綿谷航平(横浜創英/3年) 「自分が光るのはゴール前」 ブレイク寸前の快速ストライカー【選手PICK UP】
KOHEI WATAYA
横浜創英/3年
2001年3月14日生まれ 184cm/71kg 一瞬の加速力でDFの背後を取り、得点を重ねる横浜創英高のストライカー。U-17神奈川県選抜にも選出される注目株は、新シーズンではチームのエースとして全国区での活躍が期待される。
選手権優勝校・前橋育英ほか、強豪校相手に存在感を発揮
全国高校選手権は1月8日に決勝が行われ、前橋育英(群馬)が初優勝を飾った。その前橋育英をはじめ、各校が新シーズンへ向けた準備をスタートさせている。新シーズンはどの高校が躍進するのか、また誰がブレイクするのか。激戦区・神奈川県の新鋭、横浜創英にブレイク候補の快足ストライカーがいる。
FW綿谷航平はU-17関東トレセンメンバーにも入っている注目株。神奈川県内では昨年から話題になっていたFWだが、選手権予選で初戦敗退を喫するなどなかなかチームとしての結果が出ず、悔しいシーズンとなった。
それでも新シーズンを前に、彼は強豪校相手にも目立つプレーを見せている。年末の高校フェスティバルでは午前中の三浦学苑(神奈川)戦でハットトリックを記録すると、午後の八千代(千葉)戦でも2得点を叩き出した。翌日には前橋育英相手にも一瞬の抜け出しでDFの背後を取って決定的なシュートを放ち、そのキープ力でも存在感を発揮。前橋育英は選手権優勝メンバーの2年生こそ不在だったが、次の主力候補たちで構成されていた。その中でも綿谷は「やれる」ことを印象づけた。
一見、特別なスピードを持っているようには映らないが、一瞬の加速力でDFを簡単に振り切ってしまう。ただし、本人は「全国レベルの相手に自分の力を全部出せなかったので、後悔しています。自分が光るのはゴール前だと思っているので、もっとそこで脅威になれるようにしたい」と首を振る。
宮澤崇史監督も一段抜けたFWへの成長を期待する大器
神奈川県内の試合ではボールコントロールが乱れても、相手に身体を預けながらキープすることができていた。また、スピード勝負で負けることは「あまりないですね」と自信を口にする。だが、前橋育英相手ではフィジカル面が強く、思うようなプレーをさせてもらえなかったという。プレッシャーを受ける中でボールをシンプルにさばきつつ、スペースへの飛び出しからチャンスにも絡んでいたが、本人はプレーの連続性、フィジカル面などを課題に挙げて悔しがっていた。
現役時代、桐光学園(神奈川)の中盤で1学年下のMF中村俊輔らとともにプレーしていた経歴を持つ宮澤崇史監督は、「チームとしてはまだまだ普通ですよ」と笑うが、綿谷に関してはその爆発力を含めて一段階抜けたFWになることを期待する。
横浜創英は“創英スタイル”と評される、ボールを大事に、各局面で数的優位を作りながら、判断よく攻めるチームスタイル、1年生MF坂岸寛大ら配球役も多い中で綿谷がゴールを量産すれば、横浜創英にとって初の選手権出場の可能性も広がってくる。
今後へ向けて綿谷は「個人的には裏抜けたら必ずシュートまで行ける選手になりたいです。(目標は)Jリーガーになってそこから世界で活躍できる選手になりたいと思っています」と意欲。一瞬の加速で相手の背後を取り、1タッチシュートなどを決めるウルグアイ代表FWルイス・スアレスを理想像に挙げるFWは、全国トップレベルの強豪との試合で学んだことを改善して、新シーズンに羽ばたく。