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ルールの変更2019/20 【競技規則改正について】

 2019/20の競技規則改正は選手やチームに関わることがたくさんあります。
今回は、守備側チームによるペナルティーエリア(以下、PAと略)内のフリーキック及びゴールキックについて、お話しします。
これまで、ゴールキックやペナルティーエリア内のフリーキックは、ボールがPAを出なければインプレー(※1)とはならず、もし出る前にプレーしてしまったら、やり直しでした。キック力のない選手は、特に風下の場合、なかなか苦労していたのではないかと思います。今回の改正により、ボールが明らかに動けばインプレーとなり、味方への短いパスが認められることになりました。つまり、PA内でもプレーしても良くなりました。よって、すばやい攻撃が可能となり、今以上にサッカーの魅力が高まると思われます。
相手競技者は、ボールがインプレーになるまで、ゴールキックの場合はPAの外、フリー
キックの場合はPA外かつ9.15m以上離れなければなりません。ボールがインプレーになる前、すなわちボールがけられる前に相手競技者がPAにいた場合は、フリーキックはやり直しになります。
しかし、PA外のフリーキックと同じく、相手競技者がPA外に出ようとしている間に、
キッカー側がリスクをとって、フリーキックをしたならば、フリーキックなどのやり直し
はなく、プレーは続けられます。すなわち、PA外に出ようとした相手競技者が、ボールが
インプレーになった後であれば、プレーに参加できることになります。
相手競技者もゴールキックやフリーキック時に、悔しがったり、休んでいたりしないで、切り替えて、すぐに次に備えることでボールを奪うチャンスを見つけることができます。この攻防もはらはら、どきどきで面白いです。いかに視野を広げ、次の予測ができるかが求められます。

※インプレー:プレーして良い状態

WRITER PROFILE

小幡 真一郎
小幡 真一郎

1952年7月21日生まれ、京都府出身。元国際主審。
サッカーの競技規則の側面から、サッカーの持つ魅力、またはサッカーそのもののを伝えたいと思います。著書に7月21日発売『おぼえよう サッカーのルール』(ベースボールマガジン社)、『すぐに試合で役に立つ! サッカーのルール・審判の基本』(実業之日本社)、『失敗から学ぶサッカー審判の教科書 しくじり審判』(カンゼン)がある。

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