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大分工業高校(大分/公立)九州王者を最も追い詰めた伝統校 攻撃力を武器に全国舞台復帰へ【全国強豪校REPORT】

年代別代表選手を擁する大津を相手に後半20分までリード

2月17日から20日まで開催された九州高校新人大会は、前評判の高かった大津(熊本)が6試合で18得点を叩き出して優勝した。昨年、1、2年生が先発を占めていた大津は年代別日本代表候補やプレミアリーグ選抜選手たちを中心に個と連係面でライバルたちを上回り、堂々の九州制覇。その大津を最も追い詰めたチームは大分の古豪、大分工だったかもしれない。

大分工は1979年に開催されたインターハイで全国準優勝。1982年のインターハイでも4強入りしている伝統校だ。選手権11回、インターハイ12回の出場回数はいずれも大分県内トップ。選手権は1992年度、インターハイは1987年度の出場が最後となっており、全国から遠ざかっているものの、今回の九州大会で自信をつけたことは間違いない。

大分県第2代表として九州大会に出場した大分工は予選リーグ初戦で沖縄県1位の那覇西に3-0で快勝。続く日章学園(宮崎1)戦は終盤の連続失点で逆転負けを喫したが、創成館(長崎)との最終節を1-1で引き分けて、ブロック2位に食い込んだ。特にエースFW矢野達也主将は那覇西戦でハットトリックを達成したのを皮切りに、3戦5発と大活躍。そして大津戦でも「キックに関しては自信があります」という矢野のFKから1年生FW高野康巳が先制ヘッドを決めた。

大津戦で光っていたのは各選手が強敵に対して怯まず、ファイトし続けた部分だ。強い雨の中、ボールの奪い合い、拾い合いで身体を張って対抗。相手の素早いパス交換、サイド攻撃に対して出足良く距離を詰め、ボールを引っ掛け、攻撃に繋げていた。雨の影響もあって普段よりはリスクを回避していたというものの、正確にパスを繋いでのビルドアップを披露。矢野を起点に塩田ヒロト、後藤滉稀の両翼の仕掛けなどで攻め返していた。

「経験を積み上げた」九州大会を経て、インターハイ予選へ

後半20分まで1点をリードしたが、大型選手を投入してきた大津にセットプレーから3点を奪われて逆転負けした。今回の新人戦九州大会は6失点全てが後半と課題が出た形に。今年の全国トップクラスと評される大津撃破は叶わず、1985年以来となる九州準決勝進出も逃した。

それでも矢野は「守備に不安があったんですけれども、攻撃は去年からメンバーも変わらずやっているので通用するかなと思っていた。全試合得点もできましたし、攻撃に関しては結構九州でも通用する部分があったんじゃないかと思います」と手応えを得た様子だった。

1年生MF明石龍弥が「大分工業は昔から強いと聞いていたので、中学校の頃から進路は大分工業を考えていました。まずインターハイから県で優勝してそこから選手権につなげていきたいです」と語ったように、目標は全国復帰。友成義朗監督も「経験値を積み上げた」と語った九州大会から課題を痛感した守備面、そして武器である攻撃面も特に決めきる部分を伸ばしてインターハイ予選に臨む。