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「PKを蹴る勇気」と「PKを外してもいい環境」【Monocular#12】

サカママの皆さん、いかがお過ごしでしょうか?サカママライターのマツユミです。
中東カタールで続くW杯試合観戦のため寝不足気味のご家庭も多いのではないでしょうか?11月20日に開幕したカタールW杯は、ここまでにベスト8が出そろいました。残念ながら、日本代表は決勝リーグ初戦で敗退となってしまいましたが、ここまでの戦いぶりには「ブラボー!」しかありませんね。

 
憧れは大活躍の三苫薫選手

ベスト8をかけたクロアチア戦は、息子はもちろん私もTVの前で120分+PK戦まで釘付けになり、改めてサッカーの魅力と厳しさを感じました。そこで、今回のコラムは、日本代表の「PK戦」を振り返りながら、そこから私たちサカママが学べることを考えてみたいと思います。

 
息子が作成中のW杯対戦結果表

今大会の日本代表の歩み&PK戦のルールを振り返り

ご存じのとおり、日本代表は11月23日に強豪ドイツを相手とした初戦を白星でスタートしました。圧倒的な格上を相手に掴んだ勝利は世界を驚かせましたね。続く11月27日の2戦目では、コスタリカに勝ち点3を奪われる結果となり、サッカーファンは深く落ち込みました。しかし、そこで終わらないのがサムライブルー! 12月1日に行われたグループリーグ最終戦では、無敵艦隊スペインを相手に2-1で逆転勝ちをおさめ、グループE首位で決勝トーナメントへ駒を進めました。そして、12月6日にむかえたクロアチア戦では、延長戦後も1対1で決着がつかないままPK戦となり、4人目の選手が蹴った時点で日本の敗退が決まりました。

ではここで、改めてPK戦の方法とルールをサカママHPに掲載されている「今さら聞けない!?サッカールール講座PK編」を参考に眺めてみましょう。

手順①
主審がコイントスを行い、どちらのゴールを使用するかを決める(天候、グラウンド状態、自然環境などを考慮して決める時もある)。
→クロアチア戦ではベンチから見て左側でした。

手順②
再びコイントスを行い、勝ったチームは先攻か後攻かを決める。
→クロアチア戦では日本が先攻、クロアチアが後攻でした。

手順③
両チームが交互に蹴る。5人が蹴り終わって同点の場合は、6人目に回る。6人目以降、一方のチームが成功し、もう一方のチームが失敗すればそこで勝敗が決する。11人目でも決着がつかない場合は、2巡目となる(2巡目の順番は1巡目と変えることも可能)。
→クロアチア戦では各チーム4人目の選手まで蹴りました。

子ども達がPKを「蹴る勇気」を持てる環境を作ろう

PK戦の成功率は、およそ70%だと言われています。その一方で、全ての視線や期待が蹴る選手の動きに注がれているため、心理的な側面が、その成功率に大きく影響するといわれています。さらに蹴る順番や蹴る方向など短い時間に様々な事項を考慮し、判断をしなくてはいけません。それゆえ、キッカーとなる選手は、精神的にタフであることはもちろん、瞬時の判断力も求められます。そして、日本サッカー界の頂点に君臨するサムライブルーの選手たちでさえ、思い通りにいかないことを私たちはクロアチア戦で目撃しました。

だからこそ、サッカーキッズがPK戦に向かう際に、私たちサカママが大切にしたいのは、「勇気を持ってPKに挑める環境」そして「PKを外してもいい環境」ではないでしょうか。PK戦というチームの勝敗を分ける重要な場面では、失敗に対して子どもたちだけでなく保護者でさえも厳しい眼差しを向けることがあります。ただ、その「厳しい眼差し」は、子どもたちの挑戦する心を萎縮させ、考え・より良い判断をする力を磨く時間を奪ってしまうこともあると思うのです。精神的にタフであることや瞬時の判断力を養うためには、成功と失敗を繰り返していくことしかないと思います。日本代表のPK戦敗戦を受けて、ロベルト・バッジョの「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」という名言が、再び注目されています。全てのサッカーキッズが「蹴る勇気」を持てるサッカー環境、自ら考え判断できるサッカー環境作っていきたいですね。

 
八咫烏に守られて次のW杯ではベスト8!

【参考資料】

WRITER PROFILE

マツユミ
マツユミ

「みんなちがって、みんないい社会とは?」を日々考える社会科学系研究者。2人のボーイズ(12歳・9歳)を育てるサカママ。兄は、サッカー8年目。一方、弟は兄の影響でサッカーを始めるも、現在はアイスホッケーに夢中。スポーツ医の夫と愛犬の5人家族。

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