手権広島県予選決勝敗退後、瀬越徹・前監督に代わり今年のチームを率いるのが谷崎元樹監督だ。
「2006年より新卒で当校に赴任し、コーチとして関わってきました。瀬越先生から受け継いだものを表現するつもりで指揮を執ることになりました」
結果はすぐに表れる。就任して最初の夏に総体全国出場を果たした。初戦の帝京五高(愛媛)には0-1で惜敗となったが、全国の舞台に立ったことが選手たちの意識のギアを一段上げた。
「うちは選手から積極的に声が挙がってきます。選手権県予選では選手交代に対してピッチ上から✕マークを出してきた選手がいるほどです(笑)。試合後に聞いたら『縦に速い選手が必要だった』と言っていましたね」
“選手目線”で接し、選手が声を出しやすい環境を与えているからこそ自主性が育まれる。夏場の飲水タイムでは選手が前半で相手の分析結果を伝え合い、ハーフタイムで後半に備え、もし相手に変化があれば再び後半の飲水タイムで情報交換し「選手自ら」軌道修正をする。
主将のDF茂田颯平は戦術理解に優れ、ピッチ内外でチームを統率し、谷崎監督からの信頼も厚い。ヘディングが強いMF長谷川蒼矢は攻撃のターゲットとなり、相手のロングパスを阻止する攻守の要として、瀬戸内との県予選決勝でも大きな役割を果たした。ともに初出場として開幕戦を戦う早稲田実業(東京)に向け余念はない。
「相手によって変わるのがサッカーだと思っています。しっかり守って、粘って初勝利を掴んでいきたいと思います」(谷崎監督)
ピッチ上でのフォーマンスはもちろん、広島国際イレブンが掛け合う“声”にも注目したい。
茂田颯平(DF/3年生/主将)
「自分達の代で選手権初出場を決めたかったので嬉しいです。チームの強みは“仲の良さ”だと思っています。ハーフタイムは会話が止まらないですし、自分達で何をすべきか見つけ出していけるところが強みだと思います。谷崎監督が選手同士で話す時間を設けてくれているのも大きいですね。堅守に加えて今年のチームは攻撃のバリエーションも豊富なので、全国の舞台で力を発揮したいです。国立競技場でプレーできる選手は限られていると思うので、開幕戦の雰囲気を楽しみつつしっかり勝利したいです。支えてくれた親や親戚などお世話になったすべての方に恩返しができるよう頑張ります」
長谷川蒼矢(MF/3年生)
「去年は守備でしかチームに貢献できなかったですが、今年は攻撃面を意識してリーグ戦でも9得点取ることができました。選手全員が発言できることがチームの強みと思っています。夏は一回戦負けという悔しい思いをしたので、選手権では勝ちたいです。国立での開幕戦という大舞台で緊張せず、自分たちの3年間やってきたことをぶつけたいです」