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スクールコーチの見る夢は未来のプロ選手の輩出【サッカーを仕事にするということ】

株式会社川崎フロンターレ スクール普及事業グループ コーチ

山村聖也さん

―サッカー歴は?

幼稚園から高校の部活まで
「3歳から始めて高校までサッカ ーに明け暮れていました。高校3年生の終わりにサッカー部を引退した時、『今後どうしよう』という焦燥感に駆られ、何をしたらいいのか分からない、というのが正直なところでした」

―現職に就けた要因は?

専門学校でコーチコースを学んだ
「ずっとサッカーを続けてきて、将来サッカーに関わる仕事がしたかったです。そこで多くの学校の中から、たくさんのJリーグへの就職実績がある、東京スポーツ・レクリエーション専門学校(以下TSR)のサッカーコーチコースを選びました。オランダのライセンスを取得するなかで、ゲーム分析など戦略・戦術を学び、『指導実践』の授業では、テーマを基にさまざまな指導法の知識・技術を得ることができました。さらに、川崎フロンターレでのインターンシップを通じて就職することができ、夢を叶えることができました」

―主な業務内容は?

スクールではメインコーチとして4つのクラスを担当
「スクールコーチがメインの仕事になります。自分がメインで担当するクラスが4つ、サポートとして他のクラスにも参加します。スクール以外にも川崎市内の小学校の巡回指導を行い、サッカーの普及活動をしています。週末にフロンターレのホームゲームがあれば、サポート業務の他、前座でサッカー教室を担当しています。現在、スクールコーチは18人、鷺沼クラスだけで700人近くもの生徒が在籍し、毎日が刺激的です」

―初期に感じたことは?

イメージとの乖離に戸惑う名前を覚えるのに苦労
「最初は戸惑いも多かったですね。子どもたちの反応というのは、や っぱりイメージしていたものと全然違いますし、対応の仕方が分からないこともありました。当初は名前を覚えるのも大変でした。もちろん、保護者の方とのコミュニケーションも大事になってきますし、学ぶことが本当に多かったです。少しずつレベルアップしてきたかな、とは思いますが、そこで満足せず努力を続けています。周りにはすごい先輩たちが沢山いますから」

―大事にしていることは?

「楽しい」スクールであるよう心がける
「まだ自分の指導方針が確立されているとは言い難いですが、『楽しい』と思ってもらうことを第一に 考えています。スクールは100%サッカーに打ち込んでいる子だけではないですからね。幼児であれば全員が一日一回はゴールを決められるよう心掛けています。『ドリブルを早く』だけでは幼児には伝わりませんから、『新幹線のように早く』と分かりやすく表現してあげるようにしています。スクール生はフロンターレの試合を見ているので、『小林悠選手のようなシュートで!』と言うと、活き活きしてボールを蹴ってくれます(笑)」

―TSRの経験で役立つことは?

実践的な指導を経験それが今に活きている
「授業で学んだことをすぐに実践する機会があったことは大きいですね。学生が主体となり運営するサッカースクールでは、自ら練習メニューを考えてやっていて、それが今になって活きていると感じることは多々あります。メインとアシスタントの2人で指導したことをフィードバックし、改善していく作業は実践的で、学生時代にそれを経験できたことはよかったと思います」

―今後の目標は?

教え子が活躍するスクールでありたい
「自分のスクールの教え子がアカデミーに入って、今後活躍してい ってくれたら嬉しいですね。フロンターレで10年以上コーチをしている方が最初に見ていた選手がU-20W杯に出場した三好康児選手、板倉滉選手と聞きました。いずれ自分のスクールの教え子からプロになる選手が出てきてほしいです」

―高校生に伝えたいことは?

人のせいにせず自分に矢印を向けること
「先輩コーチに言われたことですが、『自分に矢印を向けろ』と。何事も人のせいにするのではなく、原因は自分にあるのではないか、と考えるわけです。これが高校生の時にできていたら、と今になって思いますね」

1週間のスケジュール

オフ
スクール指導(午前、午後)
スクール指導(午前、午後)
スクール指導(午前、午後)
コーチング研修/スクール指導
ホームゲームの前座スクール
イベント、アカデミーのサポート

「ホームゲームがない時は週末が休みになり、月曜、もしくは木曜の午前に川崎市内の巡回指導を行っています」

喜びの1ページ

子どもたちのサッカー愛を感じた瞬間

「4月から教えて半年、子どもたちのレベルが着実にアップしているのを感じるのは喜びですね。また、『サッカーに熱がこもっていないのかな』と感じていた年中の男の子が、試合に負けて本気で悔し涙を流しているところを見ると気持ちが高まります。やっぱりみんなサッカーが大好なんだなって、素直に嬉しい気持ちになります」