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教えて!カントク!和光ユナイテッド川崎FC(神奈川県)下山悠監督

「中学サッカー進路」について、サカママからの疑問に監督が答えます。ただ上手さだけを追求するのではなく、サッカーを通した人間教育の大切さについて、耳を傾けてみてください。

多田浩行監督

和光ユナイテッド川崎FC
(神奈川県)
下山悠監督

小学生のうちに中学サッカー進路はいつごろから考えるべきでしょう。

「ここ」という明確な時期はありませんが、遅くとも5年生の終わりから6年生の始めくらいには進路のイメージがある程度あった方が良いかなと思います。年々、セレクションの時期が早まってきているので、行動が遅い(情報を持っていない)と、チャレンジしたかったクラブにチャレンジできないということもありうるので、セレクションシーズンに入る前に親子でしっかりと「次の三年間」に向けて話をしていくことは大切だと思います。

クラブチームにおける中学の部活動との違い、部活動と比較したクラブチームの良さとは何でしょう。

一概には言えませんが、「サッカー専任の指導者が常駐していること」、「カテゴリーごとの活動が出来ること」ではないでしょうか。
部活動では専任の先生に教えていただけるかは学校によってしまいますし、一人顧問という話も多く聞きます(校務でグラウンドに出られない日もあると聞いています)。また、中学1年生から3年生まで一緒に活動していることもあるかと思います。
クラブでは固定の時間に決まったスタッフがいて、各カテゴリーごとに活動できるので、プレー機会の確保、選手一人一人に目を向けて指導が出来るなど、「自分のプレーに集中しやすい」環境があるのではないかと思いますね。

中学年代の保護者のサポートについて、どういったことが大切か、また保護者はお子さんとどう向き合うことが大事だとお考えでしょうか?

「見守ること」「背中を押してあげること」が大事だと思います。どうしても選手の行動に干渉してしまいがちですが、彼らはもう中学生であり、「自分で考えて行動すること、行動に責任を持つこと」を覚えていかなければなりません。
また、「様子に気付く、話を聞く、話を引き出す」ことも大切です。思春期というものは、なかなか自分から話をしたがらないので(実際は聞いてほしいことも多々あるのに)、様子を見て違和感を感じたら、「寄り添ってあげる」ことが大切ではないでしょうか。

クラブチームでの活動と学業は両立できるでしょうか?

難しいのは間違いないですが、できると思っています。私達のチームでは、成績が良い子ほどテスト前も活動をあまり休みません。恐らく成績が良い子は、日々の授業をしっかりと受け、毎日コツコツ勉強しているのだと思います。そして、彼らに共通しているのは「目標(なりたい自分や志望校など)」があるということです。目標があり、そこに向けて逆算して動けるので、「当たり前」のように勉強をします。
サッカーに限らず何でもそうですが、目標に向かってコツコツやるという「習慣」はすごく大切です。そういった習慣を身につけられるかが、両立の鍵ではないかなと思います。

中学年代の育成について、大切なことは何だとお考えですか?

小学生時代よりも世界が広がり、出来ることも増えるのが中学生年代です。自分の力も理解し、現実も見えてきます。サッカー選手になるのを諦める、疑念を持つのもこの世代が一番多いのではないかと個人的には思います。
ですので、「目標を持つこと(持たせること)」、「諦めないこと」、「一生懸命やること」が大切ではないでしょうか。そして、「やればできる」という成功体験をたくさんさせてあげることが成長に大きく繋がっていくように感じます。
サッカー選手になるという一人一人の夢の達成のために、最初の勝負の場であるユース年代に繋げるのが中学生年代です。目先のことだけになるのではなく、しっかりと先を見据えながら全力で過ごしていくことが大切だと考えています。

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